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物語を面白くする「感情曲線」って知ってる?

なかです。株式会社ソラジマでWebtoon編集者をしております。

今回は物語の基本である「感情曲線」についてお話しします!


まず、感情曲線とは

物語の進行において読者の感情がどのように変化するかを示すグラフであり、漫画の脚本作成において非常に重要な要素。この曲線を意識することで、読者が物語に引き込まれ、感情移入しやすくなる。

感情曲線とは、こんな感じのやつ。

第一話とか、読切作品で50~60Pくらいなら、大体この6つの要素で上げ下げできればOKかと思います。それ以上に分解する人もいますが、僕は基本これに足し引きをしていく感じで書いていきます。※2024/05/07時点

そもそも感情曲線なんで重要なの?という話なんですが、要は「意図して盛り上げを作りたい」んですよね!

「主人公に試練を与えて、それを解決してもらう。主人公喜ぶ。だけどそれ以上に悪いことが起きて、絶望し、それでも諦めずに四苦八苦しながら何とか解決する!でも、実はその事件には裏があって事件に巻き込まれていく……続きは第二話!」

この構図にしたいわけです。「次どうなっちゃうの〜〜〜〜〜。」このテンプレが感情曲線なのです。一応以下で、例を交えながら重要性について触れます。

感情曲線の重要性

  1. 没入感の増加

    • 物語に感情の起伏があると、読者は登場人物の経験に共感しやすくなる。たとえば、主人公が困難に立ち向かい、それを乗り越える場面は、読者に勇気や希望を与える。例)「NARUTO」ナルトがミナトに騙された。しかし、イルカ先生を助けるために覚えたての禁術でミナトをぶっ飛ばす。

  2. 緊張感の構築

    • 感情曲線を使って緊張とリリースの瞬間を作り出すことで、ストーリーにドラマを加えることができる。これにより、読者は次に何が起こるのかという期待感でページをめくることになる。例)「進撃の巨人」さっきまで酒を飲み平穏に暮らしていたが、突然巨人が街に入り込んでしまった。ほとんどの兵士が死に、戦意喪失して戦える戦士がいない。絶体絶命、母も目の前で喰われてしまう。。。

  3. 物語のリズムの調整

    • 一定のリズムで感情が変化することで、物語が単調になるのを防ぎ、読者の興味を持続させることができる。

例:『ワンピース』エニエス・ロビー編を例に考えてみます。一味が仲間のロビンを救出するために政府の秘密組織CP9と戦う話。

  1. 序盤の緊張感

    • ロビンが突然一味を裏切り、政府に捕まったかのように見える。この裏切りのショックで読者は緊張感を感じる。

  2. 中盤の感情の盛り上がり

    • 一味が一致団結し、ロビンを救出するためにCP9のアジトに乗り込む。各メンバーが個別にCP9のメンバーと戦うシーンでは、それぞれの戦闘がクライマックスに達する。

  3. 感情の和らぎと高まり

    • 戦闘の合間に、ロビンの過去が明らかになる。彼女の悲しい過去と、仲間になった経緯が描かれ、読者は彼女に対する同情や理解を深める。この感情の和らぎが、再び戦闘の緊張感へとつながる。

  4. クライマックス

    • ロビンが「生ぎたい」と叫ぶシーンは、感情の大爆発であり、読者の感情も最高潮に達する。このシーンは、数多くの戦いと感情の起伏を経て、より強力なインパクトを与える。

……最後のワンピの例えが長くなりましたが、こんな感じです。

このように、感情のリズムが効果的に用いられており、読者が飽きることなく、次々と展開するエピソードに引き込まれる。物語全体を通じて感情の起伏が絶えず設けられる。なので感情曲線/リズムは大事なんです。


「じゃあどうやって感情曲線を活用すればいいか?」これについても、具体的に説明します。ざっくりいうと「物語を4〜6つに分けて、上げ下げしよう!」ということです。

対策:感情曲線を活用する方法

  1. プロットの節目を設定する

    • 物語の大まかな流れを決めた後、それぞれの章やシーンでどのような感情を引き出すか計画する。たとえば、冒険の始まり、大きな試練、最終的な解決など、物語の各段階で感情の高まりを設計する。

  2. 対比を利用する

    • 悲しいシーンの後には明るいシーンを配置することで、感情の対比を強調し、より大きな感情の動きを作り出すことができる。

  3. キャラクターの内面描写を深める

    • 登場人物の感情や思考を詳細に描写することで、読者がその人物に感情移入しやすくなる。キャラクターの心理状態の変化を丁寧に表現することで、感情曲線の影響を強化できる。

  4. クライマックスへの準備

    • 物語のクライマックス前に感情を積み上げていくことで、最高潮の部分での感情の爆発をより強力にする。溜めと解放のタイミングを計算し、読者を引き込む。

こんな感じで、感情曲線を上手く利用することで、読者は漫画の世界に深く没入し、強い印象を持つことが可能になる。物語を書く際は、常に読者がどのように感じるかを想像しながら、感情の流れを設計することが重要。ということですね!

僕は自分の創作をコツコツ始めて2年ちょっとですけど、こういう基礎的なことって大事ですよね。一回インプットしたら、とにかく書きまくって、その後アンラーン(忘れる)ことで、自分の書き味とか出てくるのかなって思います。

ここまでウニャウニャ話しましたが、最後に山田玲司先生のこの動画を見るのがおすすめです!

以下は動画のポイントです!

①物語の始まりと感情曲線
物語は最初に主人公が落ち込むところから始まる。
途中で出会いや出来事で少し上がるが、再び下がる。
感情の上下が繰り返される。
伏線の重要性
物語の途中で伏線を張ることが重要。
伏線を最終的に回収し、物語がクライマックスに向かって進む。
無理な伏線回収(例:宝くじが当たるなど)は面白くない。
人間ドラマの深み
人間の業やドラマが描かれていることが必要。
例えば、恩返しなどがドラマを深める要素になる。
複数の物語の並行
主要な物語と並行して別の物語を進行させると深みが出る。
感情の起伏とキャラクターの成長
主人公の感情の起伏だけでなく、ライバルやヒロインの感情曲線も描くと良い。各キャラクターの感情の起伏が物語に深みを与える。
物語の最後と余韻
物語の終わりで全てを解決せず、少し謎や未解決の部分を残すことで読者に余韻を与える。幸せな結末に行くと思わせつつ、完全には描かないテクニック。
プロローグの効果
物語の冒頭で重要な場面や出来事を予告することで、読者の興味を引く。
成功した後の話を最初に見せ、後からその経緯を描く方法。
キャラクターの感情描写
主人公の感情の浮き沈みを丁寧に描くことが大切。
読者が感情移入しやすいように描写することが重要。

ということで、今回は以上です。殴り書きなので、文章おかしい部分とかありますが、ご容赦くださいませ!

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