マイオレンジデイズ

※この物語は完全にフィクションです。筆者は橙党に入ったことすらありません。

(あらすじ)
オフィスレディの参美は娘が1人いるシングルマザー。2022年の国政選挙で橙党と出会い、演説を聴き魂が震え党員として活動を始めた。選挙後も支部でチラシ配りや駅立ち、タウンミーティングの手伝いなど積極的に活動した。ユニフォームである橙Tシャツも5枚も買っちゃったんだからね。

そんな参美に年明けに新設される支部の支部長をやらないかという話がもちかけられた。参美は自信は無かったが日本を救うために自分も何かをやらなければ、という使命感が優り支部長を引き受けることにした。とにかく日本に残された時間は少ない、少ない、少ない、少ないんだって!

春の選挙に出馬する候補者が支部におり、その選挙の準備やタウンミーティングの運営、本部と党員の繋ぎ役など支部長としての仕事に忙殺される日々が続いた。あと月イチの党員が集まる飲み会で弾けたりした。

平日昼間は会社で働き家事育児をしながら、夜と休日に支部長としての仕事をやっていた。時間が足りなくなりコンビニやスーパーのお弁当を利用する回数は増えた(よ〇りんに怒られちゃう)が、娘と過ごす時間は減った。

参美の支部は35名ほどの党員が所属していたが実際に活動に参加するアクティブな党員は15名(飲み会にしか来ない人を含む)ほど。そんな小さな組織でも人が集まれば、人間関係など様々なトラブルも起きる。支部長としてトラブルの仲介に入ることが何度かあったし、時には強めに注意しなければならない場面もあった。本来気の弱い参美はそのたびに心を削られた。

春の選挙戦が始まった。平日昼に人員を確保するのは難しく、参美は3日ほど仕事を休んで応援に入った。候補者も朝から晩まで頑張り、最終日にはふらふらになりながら24時まで駅立ちした。そんな努力が報われたのか、下位ながら候補者は当選し支部に地方議員を誕生させることができた。参美は心から嬉しかったし、辛かったけどこの活動を続けて本当に良かったと思った。(この議員は8ヶ月後に離党する)

ようやく一段落したかと思ったら近く解散総選挙がある可能性が高いから急いで小選挙区の候補者を探すように、と本部から通達がきた。

支部の党員と候補者を探しているなか思いも寄らない連絡が本部の担当者から伝えられる。
担当者「参美さんには支部長を辞めて欲しい。後任は〇〇さんにする。」
寝耳に波動水とはこのことだ。だが参美はその理由を聞いて更に驚愕した。
担当者から伝えられたその理由とは・・・