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寒い日は、燗酒であったまろ♪

寒くなってくると飲みたくなるのが燗酒だ。
私はどちらかといえば冷酒のほうが好きなのだが、和食と本当に合うのは燗酒だろうなと思う。
もちろん上手につけたお燗であることが条件だが。

お燗をつけるには、鍋にお湯を沸かして、日本酒を入れた徳利を湯煎するというのが一般的だし、簡単だと思う。
それで十分なのだが、少し凝りたい人におすすめなのが、美濃焼のこれ。

ここ数年使っているが、すごくいい。
真ん中が徳利になっていて外れるので、外側の容器に沸騰したお湯を入れて、徳利をつけておくだけ。取手があるので持ち運びもしやすい。
なかなか冷めないので、食卓でちびちびと燗酒を楽しみたい人にぴったりだ。
ついでに、下の写真のようなお燗用の温度計もあると便利だ。

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しかし、最近の私が好きな燗酒のつけ方は、ぬる燗でも熱燗でもない。
60℃以上に温めて、手で持てないくらいアツアツにして、それから少し温度が下がったところをぐいっとやるのだ。
そうするとアルコール感も消え、ただただまろやかなお酒になる。
ただし、60℃以上に耐えられるようなボディのしっかりしたお酒でなければならないが。

また、60℃以上にするとなると、上の美濃焼は向かない。なかなか温度がそこまで上がらないので、やはり鍋でコトコト湯煎にする必要がある。

その場合は、この備前焼を使う。
こんなふうに徳利は丸い形のほうがうまく対流してムラのない燗酒になるらしい。

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また、ついこの間、母に有田焼の酒器をもらった。宮崎祐輔さんという作家さんのもので、ずっと実家に眠っていたらしい。
私の酒器は陶器が多いのだけど、磁器の薄くて滑らかな口当たりも好きだ。

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ちなみに、冷酒の時はいつも瓶から酒器に直接注いでしまうのだが、燗酒はちびちびと徳利からついで飲むので、その感じも風情があっていいなと思う。

一応、冷酒用の片口もいろいろ持っているのだが、普段はあまり使わない。
これも備前焼。片口の形がカゴみたいで可愛くて気に入っている。(作家さんの名前を思い出せない)

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こちらは佐藤けいさんの作品。
この酒器はもう25年使っている。少し欠けたので金継ぎしてもらった。いつまでも大切に使いたい器だ。

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また、お燗つけてみたいけど、「お湯沸かすのが面倒くさい」とか、「徳利なんてないし!」という方に、ぜひ試していただきたいのがこちら。

単なる「剣菱」の小瓶かと思いきや、これ実は電子レンジで燗酒ができるのだ。ムラなく温まるように形や厚みなどを考えて開発された小瓶とのこと。
やり方は、栓を抜いて電子レンジ(500W)で1分
これだけで美味しい燗酒ができてしまうというスグレモノだ。
洗って何度も使えるのも素晴らしい。
神戸市内だと普通にスーパーでも売っている。
税込351円なので、燗酒を気軽に始めるにはすごくいいアイテムだと思う。

▼私もしっかり再利用している(笑)

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さて、美味しい燗酒ができたら、ぜひ和食と一緒に楽しんでほしい。
そんな手の込んだものでなく、冷奴でも焼き魚でも煮物でもいい。コンビニのおでんだっていい。
やっぱり燗酒は料理があってはじめて、その実力を発揮するから。

ひと口食べて、燗酒をひと口。
またひと口食べて、燗酒をひと口。
ああ、至福の時……。

最後に燗酒に向くおすすめの日本酒をご紹介。

私は関西在住なので、兵庫の「竹泉」「香住鶴」、京都の「玉川」、滋賀の「不老泉」、三重の「るみ子の酒」などを飲むことが多い。
関東なら、埼玉の「神亀」、山形の「鯉川」など。

先日、神奈川の「丹沢山 麗峰」を初めて飲んだのだが、これもとても美味しかった。燗酒のために造られているお酒とのこと。
「昆布で出汁をとる時のようにコトコトゆっくりと湯煎で温度を上げていく。60℃以上にして飲んでほしい」
と蔵の社長もおっしゃっていた。

燗酒は体に入ってから早く分解されるので、たくさん飲めるのに二日酔いしないのもいいのだ。
さあ、寒い冬は燗酒で体の芯からあったまろ♪

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