住宅ローンの「事前審査」と「本審査」の基礎

・住宅ローンの事前審査とは？
・様々な状況が複雑に絡み合う審査内容
・少々厄介なネットの簡易審査
・「早く決めないとなくなりますよ」は本当なのか？
・住宅ローンの本審査とは？
・本審査は、1つの銀行に出すの？複数出すの？　
・本審査承認後も、まだまだ気が抜けません。

・住宅ローンの事前審査とは？
申込者が住宅ローンを組む一定の基準をクリアしているかをつかむことと、返済能力を判断するために行います。 ご自身の収入に対して返済可能かどうかを知るために、事前審査を申込む前に住宅ローンのシミュレーションを行うのも有効です。

・物件購入と住宅ローン事前審査の関係
物件購入と住宅ローン事前審査は密接に関連しています。事前審査は、物件を購入する際に住宅ローンを利用する人々にとって重要なステップです。以下はその関係についての詳細です：

1. 物件購入の前提条件:

   • 物件購入時に住宅ローンを利用する場合、事前審査を通過する必要があります。これは銀行や金融機関が、借入者の信用力や返済能力を評価するプロセスです。

2. 事前審査の意義:

   • 住宅ローンの事前審査は、購入者がどれくらいの金額を借りられるかを決定します。銀行は借入者の収入、借入額、信用情報、頭金などを考慮して、ローンの審査を行います。

   • 事前審査を通過することで、購入者は具体的な価格帯の物件を探すことができます。

3. 物件購入プロセスとの関連:

   • 事前審査を通過した後、購入者は物件を探し始めることができます。事前審査が済んでいることは、購入者が買い手として信頼されるポイントでもあります。

   • 物件を見つけた後、購入契約を締結し、その後ローン申請を行います。契約が成立した後、ローンの最終承認が与えられることで、購入プロセスが完了します。

4. 注意点:

   • 事前審査で承認された金額は、最終的なローンの承認額と異なる場合があります。これは物件価格や購入者の状況によって変動する可能性があるためです。

   • 物件購入前に、複数の銀行や金融機関からローンの条件や金利を比較することが重要です。

物件購入と住宅ローン事前審査は、スムーズな購入プロセスのために密接に関連しています。購入者は事前審査の結果に基づいて購入計画を立て、ローンの取得を円滑に進めることが重要です。

・・少し話はそれますが、
物件の購入を迷っていると、不動産会社の人から「早く決めないとなくなりますよ」は本当なのか？
住宅ローンの事前審査も、スピードが命と言っても過言ではありません。
事前審査の承認が得られた順に契約を進めることができる、とすれば1日でも早く審査を申請し、回答を得たいところです。そしてそれはどの不動産会社も同様に考えていますので、「早く決めないとなくなりますよ」は一概に常套文句ではなく、正確に言うと「もしも気に入っているなら、決断できるための準備（審査など）を進めていくことで選択肢が広がりますよ」です。
物件を気に入ることは、そう何度もあるものではありませんので、個人的には後悔してほしくないというのが大きな部分です。

住宅ローンの審査内容は、様々な状況が複雑に絡み合います。
＜ご本人の状況によるもの＞
・ご年齢やご年収
・既存のお借り入れ
・個人信用情報
・勤続年数
・お勤め先、雇用形態など
・会社役員や個人事業主は、条件がつくことも
・諸費用も含めて借りたい
・リフォーム費用も借りたい
＊ご年齢やご年収で返済比率を計算しお借入額を算出しますが、
返済比率の設定は金融機関によっても、年収によっても変わりますので
一定して決まっていません。金融機関によっても違うことが多すぎますから、
ご相談ください。

＜購入の物件によるもの＞
・築年数（金融機関によって影響します）
・担保評価
・接道の状況
・建蔽率、容積率のオーバー
・耐震診断の有無
・耐震補強工事の有無
・区分所有の場合は、戸数、管理状況
＊コレはOKだけど、コレはNGなど金融機関によって様々な組み合わせが生じます。この組み合わせで住宅ローンが組める金融機関を探していきます。

少々厄介なネットの簡易審査
そんな事前審査ですが、最近ではネットバンクの住宅ローンの審査を利用するケースも増えています。ネットバンクの事前審査は軽微な内容のみの審査になるため、1日で回答をいただけることもあります。
スピード重視はクリアされるのですが、審査の項目が少ないことによって、
後の本審査の際に、通らないということが生じやすいという注意点もあります。

・・余談ですが、現金で購入する方に負けてしまう理由
物件を購入するときに、一度は経験する「他の人に買われちゃった」という苦い経験。
え、申込んだ順じゃないの？　申し込んだら物件を押さえられないの？
と思いますよね。
金利が低い今は特に、住宅ローンを組む方の割合は圧倒的に多くなりますが、
現金で購入される方ももちろん多くいらっしゃいます。その割合は8：2くらい。
現金で購入される方（ローンを利用しない方）がなぜ優先されやすいのかと言いますと、売主の立場になって考えてみると、なるほど納得と思うはず。

売主が売買の取引きにおいて避けたいのは、売買契約後の解約です。
契約の解除のうちの、「融資利用の特約による解除」というものがありますが、
言わずもがな、住宅ローンの本審査の承認が得られなかった場合に、売買契約を解除することができる、という解除の条件のひとつになります。
もちろん、会社を辞めたり、別のお金を借りたり、意図的に落ちるような行為があればその限りではありません。
しかし、本審査にかかる期間として売買契約から一定の期間を設け、もちろん契約は締結していますので、その間は販売活動も行えません。もし審査に落ちてしまったら時間が無駄になってしまうということです。
もし現金で購入する方ならば、「融資利用の特約による解除」をつけない契約ができるため、お引き渡しも早く実現でき、優先したくなる、というのが現実です。

本審査申込時の注意点
・住宅ローンのお借り入れには、団体信用生命保険の加入が義務づけられている。
過去3年以内のご病気や、入院、通院履歴など気になることがあれば事前に

本審査は、1つの銀行に出すの？複数出すの？　それぞれのメリット、デメリットは？
・比較検討のため
同じ条件で審査を行っても、金融機関によって金利や諸費用、借り入れ方法などの条件は変わります。比較検討して決めることができるのはメリットと言えます。
・万が一の保険のため
本審査が順調と思いきや、落ちてしまった・・・・となればまた他の金融機関に出さなくてはなりません。また時間もかかりますし、取得するべき期間に間に合わないなんていうことも。そのため2〜3行は審査に出せると安心ですね。
・住民票等の必要書類の取得が多くなるのは、小さなデメリットかもしれません。

本審査承認後も、まだまだ気が抜けません。
・ローンが通ったことに安心して、車のローンや大きなお借入れ、リボ払い等はNG
・うっかりクレジットカード支払いの遅延はNG
・離職、転職はNG

本審査承認の後は、住宅ローンのご契約（金銭消費貸借契約）
住宅ローンのお借入先を決めたら、ローンの契約になります。
この契約までできれば後は、融資実行を待つのみです。
リフォーム費用も住宅ローンに組む方は、さらにリフォーム完成の際の
住宅ローンのご契約まで気を抜けませんので十分にご注意を。

売買契約〜決済までの限られた時間で、住宅ローンのお借入先、借り方を決めることはなかなか大変なことです。他にも多くの選択、決定事項がありますので、少しでも早く知識を増やしておくことと、心の準備は大事です。
家探しのパートナーである弊社は、1つや2つの限られた銀行ではなく、多くの住宅ローンをご提案できるよう日々知識を更新して力を入れておりますので、ぜひお気兼ねなくご相談ください。