自分と家族の認知症の介護と手続き名医が教える最善の進め方Q&A大全 【読書感想文】 フローチャートやチェックリストで確認しよう
★★★★☆
Amazonでレビューしたものです
1.遠藤英俊先生の著者です
遠藤英俊先生は老年医学の専門ですが、老年精神医学会や認知症学会の専門医もお持ちです。聖路加国際大学臨床教授・名城大学特任教授から、現在は、いのくちファミリークリニックを愛知県に開業され、認知症の高齢者を中心に診察されているそうです。
テレビ出演もされているようです。
先日読んだ認知症の本、
「マンガでわかる!認知症の人が見ている世界」
でも監修をされていました。
2.怒涛の116のQ&A
内容は、序章と第1−9章の全部で10に分かれていました。
それぞれの章の初めに2ページほどのまんがが載っていました。
序章は、ケース別の診療室で、こういうケースは認知症を疑おう、と紹介されていました。
次の第1章から、Q&Aが始まり、全部で116続きました。
認知症の家族を持った方向けの内容で、介護の内容が6割ぐらいになっています。介護保険サービスを受けるまでの流れについてのフローチャートや、プランシートなども載っていて、見ながら考えやすくなっています。
見守りカメラに電球
面白かったのが、
Q104 遠距離に住む親のようすを見守る方法はありますか?
無線通信機を内蔵した電気ポットに、見守りカメラ、見守り電球、人感センサー、緊急通報サービスなどが紹介されていました。
今はインターネットで、家電やカメラから離れて暮らす親の生活状況を、スマートフォンやタブレット、パソコンなどで、メールや映像で確認できる時代なんだそうです。
ありました見守り電球。10780円となかなかのお値段です。
でも便利そうですね。
リバースモーゲージは慎重に
リバースモーゲージについても触れられていました。
メリットデメリットがあるので慎重に検討いただきたいものです。
3.終末期についても触れてほしかった
この本の最後は施設に入ったところで終わります。
ただ、認知症の介護は本人が施設に入れば手から離れて終わりではないと思います。
施設に入った後も面会に行ったり時に泊まりにきたりなどの今までのようなべったりした関係ではないものの、家族としての介護は続いていきます。
徐々に年老い認知機能の低下が進行していく本人と、家族は向き合わなくてはなりません。
場合によっては、肺炎とか骨折とか身体疾患の合併も起こります。
そして、最後は看取りが待っています。
認知症が重度に進行することが多く、また昨今の訴訟社会から、認知症の方本人の最後は家族が決めることが多いのが現実です。
できればこの本ではそのあたりにも踏み込んでQ&Aを残してほしかったですね。食事が取れなくなったらどうするのか、とか。
できれば、元気なうちに本人が自分がどういう最後を迎えたいかを遺言で残しておいて欲しいものです。
しかし、それを覆す家族の希望があればそれが通ってしまうこともあるので、そういうことはなくすようにして欲しいですね。
よろしければこちらもどうぞ〜
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