保育園の洗礼

 前回の記事で、我々にとって言葉でのコミュニケーションが非常に大切であることを書いたが、まさかその直後に自分自身がそれができない状況に陥るとは。声が出なくなってしまったのだ。もちろん一時的に。
保育園の先例というのは先輩ママやパパからも聞いていたことだが、我が家も例外ではなくそれと戦うこととなった。要するに風邪である。
 それは保育園から帰ってきたひなちゃんの鼻水から始まった。
「鼻風邪が流行っていますので」
と園の先生が言っていたのを思い出し、とうとううちにもやってきたかと覚悟を決めた。
 子供の体調の変化のスピードは大人より早い。あれよあれよという間にひなちゃんは熱が38度台まで上がり、病院へ連れていくこととなった。
ひなちゃんは先月溶連菌になったばかりだ。なるほど、一カ月に一回体調を崩すと言っていた先輩パパママの言葉は本当だったのかと妙に納得する。
 病院での結果は風邪だった。コロナやインフルなども含めて検査をしたが、どれも陰性だった。ただ原因はなんであれ、家族全員がこの先例と戦わなければならない事実は変わらないのだが。
 ひなちゃんは必死に「はな、はな」と言ってくる。鼻水が出たから拭いてという意味だ。さらにひなちゃんなりになんとか伝えようと、我々の手をひなちゃんの鼻下まで持っていき、鼻水に触れさせる。
(ひなちゃんわかるよわかる!ちゃんと手を持って教えてくれるなんてすごく嬉しい!ただこれじゃあ風邪がうつらないほうが不思議だよな)
と言いたくなるのをぐっとこらえて鼻水を拭いていたら、案の定順番に我々も風邪をひいたというのがことの顛末だ。
鼻水から始まった風邪は熱、咳などを引き起こしながら最後は喉にきた。その結果声が出なくなったのだ。
 子供の体調の変化のスピードは大人より早い。これは治る時も同じだと思う。
我々がひなちゃんの風邪をもらって熱でダウンしている頃、ひなちゃんはすっかり元気になり、フル充電とばかりにいつも通り活動する。一日中寝ているなんて許されない。一緒に遊び、ご飯を食べ、なんならお出かけまでしないと満足しないのだ。
これがいかに地獄であるかは以前の記事にも書いた気がするが、例にもれず今回もなかなかの苦行だった。
 まだママの体調は回復しきっていないが、ひなちゃんも保育園に行きだし、ようやく我が家に平穏が戻ろうとしている。
これが一年続くのかと思うと先が思いやられるが、子育てをする上で避けては通れない道であることもわかる。
今は一日でも多く家族が健康でいられることを願うばかりだ。

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