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三重の日本酒&食を知るオンラインイベント「GI三重座談会」に参加

去る11月13日(土)に「GI三重座談会」に参加させていただいた。
本来ならすぐに記事を書くべきだったのだが時間がなく、開催から10日も経ってしまった。

「GI三重座談会」は、視聴は誰でもできるオンラインイベントだったのだが、事前に申し込んだ人の中から抽選で150名に「GI認定酒3本とペアリング食材」が送られてくる。
今回、私はその150名に入ったようで、下のようなお酒とおつまみが送られてきた。

まずは、日本酒(すべて300ml瓶)。
左から、瀧自慢酒造の「瀧自慢 純米大吟醸」、丸彦酒造の「三重の寒梅 大吟醸 元帥」、元坂酒造の「酒屋八兵衛 伊勢錦 純米吟醸酒」

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それから、日本酒とペアリングさせるための三重のおつまみ。
左から、「兵九郎粕漬け」「山藤ひもの かます」「たべるかつお節」

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これが無料って……!!とちょっと感動。味見したい気持ちを抑えて、イベント当日を待った。

ここまで読んで、「ところで、何のイベントさ?」「GI三重って何?」と思った方のために、簡単にご説明。

「GI」とは?
伝統的な生産方法や気候・風土・土壌と結びついた特産品を保護する国の制度のことで、「正しい産地」であることと、「一定の基準」を満たして生産されたことを示す「地理的表示」。

「GI三重」とは?
「三重」の日本酒は令和2年6月19日に国税庁からGIの認定を受けたので、今後、日本酒に「GI三重」の表示があった場合、その日本酒は三重県で生産され、一定の基準を満たしたものであるということがわかる。
日本酒では、たとえば石川県の「白山」や兵庫県の「はりま」など、地域でのGI認定はいくつかあるのだが、「都道府県」でGI認定を受けたのは、山形に続く2県目。

それで、何のイベント?
今回の「GI三重座談会」は、名古屋国税局主催で開催。「三重県がGI認定を受けましたよ。三重県の風土や歴史はこんなに素晴らしく、そこで醸される三重県の日本酒も本当においしいんです。そして、三重県にはおいしい食べ物もたくさんあるので、ぜひ知ってくださいね」とPRするもの。
私はそれにオンラインで参加させてもらったということだ。

プログラムはこんな感じ。

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第一部は、主催者挨拶、県知事挨拶のあと、出演者たちがGI認定についていろいろと語った。
出演者は、
・日本ソムリエ協会会長の田崎真也
・三重の酒ブランドプロデューサーの斉藤麻子
・三重県酒造組合会長の清水慎一郎
・志摩観光ホテル総料理長の樋口宏江

印象的だったのは清水会長のお話だ。
これは三重県に限らず他県の酒蔵の方からも何度か聞いたことがあるのだが、海外の展示会などに日本酒を持っていって、現地の人に自分の蔵のことやお酒の味わいのことを説明しようとすると、海外の人が聞いてくるのは「地域」や「風土」のことなのだとか。清水会長も「三重ってどんなところ?」と海外で何度も訊かれたという。
おそらくワイン文化の考え方なのだろうが、その土地で生まれる「お酒」と「風土」とは切り離して考えることができない、ということだ。
清水会長は「三重ってどんなところ?」の洗礼を受け、自社のアピールではなく、地域としてのブランドを認知してもらうことが大事だと気づき、「GI三重」の必要性を感じて認定へと進めていった。

また、三重の酒のブランドストーリーの映像も流れたが、とても素敵だった。プロデューサーの斉藤氏は三重の自然、生命力、神秘性を「水」に感じ、この映像を撮られたという。
三重県は伊勢神宮もあるし、映像を見て、やはり神秘的な土地だと改めて感じた。美しかった。

そして、第二部はお待ちかねの試飲。
最初に、「マヨネーズとオリーブオイルもよかったら用意してください」と言われたので、間の休憩時間に慌ててセッティング。
送られてきたお酒、おつまみ、マヨネーズ、オリーブオイル、やわらぎ水を用意した。利き猪口もね。

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この第二部では、あの世界の田崎真也氏の解説を聞きながら、一緒にテイスティングとペアリングを楽しめたことが本当によかった。貴重な経験だった。

志摩観光ホテルの総料理長である樋口宏江氏からも、お酒の味わいや合わせたい料理のお話があり、それも勉強になった。
めちゃくちゃ余談だが、樋口総料理長は女性なのだが、マイクの持ち方が上品で美しく、見ていてそれが素敵だなぁと思った。マイクを両手でしっかりと持つのだ。こんな上品な総料理長が作るお料理がおいしくないわけがない。一度、志摩観光ホテルへ行ってお料理を食べてみたいなと思った。

さて、テイスティングとペアリング。
「瀧自慢」は山田錦の精米歩合45%だけあって、非常にきれいで香りも良いお酒だった。
これに「兵九郎粕漬け」という真珠貝(あこや貝)の粕漬けを合わせる。この粕漬けが、まぁ~~、旨いこと!
ただ、正直に言うと、それほどこのお酒と「合う」感じはしなかった。余韻にわずかに出る苦味が気になる……。

と思っていると、田崎氏が「粕漬けにオリーブオイルを少しかけてみてください」と言う。
粕漬けに~?!と思ったが、騙されたと思ってやってみると、びっくり!
気になっていた苦味が消えたのだ。
「さすが田崎さん!さすがや!」とPC画面に向かって叫ぶ私(笑)。

次の「三重の寒梅」は、純米ではなくアルコール添加された大吟醸。爽やかな柑橘系の香りとシャープな味わいのお酒だった。フルーティーというよりは、青竹を割ったようなグリーン系の柑橘。
こちらと合わせるのは「山藤のかます」だ。このかますも本当においしくて、おつまみとして常備しておきたいと思った。
シャープなお酒に合うのだが、ここでまた田崎氏が「マヨネーズをつけてみてください」と言う。
ああ、これはもう食べる前からおいしいとわかる。マヨネーズかますをひと口、そしてお酒をひと口。
うっま~!!
「田崎さん、うまいっす、うまいっすよ!」とまた叫ぶ私。

最後は「酒屋八兵衛」。最初の2本とはちょっと違うタイプで、穏やかで、やや熟成っぽい香り。田崎氏が「漆喰の壁」の香りも少し入っていると言い、なるほど、そういう表現もあるんだなとメモメモ。
食中酒としては先の2本より万能かも、と思う。これに合わせるのは「たべるかつお節」。私はとにかく「かつお節」が大好きなので、これはものすごく好み。絶対あとでネットで調べて買おうと思った。
バランスの良いお酒なので、かつお節ともよく合う。だけど、またここで田崎さんのアドバイスでマヨネーズをつけてからお酒を飲んでみると、より味わいに膨らみが出たように思った。

大満足のテイスティング&ペアリングだった。香りや味わいの表現の勉強にもなった。
その後も田崎氏のお話は止まらず、日本酒がどれほど食と合わせるのに万能なアルコールなのかということを語ってくださった。
霜降りの牛肉はしゃぶしゃぶにしてポン酢で、それを純米吟醸と合わせるといいよ、とか。
白身魚には醤油でなく、塩&すだちが日本酒と合わせるのにいいよ、とか。
和菓子にも日本酒は合う。しぼりたて生やスパークリングがいいよ、とか。

結局、14時~15時半までの予定が、15時45分くらいまでやっていたと思う。
三重の日本酒、三重の食材、そしてそのペアリングの楽しさを十分に感じられたイベントだった。
私はもともと「三重はとにかくおいしいものが多い」と言い続けてきたのだが、やっぱりそうだよなと再認識。近いうちにまた三重へ行って、おいしいお料理とお酒を楽しみたい。

GI三重座談会事務局の皆様へ
このたびは素晴らしい体験をさせていただきました。
改めて、三重県の食・酒・風土の素晴らしさを感じることができました。
楽しいイベントをありがとうございました。


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