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【心霊体験】壊れた眼鏡

ある朝に壊れた眼鏡が見つかった。
修復が難しいほど歪んでしまったようだ。
何故、眼鏡は壊れてしまったのか。

実際にあった出来事に多少フェイクを入れて書いていく。


◆登場人物紹介◆

・ミナミ(仮名)・・・子供の頃から眼鏡をかけている近眼の女性。
性格はかなりの天然で気が小さいところがある。


・キタコ(仮名)・・・ミナミの母親。
ミナミと同じく近眼で眼鏡をかけている。
性格はおっちょこちょいでかなりの慌てもの。


・ソラ(仮名)・・・ミナミが信頼している霊感のある知人。
神出鬼没で謎が多い。


ミナミ「ソラさん、この前眼鏡が壊れてしまったんですよ」

ソラ「どうして壊れたの?」

ミナミ「ちょっとした事情がありまして・・・」

ソラ「ふむふむ・・・」


・・・数日前に遡る。


ミナミ「お母さん、お母さん、やってしまった!」

キタコ「朝から想像しいわね、一体何をやらかしたの?」

ミナミ「壊れちゃったんだよ!」

キタコ「何を壊したの?」

ミナミ「眼鏡!」

キタコ「は?あんた近眼でしょ!」

キタコ「眼鏡なんて壊したらどうするのよ!」

ミナミ「それがさ~、朝起きたら定位置に置いてある眼鏡がなかったんだよ!」

ミナミ「部屋中探したら見つかったんだけど・・・見つけた時には壊れてた」

キタコ「それはあんたが寝ぼけて踏みつけただけじゃないの!?」

ミナミ「夜中に起きた覚えはないんだけどね・・・」

キタコ「あんたは昔からドジだから、夜中にふらっと起きて踏んだに違いないよ、全くもう・・・」

ミナミ「足の裏は全然痛くないし、踏んだ感じはしないんだけどなぁ」

キタコ「その眼鏡5万円以上したものでしょ、新しい眼鏡買うにしてもお金かかるじゃないの!」

ミナミ「う~、分かってるんだけど、壊れたものはどうしようもない」

キタコ「何とか直せないの?」

ミナミ「レンズはほとんど無傷なんだけどね、フレームが壊れてる」

キタコ「割れたの?」

ミナミ「割れてない、歪んでレンズが上手く入らない」

キタコ「ちょっと貸してみて!」

ミナミ「うん・・・」

キタコ「ここをこうしてああして・・・何とかレンズが入らないかな・・・ああ、ダメだわ、これは手ごわい」

ミナミ「私も何度かチャレンジしたんだけどね、無理だった・・・」

キタコ「確か今日は仕事休みだったよね、今から眼鏡屋さんに見に行こう」

ミナミ「うん・・・迷惑かけてごめんね」


・・・元の時間軸に戻る。


ミナミ「・・・ということがあって、眼鏡を買い替えたんですよ」

ソラ「なるほど、踏んだ記憶がないのに眼鏡が壊れていたのね」

ミナミ「いくら寝ぼけてたと言えど、眼鏡を踏んだら足の裏も痛いから記憶に残ると思うんですけどね・・・」

ソラ「そうだね、でも、ミナミさんはお仕事が忙しくて最近疲れているんだよね?」

ミナミ「そうなんですよ~、最近急に忙しくなって体力も精神力も消耗しまくりなんですよ~」

ソラ「だから、踏んでも気付かなかったのかもしれないね、疲れすぎてて・・・」

ミナミ「やっぱりお母さんの言う通りで寝ぼけて踏んじゃったのか」

ソラ「眼鏡の保管場所に注意して、疲れている時は夜更かししないですぐに休んでね」

ミナミ「はい・・・」

ミナミ「ソラさん、話を聞いてくれてありがとう」

ソラ「いいえ、話ならいつでも聞くよ」

ミナミ「ありがとう」


・・・ミナミは眼鏡に関する愚痴を聞いてもらい、ソラと別れた。


ソラ「・・・・・」

ソラ「う~ん・・・」


・・・どうやら、ソラには何か視えたようだが、ミナミには言えなかったようだった。


ソラ(知らない方がいいよね)

ソラ(だって・・・)

ソラ(眼鏡を壊すように仕向けたのは幽霊だったなんて)

ソラ(ミナミさんの部屋に偶然迷い込んだ幽霊が悪戯心で眼鏡を移動させた)

ソラ(夜中に寝ぼけてトイレに行ったミナミさんに踏ませるように、ちょうど最短距離に置いた)

ソラ(寝ぼけて踏んでしまったのは間違いないけれど、眼鏡を移動させたのはミナミさんではなくて幽霊だったなんて言えない)

ソラ(内緒にしておこう・・・)



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