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落ち葉|短歌



かすかなる落葉時雨おちばしぐれく声に
遠き窓辺のを思い

枝離えだはなともしごろを飛ぶ鳥の
願いをなぞり つ汽車に乗る

霜葉そうようを集めてともす火の色を
瞳の奥に永遠とこしえ

しとやかに重なる落ち葉 えて
ふといつくしむ君の手のひら

誘い合い散りゆく 手を預け
冬の果てなる春の日を待つ

陽だまりに落つる一葉ひとはさちあれと
風をたのみに冬を彩る

散り敷いた紅葉くれは黄葉もみじを踏み分けて
落つることなき天を



🍂 落葉時雨(おちばしぐれ)
⇒舞う落ち葉が立てる音のこと。近世の用法ですって。

🍂 灯ともし頃/火灯頃(ひともしごろ)
⇒たそがれ時のこと。近世の用法。

🍂 黄葉(もみじ)
⇒中古(平安時代中期)ほかいくつかの時代の読み方なのだそうです

🍂 振り放く(ふりさく)
⇒はるか遠くを仰ぎ見る。上代・中古の用法。




短歌スイッチが入ったのは、水彩スケッチ帖さんの描く落ち葉がとても綺麗だったから。いつも優しい風情のスケッチを描かれるので、お人柄が伝わってくるようです(◍•ᴗ•◍)✧*。

タイトル画像、落ち葉の写真だとどうも生々しくて(朽ちたりしてますし)、水彩さんの夢幻の境地に遊ぶ葉の前に載せると大惨事になるので、先月撮った雨後の舗道にしておきました(^^ゞ もう少し落ち葉をとらえておけばよかったのですが。

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