表紙絵うらばなし
blancです。
今回、ご縁あって、ドロップス書房さん発行のアンソロジー「飛ぶ子ども」の表紙絵を描かせていただきました。↑の画像は部分です。
6日夜にドロップス書房さん主催のおしゃべり会に参加させていただいた裏話の回答です。
ご依頼
今回、いつも仲良くしてくださったドロップス書房さんから表紙絵製作のお声がけを頂いたとき、嬉しかったです。
心配もありました。忙しかったのもありますが、画力が不十分なのに加え、地味で華やかさのない画風なので、読者の目をぱっと惹く表紙にできるのかなと不安に思っていたので。
そんなわたしを力付けて下さったのが「ファン」だとおっしゃって下さったSassyさんはじめドロップス書房メンバーの皆さまでした。こちらの事情にもご配慮いただいて。優しいお心遣いが嬉しかったです。
そして裏話を以下に。
長いです。
アイデア出し〜構図決定まで
今回の表紙絵は、コンセプトと絵に入れる要素を頂いて、構図を決めて描くという流れで進行しました。
「飛ぶ子ども」がテーマだったので、羽根のついた男の子をメインに描くことは最初から決まっていました。(以下「天使ちゃん」)
ご依頼直後の時点でわたしの脳内は完全にディズニー「ピーターパン」の「You can fly」。
ロンドンの夜にティンカーベルならぬ天使ちゃんがお部屋に舞い降りる、夢いっぱいの世界でした。
ドロップス書房さんのコンセプトが不埒でふしだらで不穏の3Fなのに(笑)。
Sassyさんの収録作「412号室 アリエリ」の冒頭を読ませていただいて世界観を知ってから、「これはやばい」と焦って色々イメージを脳内補正しました。
最終的には不穏な要素のある建物を訪れる無邪気な天使ちゃん、というイメージになりました。
ここで強調したいのが鹿森さんとSassyさんのディレクションスキルの高さです。質問に明確にお返事くださったおかげで、方向転換できて助かりました。
お絵描き
構図が決まったらお絵描きです。
天使ちゃんの絵は銅版画の直接技法を応用したものです。細かい線を重ね、さらにこれを薄く消したりなどを幾度も繰り返し描いてグラデーションを作ります。グラデーション部分は全部手作業です。
体力がなくなって集中力が途切れることもままあって。モチベーションを維持するため、適度にさぼっています。おさぼりタイムも大事。コーヒー飲んでひと休み。
お絵描きツールは全てデジタルです。
使用アプリはAdobe Fresco。
線の太さ、濃度のコントロールも、アナログでは考えられないような細かいレベルで出来るのに、仕上がりにアナログ感がきちんと残されているところが気に入っています。
集中して描いてるうちにアプリがフリーズしてデータが消えてしまい部分的に描き直すこともありました。
はじめての〇〇
今回、生まれて初めて自分のドローイングが印刷物となる貴重な機会で、それがまさか表紙絵とは思いもしなかったです。
仕上がりがどうなるのかドキドキです。
絵のこだわり
ドロップス書房さんから質問をいただいたので、ここでお応えしますね。
Q. こだわりポイントは何ですか?
うーん。手描きであることくらいですかね。
背景ツール、スタンプツール、AIなどに頼ってしまうとすぐに怠けて何も描かなくなると自分でもわかっているので、手を出さないようにしています。
完成
期日ギリギリまで引っ張って、お渡しした絵がこちらです。細かすぎて線のグラデーションに見えず潰れてしまっているところも多いですね。
ご興味のある方は文学フリマ東京38、「ドロップス書房」さんのブースで実物をご覧になってみてくださいね✨
https://bunfree.net/event/tokyo38/
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