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2023年の読書ダイエット失敗:300冊超の中から選ぶ、私のイチオシ本10選

今年こそは読む本を減らすと誓ったのに、読書ダイエットに失敗した。

ビジネス系を主体とした紙の本をすでに110冊読んでしまっている。
(省略)
そこで、もう少し減らしたほうがいいとなった。それよりもアウトプットをしたいのだ。今こうして書いていることも、書きたいと思っているネタも豊富な状態。そこで、7月はアウトプット強化月間とする。

引用:今年の目標を振り返った結果、7月はアウトプット強化月間とする
https://note.com/bobmgmt/n/nf961b03d4da4

2023年の上半期の半年をふりかえったときに、今年の目標が達成しそうにないことに気がついてしまった。しかし、それだけ勉強しなければいけないことがたくさんあると感じている。ようはバランスだ。

ただ、読書ダイエットに手をつけたおかげでそれなりに減ったはずである。少なくとも去年よりは減ったはずだ。数字を確認してみよう。

紙の本を328冊読んでいた

2023年の読書グラフ
2023年の合計読書は600超え

200冊以下に収めようといってこの結果。7月のふりかえりでは、110冊を超えているのでペースを見直そうと言っていたのに、この有様。しかも、今年は再読が多めなのでカウントに含まれていない数もある。

去年が257冊だったので、328冊と増えており、合計数も536冊から606冊に増えてしまった。どうしてこうなった。図書館で借りている本の数は減らしているはずだが。また、電子書籍漫画読みが習慣にもなってしまっている。

年末年始も課題図書で山積みだ。新たに買った人事や組織開発関連の本も増えている。noteの記事は去年の1.5倍書くことができたので、アウトプットとインプットの両方が加速しているとも言える。

8月から10月に掛けて読書量が増えた要因

分析をする。

この時期は図書館に通う習慣がむしろ強化されていた。そのため、図書館でおもしろそうと思った本に手を出してしまっている。次に、仕事で活用するために、ワークショップ関連の本を10冊は借りている。

実際めちゃくちゃ役にたったし手元のメモには言語化ができているので、書き起こしておきたいところ。10月はアンケート設計やテキストマイニング関連の本にも手を出している。これもワークショップの影響。

よって、この時期は必要に迫られて勉強したことがそのまま読書量となっていることがわかる。また、ついおもしろそうと軽く手を出している本が多く、当たり外れが激しい読み方をしてしまっている。

この辺りが要因なので、今後も初学者として向き合う時間が増えてしまったら、自然と読書量が増えるかもしれない。再読+アウトプットは増えてきたので、そちらの行動量をより加速する必要がありそうだ。

2023年に読んで良かった本10選

まだまだ読みたい本が山積みなのだが、2023年に読んでよかった本をここではふりかえってみたい。今回はジャンル問わずで紹介する。過去にこのnoteで一度も紹介していない本にしぼりたいが、やはり再登場する本もある。

ラディカル・プロダクト・シンキング イノベーティブなソフトウェア・サービスを生み出す5つのステップ

ビジョンドリブンの正攻法。

この手の本に珍しく第三部が決めてとなる倫理について語る。測定可能となるアウトカム重視。リーンやOKRによる目的地不在や方向性の欠如に高すぎる目標のハックと副作用にも注目している。

ミームのように組み合わせであり、重要な指標を見逃さない示唆が豊富。すぐ実践できることばかりで、マインドチェンジにも有効。我々はどうしても数字主義に陥る構造化にいることに気付かされるフレームワークの提案。

この本を元に思考を巡らせると、数字設定も説明もやりやすいと思えた。内発的モチベーションを最大化するしかないのだ。

継続するコツ

継続は幸福だ。続けることこそ才能とはいうが、積み上げることしか人生は築けないと悟る。義務でも身を削ることでも自分のためだけでも生きていけないし続けることができない。

継続というプロセスの楽しさを改めて実感する機会を創出してくれる文書。続ける状態でいたい。

欲望の見つけ方

模倣理論を紐解く。

ジラールを手掛かりに模倣の欲望に迫る。独自の言語化に成功しており、読みやすい場面展開。ザッポスの話やティールの話を添えつつ、著者の持つ根源のチャレンジも垣間見える。

自分を知ることになり、欲望の源を探ることになる。薄い欲望と定義したつながり方を警告しつつ、とはいえモデルとなる模倣からの行動をどのように解釈するのか。その物語を自分自身が納得する術が書かれている。

研修アクティビティハンドブック

講義じゃなくてアクティビティ。

ポジティブなファシリテーターをこころがけながら、参加者の感情をゆさぶり掬い取る仕組みの必要性を感じる。クロージングにリビジッドにエナジャイザー。アイスブレイクしつつ、研修の目的である実践の継続を促す。

満足度ではない指標で、理解の先の結果を導きたい。まさに指南書。このシリーズだと一番オススメできるまとめかた。

エンジニアの知的生産術 ──効率的に学び、整理し、アウトプットする

インプットサイクルの名著。

フレームワークの構造化のデメリットも示唆し、KJ法を筆頭とした発想法にも触れている。好きなU理論やGTDに具体と抽象を踏まえた学習サイクルが見て取れる。

読むことそのものも章としてさいており、何から始めればと考える学習者に向いている。情報基盤を作る必要性がインプットサイクルには求められていると考えると、ここで語られる整理とアウトプットには目的が欠かせない。

優先順位をソートの視点でそもそも付与することに力を使う視点がよい。プログラミングは高速なテストサイクルと考えると学習者としての素地があると言える気づきがあった。

情報基盤の本ではあるのでアウトプットの話はあるのだが、それ以上にボトルネックが情報の組み立てと考えるとインプットサイクルの見え方が変わる点で、インプットのやり方の本としての魅力を語りたくなる。

人事ガチャの秘密-配属・異動・昇進のからくり

人事異動から見る戦略人事の必要性。

全員タレントマネジメントの時代。ミドル層をいかにデータで客観的に適所適材(てきしょてきざい)するかが求められている時代。本当にやりたいことができていないことが浮き彫りになる。

日本の雇用を考えた場合、ポジショニングの不足による割り当て方式は、ジョブ型と異なる歴史的背景を持つ。しかし、今の時代でも運用が難しい側面が出てきているが、異動は補充の側面を持つ。

この点を踏まえ、生産性の向上を目指すならば、人の成長を促す戦略がトップ層やジェネラリスト層においても必要だと言える。

「組織開発」を推進し、成果を上げる マネジャーによる職場づくり 理論と実践

手法を行うことが組織開発ではない。

その上で著者のポリシである理論を実践を意識したノウハウ展開をしている。what(content)とhow(process)を前提に適応課題を解決する。定番のファシリテーション。1on1に手法としてのKPTなど。

マネージャーに求められることが理論を前提に語られる。普段実践していたことなのでわかる気持ちが強く、これ一冊でエビデンスベースの組織開発の入り口に立つことができる

組織開発の書物にふれていると知っていることが多いがカジュアルに実践に取り入れることができる内容。良書。

モブプログラミング・ベストプラクティス ソフトウェアの品質と生産性をチームで高める

フロー効率を意識して協働する方法。

ペアからモブへ。プラクティスがつまっており、応用ができる点がすばらしい。初動から定義から歴史から継続性まで。プログラミングの話だが、モブワークとしての考え方がつめこまれている。

初学者の自己成長を促し、チームの心理的安全性と効率を促す最適な手法に思う。モブプロで守破離したいが、モブワークとして実践に取り入れたい内容。

ChatGPT翻訳術 新AI時代の超英語スキルブック

翻訳の世界から見るMTとLLM。

いろんなことに応用が効く考え方で、むしろ、プロンプト生成の基礎もこの本を参考にしたほうがいいかも。ChatGPTもGPT-4ベースだし、機械翻訳と大規模言語モデルのよさが存分に見える。

得意なことをやらせる様とその実力がわかりやすい。文書表現そのものも命題+モダリティをベースに流暢性を問うことは日本語力そのものも問われている。

ハイコンテキストな日本語と英語の違いから日常の文章表現のメタも見えてきて大変おもしろい。プロンプト前提時代はしばらく続くので基礎としても最適。

エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」

手段を資源として考える。

社会はコーゼーションのアプローチをとる機会が多いが、不確実性の高いことに対しては手中の資源の有効活用が大事。一見手段の目的化になることを起業家の目線を借りて学術的に解説する試み。

これが腑に落ちた。いつもやっていることだったので説明がついた思い。

むしろ目的(パーパスでもいいけど)と目標論はどうにも人間らしくないと思っていたが、計画を立てて物事を調整することで成し遂げる方法と理解。必要なことだしKPIなり数字で語ることはある。

ただ、自分が何者で何が欲しいのか。そのためにできることは何かといった根源的アプローチも大事。特に失敗の許容範囲を決める投機行動のベットの大切さが言語化されている。

うまくいかないことが経験値となり、おねだりなつながりでうまくいくこともある。その使い方が見えてくる。

なお、後半は実践としての言語化だがやや陳腐な内容になることがよい。
むしろ、エフェクチュエーションの真髄でそんなことなの?が大事だという側面が見える。要するにわらしべ長者だ。

今年読んだ本で一番良かった本はどれ?と聞かれたらこの本をあげる

AIなしでは読書もままならない時代へ

今年を振り返ると、AI、特に後半はGPT-4が読書に重要な役割を果たした。

ChatGPTのサポートがなければ、仕事も日常生活もままならない。本を読みながらChatGPTに質問する時間は、思考を豊かにする。カフェでコーヒーを飲みながらなら、読み、聞き、調べ、そして考えを深める。

そうやって、新しい単語を覚えては即実践して、自分の生活や仕事にあてはめていく。このインプットとアウトプットのサイクルに挟まるように、GPT-4は理解の促進者になっている。

今は、読書体験が以前にも増して充実している。理論や引用元論文の検索も、直接インターネットで行わずChatGPTの助けを借りている。読書の繰り返しを通じて、AIと共に学び成長している。

まとめ

本を読むことの重要性を再確認した。だからこそ、もう一度、一冊の本を読み噛み締める熟読にチャレンジしたい。とりあえず、来年も本は読むのだが、今度こそ今度こそ年間100冊以内にしぼりたい。

しかし、2年連続で失敗。むしろ増えている。何度か書いている図書館のインプット・アウトプットサイクルについて、来年こそはまとめ書き上げて決着をつけたい。

今、本を読まずにこの一週間はたまりにたまった考えやメモをアウトプットしている。この時間こそが充実しているとわかっているし、書きたい書きたいとなっている。

それがわかっているだけに、年末年始の課題図書(予定では、成人発達理論とHPIなどの人事関連)を読んではまたちゃんとまとめていきたい。


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