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ウーバーイーツなんか絶対頼まないと思ってたのにウーバーイーツを頼んでしまうようになった。

昔、私は飲食店店員だった。


確か、ウーバーイーツなんて存在を知ったのが2018年の終わりの方だった気がする。


働いている店(チェーンのレストラン)がその辺鄙なカタカナシステムをさらっと導入したが、最初は微々たる利用者で、さほど生活に支障をきたすほどじゃなかった。


しかし、こいつは大きな魔物だった。


レストランのランチ。

家族、学生、おばちゃん会、老夫婦でごった返す。回転率が異常で、しかもうるさい。子供はわーきゃー走り回っている。

店員達のストレスはピークだ。


そこに、あの恐ろしい「サイレン」が響き渡る。


しかも、タブレットを誰かがタッチしないとそのサイレンは止められない。だから、繁忙タイムのその時間、レジ前で割り勘を強要しようとしてくるおばちゃんと同じくらい図々しく、嫌味なサイレンは鳴り響く。(あの音を客側として聞いていても、肩らへんが一気にゾワっとしてしまう。トラウマである。)


しかし、一番大変なのはキッチンの人だ。

だって、通常のオーダープラスアルファのお弁当を作らなくてはならない。しかも、通常のと作り方が違うこともあるので、作り方を頭に事前に入れておかないと大変なことになる。(マニュアル見ながら料理を作る訳にはいかない)ウーバーイーツ用の人員がいてもいいくらいだったが、うちは人がいなかった…。

人はプラスアルファの仕事を詰め込まれると、どうなるだろう。


そう、てんてこまいになる。


私は当時「てんてこまい」だった。弁当の中身を確認し、カトラリーを人数分入れ、時間内に配達員に弁当を渡さなくてはならない。

発達障害グレーゾーンの私にはきつかった。

(特に、事前予約でも大量注文が入ると、店員のストレスがピークなので気をつけて欲しい)

私がやらかしたミスは


・伝票打ち忘れ(注文はハンディで再度入れ直さなくてはならなかった)

・ご飯を打ち忘れる

・カトラリー入れ忘れ

・テイクアウト用の箱がない(無理矢理詰める)

・番号間違えて入れる(別の人のものを入れる)

などなど、列挙すると結構やばい。(クレームは山ほど入っていただろう)(会社に謝りたい)(お客様にも)

日が経つにつれ慣れたが、私は弁当にはあまり触れない人生を送った。

ウーバーイーツは人生最強の"天敵"だった。


今、私はニート真っ只中にいる。↓参照

ついご飯を3食食べることすら忘れてしまいそうになる。今一番お金をかけているのは、ご飯だ。

毎日、ファミレスにドリンクバーで滞在。しかし、それも飽きる。家から出たくない日も多い。で、ついつい手を伸ばしてしまうのが、ウーバーイーツだ。

最初に手を伸ばしてしまった時、何と初回は無料だった。(1200円クーポンとかが付いてくる)

今も近場のお店ならば(ウーバーイーツは送料がかかる)約千円でおうちで外食ができる。大抵1時間以内に時間通りに届くし、置き配を使っているので人と会うストレスもかからない。(メガネ、ボサボサヘアでも大丈夫)

その楽ちんで美味しいものが食べれるというその魅力に、じんわりとやんわりとハマっている自分がいるのだ。

一人暮らし、人生闇期の私にとってそれは人生最大の喜びで幸せだ。


勿論、ディナーやランチの繁忙タイムは避けている。(ただ生活リズムが人よりズレているだけ)

一時期、去年の春頃だったか緊急事態宣言中にウーバーイーツのロゴが入った真四角バックパックを背負いながら自転車に乗る若者が非常に多かった。(一交差点に一気に4、5人並んでいた。)

あれも今時の社会現象だと思ったが、楽で美味しいものを追い求めるのは人間の常なのだな、と今実感している。


しかし、心の中では飲食店店員に向かって仏のごとく拝んでいる。


店員に横暴な態度をとっている諸君。(私らはお手伝いじゃねーし)

めんどくさくて大量注文をしてしまう奥様方。

客側はネットでワンタッチで楽だし、待つだけだ。店側に対して何か想像力を発揮することはほぼほぼの人はないはずだ。


しかし、実際の店員の苦労を垣間見て欲しいものである。

ありがとう、店員さん。

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