呪術廻戦 26巻 【ネタバレあり読書感想文】 孤独でない死
★★★★★
Amazonでレビューしたものです。
獄門疆の封印から解放された五条悟。
檻だった虎杖から器となる伏黒恵へ受肉した両面宿儺。
12月24日、新宿で、激突。
1.五条VS宿儺 決着
前の巻から続いている、現代最強の術師・五条悟と、呪いの王・宿儺の戦闘。
”人外魔境新宿決戦”というサブタイトルの通り、通常の術師の常識を超えた戦いが繰り広げられていた。
何度も繰り返される領域展開による力の押し合いは、徐々に条件を変化しパワーアップ、それに並行して行われる反転術式による傷の治癒。
さらには、本来冷却期間が必要な術式と領域展開に対して、反転術式で焼き切れた術式自体を修復する離れ技を互いに行う。
一瞬術式の修復が遅れ、無量空処をくらう宿儺。
五条も、自分の脳を破壊し反転術式で治して術式自体を修復してきた、ツケが出る。
しかし宿儺は、最強の式神である摩虚羅を呼び出した。
元々摩虚羅は、乗っ取った肉体である伏黒恵の術式・十種影法術からくる式神で、十種影法術は五条と同じ六眼持ち無下限呪術使いと相打ちになった自爆技でした。
五条にしてみれば、宿儺と十種影法術術者の2人と戦っているようなものとなり、ちょっとずるい気もします。
乗っ取った肉体の術式も能力ということなのでしょうか。
都庁を破壊し飲み込む「茈」
戦いの結末は…
2.世界から呪いをなくす方法
空港で夏油に再会した五条。
七海と、灰原もまざり言いたい放題。
学長はうるさそうに耳を塞ぎ苦い顔。
天内と黒井は楽しそうに笑い合い、、
後ろにいるのは、、、甚爾??
この呪術廻戦は、最初から爺ちゃんに大勢に囲まれて死ねと言われてはじまっており、多くの人(呪霊も含めて)の死が描かれてきた。
人間から流れ出た負の感情が呪いであり、呪術師は死後呪いに転じることもあるという。
印象深いのは禪院直哉だろうか。彼は、恐ろしく醜く邪悪な姿となって蘇った。
この空港にいる彼らはとても楽しげに満足そうに笑っている。怒りも憎しみもなく、全ての苦しみや呪縛から解き放たれて、次への旅立ちを待っているようだ。
彼らは仲間と一緒にいてつながりを感じ、繰り返し宿儺について言われているような孤独ではなさそうだ。
天元と日本人全てを同化させるという、エヴァ的な強制的に補完するのではなく、個として存在しつつ他人と繋がって孤独をなくす方法も可能であり、あるのだろう。
それは、呪いをなくす方法になり得るのかもしれない。
ジャンプ本誌でこの「南へ」が出た時、ネット上では阿鼻叫喚となっており、私もショックだったし、悲しかったです。
五条先生は最強であって欲しかった。。。
それでも我々は、心置きなく旅立っていく彼らを見送り、彼らがそういった死を迎えることができたことを、受け入れるべきなのでしょう。
呪いではなく、祝いと共に。
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