ロック史#8 : プログレッシブ・ロック
また余談から。
前回載せ忘れたツェッペリン一夜限りの再結成ライブ。全く衰えを見せないイケオジ3人と、故ジョン・ボーナムの息子ジェイソンのドラム、何もかもがカッコ良い…。
で、その前回はこちら。
70年代前半のロックは多様で楽しい。
今回は最も芸術性の高いジャンルを扱います。
プログレッシブ・ロックとは
progressive = 先進的、前衛的
60年代後半のサイケデリック・ロック以降、アルバム全体としての芸術性に目を向けるアーティストが増え、コンセプト・アルバムという概念が生まれました(『サージェント・ペパー』とかザ・フーの『トミー』とか)。
プログレはその傾向をさらに推し進め、今までにない数々の実験的な作品が、玄人に受けるだけでなくチャートでも大ヒットを記録します。
・1曲普通に10分くらいある
・常人には理解できない複雑な曲構成
・卓越した技術による緻密な演奏
・電子楽器や効果音の多用、ギターは脇役
・歌のないインスト部分が多い
同時期のハードロックとはまるっきり違う、
むしろクラシックに近い。
集中して聴くといろんな発見があると思うし、何か別の事しながら聴くのも全然アリ。
キング・クリムゾン
ビル・ブルーフォード (ドラムス)
ロバート・フリップ (ギター)
ジョン・ウェットン (ボーカル、ベース)
※アルバム『レッド』のメンバー
他時期の主要メンバー
グレッグ・レイク (ボーカル、ベース)
エイドリアン・ブリュー (ボーカル、ギター)
トニー・レヴィン (ベース)
アルバム毎にメンバーが目まぐるしく変わるので、唯一ずっといるロバート・フリップさえ認識していれば大丈夫。
イギリス出身。1969年『クリムゾン・キングの宮殿』で鮮烈なデビューを飾って以降、時代を経る度に音楽性を変え、常に挑戦的姿勢を貫いたプログレの代表格。
その他代表作『太陽と戦慄』『レッド』『ディシプリン』など。
とりあえず『宮殿』聴けば、プログレが何なのかは大体分かります。原点にして頂点みたいな。
ピンク・フロイド
リチャード・ライト (キーボード、ボーカル)
ロジャー・ウォーターズ(ベース、ボーカル、作詞)
ニック・メイスン (ドラムス)
デヴィッド・ギルモア (ギター、ボーカル)
他時期の主要メンバー
シド・バレット (ギター、ボーカル、作詞)
イギリス出身。サイケ路線で土台を作ったシド・バレットが早々に脱退するも、8thアルバム『狂気』がビルボードに15年ランクインするなど(現在の売上は5000万枚以上)、商業的にも大成功した、ロック全体でも屈指の人気バンド。
プログレみたいな難しい音楽が売れまくる時代って凄いな。
その他代表作『夜明けの口笛吹き』『原子心母』『おせっかい』『炎〜あなたがここにいてほしい』『ザ・ウォール』など。
攻め攻めのクリムゾンに比べ、フロイドはゆったりとした独特の浮遊感がある。
イエス
スティーヴ・ハウ (ギター)
ジョン・アンダーソン (ボーカル)
リック・ウェイクマン (キーボード)
ビル・ブルーフォード (ドラムス)
クリス・スクワイア (ベース)
他時期の主要メンバー
トニー・ケイ (キーボード)
アラン・ホワイト (ドラムス)
ジェフ・ダウンズ (キーボード)
トレヴァー・ラビン (ギター、ボーカル)
イギリス出身。クリムゾンと同様メンバーが入れ替わりまくるも長続きしているバンドの一つ。
特に70年代の作品はとにかく1曲1曲が長く、その中に多くの高等技術が詰め込まれていて聴き応え十二分。
代表作『こわれもの』『危機』『リレイヤー』『ロンリー・ハート』など。
日本人にはお馴染みのイントロだけど、全編聴いたらこんなにカッコ良いのです。
エマーソン・レイク・アンド・パーマー
キース・エマーソン (キーボード)
カール・パーマー (ドラムス)
グレッグ・レイク (ボーカル、ベース)
イギリス出身、略してELP。トリオでギター不在という珍しい編成に加え、クラシックやジャズの要素を積極的に取り入れた、プログレ界でも際立った音楽性を持っていました。
モーグ・シンセサイザーやハモンド・オルガンで、ギター無しに劇的なサウンドを創り出したエマーソンの先進性は素晴らしい。
代表作『タルカス』『展覧会の絵』『恐怖の頭脳改革』など。
ブルースから影響を受けている直球型のハードロック/ヘヴィメタルに対し、独自の世界観を持つプログレは、ロックを本来の破壊的なイメージとはかけ離れた高尚な存在にさせ、こうした流れは後のパンクにも刺激を与えることになります。
今回もバンドを取り敢えず挙げていくだけになりましたが、ここまで。
次回はこれまた同時期のグラムロックを取り上げます。
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