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1minute七十二候 竹笋生(たけのこしょうず)

立夏<末候>
5月16日から5月20日頃

新鮮なたけのこの顔が土の中からひょっこりと現れる時期です。たけのこの成長は驚くほど速く、特に孟宗竹(もうそうちく)と呼ばれる種類は、1日に1メートルも成長することがあると言われています。
たけのこは、竹の地下茎から出る若い芽のこと。土からわずかに顔を出したこの時期が、一番柔らかくて食べごろとされています。この短い旬を逃さないようにと、多くの地域で収穫が行われます。
食べごろは、地面から顔を出してから約10日間とも言われており、この期間がたけのこを最も美味しく味わえる貴重な時です。

たけのこは、その豊かな風味と食感で、多くの料理に欠かせない食材ですよね。柔らかくエグミが少ない孟宗竹が一般的に好まれますが、5月中旬からは淡竹(はちく)という、灰汁が少ないため食べやすい品種が旬を迎えます。さらに5月下旬には、別名「苦竹」とも呼ばれる真竹(まだけ)が旬になるため、この時期にはたけのこの楽しみ方が広がります。

実は竹にも花が咲く事をみなさんはご存知でしょうか。竹の花が開花するのは非常に稀で、孟宗竹は67年に一度、真竹は120年に一度しか花が咲かないと言われています。これは人間の寿命を超える周期であり、一生に一度見れるか見れないかという非常に珍しい現象です。
竹の開花は、科学的に完全には解明されておらず、なぜ一斉に花が咲き、その後枯れるのかはまだ謎に包まれています。また、一斉開花は「不吉の象徴」とされることもありますが、これに科学的根拠はなく、むしろ自然の神秘とも言えるでしょう。

竹は美味しくいただくことができるだけでなく、建築材にされたり、紙や容器になったり、装飾品になったり、また食器や着るものの図柄に描かれたりと昔から私たちの暮らしに切っても切り離すことができない身近な存在です。
たけのこの季節、暮らしの中にある竹に目を向けて 自然のリズムや生命のサイクルに感謝をしてみるのも良い機会かもしれません。

七十二候ってなに?
日本には一年を24に分けた二十四節気(にじゅうしせっき)と、さらにその二十四節気を3つずつ合計72に分けた七十二候(しちじゅうにこう)という季節があります。
七十二候は鳥や虫、植物、天候などの様子で季節を表現しており、細やかな自然の移ろいを感じることができます。 骨董・アンティークバイヤーとして活躍する傍ら「古き良きものの美しさや、ものを大切に使うことの楽しみ」もご紹介中。 ここでは ゆとりある心づくりのヒントとして、季節の話題を記しています。

What is 72 micro seasons?
In Japan, nature's rhythmic seasons are deeply cherished, inspiring a fascination with the mesmerizing 72 micro seasons. Unlike traditional divisions of four or six seasons, these micro seasons paint a vivid picture of nature's transitions with astonishing precision. Imagine the thrill of witnessing the delicate blooming of specific flowers, the graceful arrival of migratory birds, the tantalizing ripening of certain fruits, or even the intriguing behaviors of animals. This admiration cultivates heightened awareness of the surrounding world, immersing individuals in the mesmerizing beauty and rhythmic harmony of nature's ever-changing tapestry.


written by Yuuki Usami-Nakamoto © antique blue Parrot Co.,Ltd.


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