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助産師の私がBMIへの認定コンサルタントになった理由

山田ゆう子(BMIA認定コンサルタント/助産師)

2024年3月3日「SFプロトタイピングとスペキュラティブ・ビジネスモデル〜ビジネスモデルオリンピア2024」が開催されました。(主催:一般社団法人ビジネスモデルイノベーション協会(BMIA))本記事は、イベント内での筆者イノベーションピッチに加筆修正したものです。

山田ゆう子と申します。私は急性期病院で助産師をしております。助産師の私がなぜBMIA認定コンサルタントになったのか、お話しします。よろしくお願いします。


医療の未来が気になって、ビジネススクールへ

山口県出身で、子どもが3人おります。ごくごく一般的な看護師助産師のコースを歩んでおりました私に転機が訪れたのは、2020年に受講した看護管理者養成講座でした。これを受けたときに、医療の現在については学ぶことができたんですけど、未来が見えない。2040年問題などと言っている割に、現在のことしか教えてもらえないっていうところがすごく引っかかりまして、医療のなかから医療を見るんじゃなくて、社会の流れのなかから医療を見なくちゃいけないんじゃないかと思い、ビジネススクールに通うことを決めました。

その頃(2019年頃)の私のビジネスモデル・キャンバス(BMC)です。このときには、なにかしたい、職場の環境をなんとかしたいっていう気持ちしかなくて。それから、助産師の育成をどうにかしたい。地域の子育て支援を包括的にケアできないかっていうことばかりを考えてました。

リソースはもちろん自分で、主要活動はビジネススクールで学ぶ、これでなんとかなると思ってました。キーパートナーには地域の助産師。最初は地域の助産院を巻き込もうと思ってたんですけど、あちらにも経営があります。経営については私はぜんぜんわからないので、とにかくビジネススクールに行けばなんとかなるんじゃないかと考えてました。

能動的に動くにはなにか足りない

そして、ビジネススクールに通い、もうすぐ終了っていうときに愕然としたんです。ビジネススクールにいたことで自分のなかに変わったものっていうのはたくさんあったんですけど、やっぱり受身なんですね。教えていただいたことを実践するだけじゃなくて、能動的に動かないとこのビジネススクールが終わったあと、どうなってしまうんだろうってすごく焦りました。そのときに小山先生の講座を受けまして、ビジネスモデル・キャンバス(BMC)に出会いました。自分がやりたいことを可視化できる、なにをどう動かせば未来が変えられるのか。それがわかるものに出会えて、「これだ!」と思って、すぐにBMIAに入会して基礎講座(BMIA認定ビジネスモデル・コンサルタント養成講座(基礎))を受けました。

基礎講座を受けて、なんとなくキャンバスが描けるようになって、さっそく上司にインタビューをしてみました。すると「これなに? なにがしたいの?」って言われました。上司は駄目だなと思って同僚に説明しました。そしたら、同僚は「すごいがんばってるんだね」って。私が承認欲求を出してると思ったのか、それを満たすような優しい感じでした。これも駄目だなと。また別のちょっと近い人に説明してみました。勉強会をやらない? って誘おうと思ったんですけど、まったく駄目でした。基礎講座を受けただけの、付け焼刃の知識だけではやっぱりちょっと難しいのかなと思っていました。

誤解のないように申し上げますと、基礎講座が役に立たなかったとかではなくて、やっぱり医療者にとっては「ビジネス」に対する大きな分厚い壁がありまして、「顧客」とか「リソース」っていうワードが出てきただけで、もうガラガラガラガラっとシャッターが閉まっていくんですね。そのシャッターを閉まらないようにする、もしくはこじ開けるには、もうちょっと自分の力を高めないといけないのかなと思いまして、次のステップ、応用講座の受講を決心しました。

仲間ができて、テーマが決まった!

まず、応用3のシナリオ・プランニングを受けました。ビジネスモデル・キャンバス(BMC)をもうちょっと描けるようになりたいと思って受けたんですけど、このときは、未来に向けて、未来の視点と自分がつながるような線は自分で書くんだっていう感覚を持ちました。一緒に受講した方々に、基礎講座のあとの撃沈の日々を聞いてもらえたこと、相談できたことがすごくありがたかったです。

また、昨年のビジネスモデルオリンピア2023では、”ウェルビーイング”に出会いました。私のテーマってこれだ! って思いました。

応用講座、オリンピアでの出会い、この二つの体験が私にとっては大きかったです。そして、もともと受けたかった応用1、応用2も受けて、結果、認定コンサルタントになっていたという感じです。

「おじさん」と協力して父親支援から

これが現在の私のBMCです。柱としては変わっていません。大きく変わったのは、ビジネススクールに通ったり、いま泌尿器科で働いてたりして男性と関わることが増えて、男性の力になれるっていうのが私の大きな強みかなと思っております。

BMIAに参加させていただいて、ここで知り合った方々とワイガヤをさせていただくなかで自分の役割を強く認識しております。キーパートナーに「おじさん」とあるんですけど、父親支援をしていくなかでいちばん重要なのはこの「おじさん」の力じゃないかなと思ってます。みなさんのなかにも、「おじさん」を自認してらっしゃる方がいらっしゃいましたら、どうか私と育児支援について考えていただけたらと思います。なにかおもしろいことができたらいいなと思っています。

Q&A

山本:ありがとうございます。コメントもいっぱい入ってます。
「病院とビジネスは相性が悪そうですけども、院内で浮いたりしませんか?」

山田:少し浮いてるとは思います。ただ助産師っていうだけで少し浮いてるので、それがちょっと上昇したかなという程度です(笑)。

山本:フローティング助産師ですね。
「保険医療における医療の顧客は国民なんていうふうに表現できるかもしれないね。税金によって賄われている以上、国民の満足度を上げる視点があるといいんじゃないでしょうか

山田:国民。そうですね。そういう視点も非常に必要かと思いますけど、いま私ができることといえば、助産師として、子育て支援で未来の日本を盛り上げていくことかな、と思ってます。

山本:いまの話、すごくいいですね。国民全員にはなかなか届かないんですよね。ぜひパートナーの「おじさん」もうまく使ってください。今日、この会場にもたくさんいらっしゃると思いますので、ぜひつながっていただければと思います。


Q&A聞き手 山本伸/写真 小山龍介/編集 片岡峰子


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