ジョジョの奇妙な冒険 第9部 ザ・ジョジョランズ 3 【ネタバレありマンガ感想文】 ディオの名を継ぐダークヒーロー?
★★★★☆
Amazonでレビューしたものです
0.今までのあらすじ
オアフ島に住む15歳の少年、ジョディオ・ジョースターは、大富豪になることを夢見ており、そのヒントは目には見えないメカニズムにあると考えている。スタンド「ノーヴェンバー・レイン」を使い、兄のドラゴナと共に、薬の運び屋などの違法行為を”ボス”の下請けをしながら暮らしている。
ある日、ボスから600万ドルのダイヤの盗みを指示され、ハワイ島にパコとウサギの4人組で向かった。ダイヤの持ち主は、ハワイ島の別荘に来た日本の漫画家・岸辺露伴。彼のスタンドと交戦となり、さらにどうしても盗めないダイヤに苦戦するが、ダイヤの横にあった「溶岩」を持ち出して取引を強要し、別荘を脱出する。ジョディオは露伴から「溶岩」を託された。
4人は空港までの帰り道で、猫のスタンド使いに襲われるが、スタンド能力で退けた。そして、フライトの待ち時間に、”「溶岩」が「カネ目のモノ」を引き寄せる”説の実験を始めることに。ドラコナとウサギは「溶岩」を持って高級時計店へ。待っているジョディオとパコに猫の生首の警告が!
2.近接戦のハッスルと意外に便利なオペレーターズ
9部のスタンドみんな地味で、これじゃ戦えないんじゃないか?と思っていたのですが、意外と頑張りますね、みんな。
筋肉とか無理だろうと思っていましたが、パコは本体が戦闘慣れしているようで、相手の動きや強さをよく観察して判断できます。その彼がさらに筋肉を操るスタンドで肉弾戦を戦う感じです。
お兄ちゃんのスタンドもなんかトロそうで、もうちょっと話して欲しかったですが、傷まで動かせるならだいぶ使えそうですなあ。これで治療回復もできそうです。(前の巻でお腹貫かれてなかったっけ、、、?)
今回の敵スタンドはキュビズムでした。
容赦無く首にブッさすやばそうなやつですけど、「いいヤツな気がする」のか、、?大丈夫?
そして、ノーヴェンバーレインは雲みたいな蜘蛛みたいなスタンドですね。
オラオラはしないんでしょうか?(無駄無駄でもいいですが)
3.謎の家族関係と治安
個人的に謎なのがドラゴナとジョディオ兄弟の関係です。
「君のこと愛してる」ってウサギに言われたドラゴナは、「そーゆーの特に要らないんで・・・あたしら兄弟は・・・」と却下していました。
まあ、ウサギに興味が持てないというのはわかるのですが、兄弟は、、とくるのが気になりました。
(え?あなたたち禁断の兄弟愛?)
とちょっと疑ってしまっていました。
この兄弟距離が近すぎるんですよね。
前の巻で、ジョディオは、男の子としてそれなりに成長したいとも思っていると内心語っていたけれど、、
もう1つは、呑気に電話してきたお母さんのバーバラ・アン。
息子たちは小遣い稼ぎの犯罪をやっていることを全然知らないんでしょうか?
知らない人が傘さしてくれるのに疑問に思わないとしたら、アホすぎるけど。
このハワイの治安もよくわからないんですよね。
違法行為の集団に染まらないと仲間外れにされて生活できないんでしょうか?
4.負け犬ののし上がり?
彼らは自分たちのやっている違法行為や下請けという立場について、クズとか負け犬とか自己評価は低いようです。まあ実際そういうことをやっていますからねえ。
しかし、そういったケチな仕事をしていたはずが、「溶岩」絡みのやばい仕事になりパコやウサギたちはビビります。
そんな彼らに、ジョディオもドラコナも、
と覚悟を迫ります。
一巡後のジョジョたちは何かが欠けていてそれを求めているようです。
ジョニィは立ち上がるための足が。
定助は記憶とそれに基づくアイデンティティが。
では、ジョディオには何が欠けているのでしょうか?
今までのストーリーでは、未来への信頼でしょうか。
このまま頑張れば幸せになれる、とはとても思えない。
そして、今も、決して幸せではない。
未来のために彼らは、このまま犯罪者としてのし上がって、大富豪になるのでしょうか?
他人を殴りものを奪い薬を売りつけて成功するのは、たとえ不幸な生まれだったとしても、なかなか理解や応援を得にくい経過だと思います。DIOもDioも同情はされても共感はされないでしょう。
5部のジョルノがギャングとして応援できたのは、麻薬をなくすブチャラティと協力して行ったからでした。
荒木先生自身も、
と書かれています。
クズの負け犬は、これからギャングになっていくのでしょうか?悪の帝王になっていくのでしょうか?
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