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DevRelの最前線で学んだ一年をふりかえる

この記事は、DevRel Advent Calendar 2023の20日目の記事です。

DevRel Advent Calendar 2023の19日目の記事は、北川さんのそういえば外部イベントたくさんやる前に社内勉強会たくさんやってましたわって話|おにぎりまーしーでした。

継続が難しいとしながらも、変化を取り入れて、社内勉強会をより魅力的なものにしたお話が書かれています。外部イベントだけでなく、社内で「エンジニアの休憩室」の立ち上げをされていてスゴイです。

さて、DeveloperRelations(DevRel)チームに所属して一年が経過したので、四半期ごとにふりかえりたいと思います。DevRelのくくりで、どのような活動をしていたのか。そのヒントになるようなお話になればと思います。


2023年1月〜3月:チームスタートの黎明期

2023年の初め、私はCTO室のDevRelチームの専任担当として活動を開始しました。この時点でのチーム構成は、私を含む3人(2人が兼任)でした。

当初からの活動範囲は広く、イベントの主催やスポンサーシップ、広報活動、そしてHRとの連携。テックブログの運営やソフトウェアエンジニアの採用まで多岐にわたります。

外部エンジニアとコミュニティとの関係構築

私の主な役割は、社外のエンジニアコミュニティとの関係を築きながら、エンジニア採用に重点を置くことです。この期間は、技術広報も中心に据えてエンジニアとの関係構築に注力しました。

また、エンジニア同士を繋げる役割を果たすことで、DevRel活動の本質についてチーム内で積極的にミーティングをしていたことがなつかしいです。言語化と活動の明確化についてはこちらのイベントレポートのとおりです。

【DevRel/Japan CONFERENCE 2023】Day1 に参加した|ボブマネ
【DevRel/Japan CONFERENCE 2023】Day2 参加レポート|ボブマネ

このイベントに参加しよう!とチームみんなで二日間いって、自分達の役割を見直せたことが大きかったです。

技術広報としてはスポンサーイベント(鹿児島Ruby会議02)のレポートをテックブログに執筆。採用についてはこちらのなぜ情報発信をして転職活動をするのか?採用担当者としての考えをまとめていました。

まとめると、それぞれの役割が明確になり、それぞれが数字を持ちはじめ、動き始めたといったところです。自身もリスキリングでアンラーニングな日々をふりかえっていました。

2023年4月〜6月:チームとしての成長期

この時期は、DevRelチームとしての成長と役割の確立が顕著になった時期です。技術広報と採用の成果が顕在化し、メンバー各自の役割が固まり、より集中的な活動が可能になりました。

お互いの得意なことが知れたところなので、チームで動きやすかったです。

RubyKaigi2023と技術書典14

この期間中、みんなでRubyKaigiのイベント支援に注力しました。チームとしての協力と創造性が高まり、企画内容を考案する過程が特に楽しいものでした。その成果はこちらにまとめたとおりです。

この時期は、自身のブランディングも意識して、技術書典14に出ました。DevRel/Japan CONFERENCE 2023で紹介のあった本を読んだ影響もあるかもしれません。ただ、RubyKaigi2023が終わってすぐだったので大変でした。

その奮闘記はこちらにまとめたとおりです。

採用活動と外部配信の相乗効果

この期間における採用活動は、スカウト返信率の向上やカジュアル面談の積極的な実施など、戦術的な取り組みが目立ちました。ダイレクトリクルーティングでは、転職意欲に合わせたアプローチを意識的に行っています。

この強化にあたっては、日本CTO協会のレポートを参考に、開発者との接点を意識しました。いろんなタッチポイントがある中で、カジュアル面談もその一つとして大事にしてのことです。結果、約100人の方と面談しています。

面談で特に効果的だったのは、テックブログの存在でした。口頭でのコミュニケーションを通じて、相手の疑問点を解決する情報交換の要として機能したと思います。

テックブログの運営はDevRelとしても支援を強化したほうがよいと判断して動いたのもこの時期です。テックブログもくもく会を何度かSlackで用意したり、ブログの説明会もしたりと、コツコツ進めていた時期でした。

2023年7月〜9月:一人DevRelとしての変革期

この期間はDevRelチームの構成が変わり、以前は3人で分担していた役割を私一人で担うことになりました。これにより、限られたリソースの中で最大限に活動できる方法を模索する必要が生じて、それなりに大変でした。

役割の再定義と持てるリソースの最適化

この時期は本当に大事なことに時間を注ぐためにイシューからはじめよ生産性の本を読み直していました。自分の役割の再考と、効率的な活動へのシフトがとにかく必要でした。この移行時期が一番精神的にキツかったです。

特に、採用活動は部署間での連携を強化。手離れを意識しつつ確立された体制に頼る一方で、技術広報によりフォーカスを移しました。上半期の成果を分析し、より生産性の高い活動を目指すことに集中しました。

なお、上半期の採用の成果はイベントで登壇したまとめのとおりです。

加えて大型イベントのスポンサー支援をプロマネのような形で関係各社と連携していました。とくにデザイナーメンバーのノベルティと成果がすばらしく頼りっぱなしでた。

この経験を通じて、自分が実現可能なこととそうでないことを明確に理解しました。'Can'と'Will'の考え方を踏まえ、「自分が何を成し遂げたいか」について深く考えるきかっけになった時期です。

2023年10月〜12月:DevRel活動の拡張期

ちょうど今につながるわけですが、テックブログの支援とDevRelのKPI設定に注力した時期です。DevRelのKPI設定は常に議論の対象となりますが、この期間は会社の方針と密接に連動して今も施策を練り続けています。

コミュニティ活動とインナーブランディング

夏に計画して実現した技術書典15の参加大きな成果となりました。

技術書典14で書籍をだしたことがきっかけで多くの人を巻き込めました。編集者として参加してレビューや書き方のフォローをするなど、普段から書くことそのものを支援する活動に注力していた時期です。

テックブログ支援を本格的に強化して、インナーブランディングとしても、ワークショップの開催に踏み切りました。このあたりの話は別のAdvent Calendarでまとめたいと思います。

個人としては、実は一年間日本CTO協会のお手伝いをしていました。自分のチームの活動の集大成がワークショップで反応もよかったです。ワークショップ関連の勉強を続けていた時期なので、成果となってうれしかったです。

あとは、DevRelGuildに参加し、DevRelGuildMeetupに参加したりと、DevRelとしての交流を広げているところです。

まとめ

こちらのAdvent Calendar初日のお話にまとめられているとおりで、DevRelとひとくくりに言ってもいろんな定義があります。

もし自社の取り組みがDevRelなのかどうか迷ったら、それが「外部の開発者との関係性・信頼性構築につながっているか」どうかで判断すれば良いでしょう。良好な関係性を築くために行っている!と言えるのであれば、それはDevRel活動の一環と言えるでしょう。

引用:2023年版。で、結局DevRelって何?
https://devrel.jp/%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%B0/2023/12/01/what-is-devrel.html

この一年間の私の主要なテーマは常に、開発者同士の関係性構築の支援でした。その中で特に重要だと感じたのは、引用文にもあるように信頼性の構築です。

自分の立場もあるけど、相手の立場もある。手伝いたいし支援したいしどうにかしたい。でも、わかってくれよじゃなくて、先にあるのはわかりたい。相手を理解したい。そうやって今いる集団から外の集団とつながりをつくっていく。健全な衝突をこころがけてリスペクトする。

最近書いていた自分のポエム(2023.12/14)より

組織にとって社会にとって必要だと思っている心構えはみんないっしょだと思っています。だからこそ、まず相手を理解すること。相手の信頼に答えること。これを絶対に忘れないように心に留めておきたいです。

DevRelには様々な定義が存在しますが、この一年間の私の活動が参考になることを願っています。

引用画像:https://dl.ndl.go.jp/api/iiif/12895144/R0000024/1296,1070,2528,2192/,766/0/default.jpg

沢田宗山 著『宗山図案集』,芸艸堂,大正13. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12895144/1/24 (参照 2023-12)

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