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面接時から威圧的な人事【就活】

このメールを見て欲しい。

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私が送った内定辞退のメールである。いや、正確に言えば「送りたかった」メールだ。

私はこの前やっとこさ内定を頂いた。就活期間1ヶ月半。

私の就活の軸を練り上げ、ある業界に絞った。その受けてる中での1社だ。ホームページに載っていた信念に共感し、本当にここに入りたいと思っていた。しかし、それは面接を受ける前の話である。

面接後、この会社に対して疑念を持った点は2つある。

1.紙を見せない

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中途採用でも、新卒採用でも内定時には雇用条件を提示する。それが基本だ。

私はこの会社を受けたのは、よくCMでもやっている求人サイトからだった。そこは契約社員の募集だった。私はそれに応募した。

その際、メールのやりとりで会社側に「正社員か契約社員かどちらがいいですか?」と聞かれた。2つの待遇の違いなどがよくわからなかったので、「面接時でお話を伺います」と返した。

そこで、面接のため会社を訪れた。私の就活の経緯を語る中で、「じゃあ正社員としての面接にしましょう」と人事の方に言われた。そのまま面接を終え、内定が出た。

内定の知らせはメールだった。月給、就業時間の記載のみ本文に記載されていた。

友人に相談した際、「待遇とかの詳細はわからないの?」と言われた。そういえば口で言うばかりで書類で見せてもらっていない。私は「残業面や待遇のことを聞きたい」とメールで頼んだ。

すると、その返信には「残業はないです。待遇面は入社日初日にしかお見せできません」とあった。その淡白な答えに少し不安になった。また、不安になる理由はもう一つあった。

2.試用期間で脅される

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面接時間は20分、1回のみだった。50代後半と思われる2人が出てきた。1人は人事、1人は会社の上役だった。厳かな雰囲気の面接だったが、私はひたすら熱意をぶつけた。

最後の方で、人事は私に言った。「入社してからも試用期間って言うのがあってね、そこで適性を見させてもらうから覚悟してね

少し疑問に思った。でも、試用期間はどこの会社でも存在するものだ。その方は、若い私の気を引き締めさせるために言ってくださっているんだとプラスに解釈し、表には出さなかった。

その後、人事から内定の知らせが来た。面接時の対応からすると正直意外であった。私は喜んで承諾すると共に、質問を送った。

すると、人事の方は私のメールの言葉遣いが気に入らなかったようだった。末筆にこう記載してあった。

「再度言いますが、試用期間に適性を見させて頂くのでご了承ください。」

シンプルに怖くなった。この会社は言葉遣いでクビになり得る会社なのだろうか。

確かに私は勤務経験がないしビジネスメールのマナーが身についていないのは事実だ。(これでもいつもGoogleで調べて、間違いのないように努めている)高揚した衝動のまま文を確認せずに送ったのはミスだったと思う。でも、

また私は会社をクビになる恐怖でいっぱいになった。


2ヶ月3ヶ月でクビになるくらいなら、今のまま就活を続ける方がよっぽどマシである。

勿論、意図的に圧迫面接を行う企業に対して理解はある。(ストレス耐性を見るとか)意図的にやるのならいい。しかし、これはいらない圧迫であると思う。「俺はお前をいつでもクビにできる」みたいなのはいわば脅しだ。それをこの人事が素でやっていて、それを許されている職場環境に違和感を持った。

周りの大人にこれを相談してみた。すると、「就業規則見せてもらえば?」と返ってきた。

【就業規則】企業において使用者が労働基準法等に基づき、当該企業における労働条件等に関する具体的細目について定めた規則集のことをいう。(引用:wikipediaより)

なるほど、この規則から反することは絶対にできない。法こそ正義の味方である。

早速見せてもらおうとメールを送った。

すると、こう返ってきた。

そんなこと言うやつ今までいなかった。会社に来るなら見せてあげてもいいけど、会社に不満があるなら会社辞めてくれ」(*表現は過激)

内心震え上がりながら、会社に向かった。

すると、前回時の面接官2人が揃って出てきた。書類を持ち、厳かな空気が流れた。人事が口を開いた。

振り出しに戻しましょうか」(ニコッ)

え??面接をやり直すってこと?

人事はそれを否定し、こう言った。

「雇用形態を変更します」

正社員から契約社員に雇用形態を変更するという内容だった。「え、何故ですか?」と聞いた。

すると、人事は「会社を疑うような人を雇用するリスクを負いたくないんだよ〜。訴えられでもしたら敵わないしね」

そう言って「会社を疑うこと」がどれだけ悪なのか語り、私を責めた。その間も違和感が拭えなかった。

「え、私のどこが悪かったの?」

契約社員に変更はいかがですか?というだけなら私も怒らなかったはずだ。私は元々雇用形態は気にしていない。しかし、会社は私の行いが一方的に悪いと責め出した。「就業規則なんて見せろというやつを見たことない」「そんなもん気にするよりやってみればいいのに」「とりあえず熱意だけ見せてくれればそれで良いんだよ」と。彼らは一方的に私をクビにしやすい方を取ったのだ。しかも、採用通知を出した後で。(会社曰く、「君は内定者じゃないから」いいらしい。入社後に渡される雇用条件通知書を書くまでは)

正直、紙はどうでも良かった。ただ人事の口からどういう意図でそのセリフを言っているのか本心を聞きたかっただけなのだ。

面接時の時点での雇用形態と実際の雇用形態が違うというのは、違法じゃないかという意見もあるが、私が調べた時は「求人票と実際の雇用形態が違う場合は違法である」ということしかわからなかった。私は正社員の求人票を見ていない。やられた…

私は仕事を"とりあえず"やってみる思考がなかった。入って嫌なら辞めればいい?その感覚がわからなかった。

私はただ、堂々と履歴書に書ける仕事を探し求めていたのだ。

そして、①最低で2、3年は働ける仕事②様々な人に出会える仕事③専門性(スキル)が身につく仕事の3点を重視した。しかし、この会社は圧倒的に①が欠けていた。「私は3ヶ月でここを辞めるかもしれない」その雰囲気に違和感を感じた。

そして、内定を辞退した。

この企業はネット上では悪い噂は載っていない。業界内では知名度もある、ちゃんとした企業のように見える。

周りの大人にも「とりあえずやってみれば?」と言う人も沢山いた。「どこでもいいから就職しないと」「2、3年我慢したら辞めればいい」

皆就職氷河期を生き抜いた世代だった。そして、終身雇用ど真ん中の世代。現代の耐えられない若者なんか理解できないのだろう。

しかし、現代は雇用主と労働者は対等で在らなければならないと労働契約法に記載がある。雇用主と労働者で上下関係のある状態はおかしいと思う。

確かに一昔前であったら会社を疑うことはあり得なかったのだろうし、雇用条件など提示しなくても良かったのかもしれない。会社が上から目線で人を見て一方的に採用を決めていたのだろう。

しかし、今は会社は"選ばれる"時代でもある。

転職が当たり前、大手志向の人材が減りつつある今、会社は知名度ではなく独自のスタイルを築く必要があると思うのだ。

この前、推しロス休暇が話題になった。

推しメンが結婚又は卒業した傷心を理由に、会社を休める制度である。

このように、会社は労働者が心身共に働きやすい環境作りを心がけねばならない時代となった

それは採用にあたっても同じだ。働いてくれる人材がいなければ、会社は成り立っていけない。人を大切に出来ない企業には未来なんてあるのだろうか。

だから、私が体験したような企業は時代に乗り遅れたシーラカンス企業だと思うのだ。

私は他社でも複数内定を頂いたが、いずれの企業も採用時に多くの時間を掛けてくれた。(私の進路についてはまた…)心苦しく内定辞退もする時も「またご縁があれば受けてね」と心優しい人事もいた。

私達就活生が企業を判断するのは①面接②ネットの情報③OB訪問④インターン の4つしかない。(あと四季報か)それだけで企業を見極めるのは大変で、特にコロナ禍は人と対面できない。それも含めて面接は企業にとって大切にすべき部分であると思う。特に人事は会社の「入り口」である。自分の口調や態度が会社を代表しているのだ。採用者は人事を観察して、企業を見ている。それを忘れないで欲しい(前の記事に詳しく記載)

納得内定までは時間がかかった。しかし、私は全て含めて「これで良かった」と思った。

採用はお見合いだとよく例えられる。社会が変動する今、お互いもう二度と会わないことを約束できる企業なんてないだろうと思う。そんな現代でお互いが前向きに未来を選択できる配慮を尊重すべきではないだろうか。

私はこのメールはお蔵入りにした。

しかし、他に古い体質のまま変わっていない企業があるのなら、忠告したい。

お前らはシーラカンスやぞ!!

ってね。

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