黒猫

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エッセイを書いています。 ヨガとか音楽とかオタ活とか。 https://mirror.asahi.com/author/11008286

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なぜヨガをすると自分と他人を比較しなくなるのか?

2月です。日中は日差しが暖かくなってきました。そんな日はよく、日光を浴びたいvs紫外線は浴びたくない の戦いが始まります。春までもう少しの辛抱です。 以前の記事で「ヨガを始めてから、自分と他人を比べなくなった」という話をしました。 いやほんとにね〜気が楽になったというか、余計なストレスを感じにくくなって、快適ですよ〜なんて自分で言っておきながら、それってなんでだっけ?私何したっけ?と今更思いました。 なぜヨガをすると、自分と他人を比較しなくなるのか? よく聞くし、私も実

    • 日々ネットで繰り広げられる論争の8割は「好きにしたらええやん」の一言で片付く。

      • 【エッセイ】娘の裏切りに涙した母は「子ガチャ」にはずれたのかもしれない

        テーマ:わたしと「母親」 なぜだかあの日の光景は、今でも瞬時に思い出せるほどよく覚えている。西日が差し始めた祖母の部屋。鏡台に並ぶ化粧品の匂い。足の裏に感じる畳のざらついた質感。 あの時の私は、自分が悪いことをしてそれがばれたことより、母にあんな顔をさせてしまったことにショックを受けていたように思う。お前が悪いんやけどな。 ここ数年で同級生達はどんどん親になって、その子供達は知らないうちにどんどん大きくなっている。あと数年もしたら、子供達はいろんなことを覚えてもっと賢くな

        • 最近読んだ本

          ほぼ自分用記録。 ひとさらいの夏/冨士本由紀 「コンドル」が好きだった。多分私もあの状況だったら彼と一緒に行くと思う。たとえその先にどんな地獄が待っていたとしても。 エゴイスト/高山真 恋愛だけじゃない深い愛の話だった。がんじがらめになっていた彼が少しずつでも解き放たれますように。映画を早く見なくちゃ。 彼女は頭が悪いから/姫野カオルコ 上野千鶴子さんの東大入学式祝辞でも触れられていた本作。男子東大生の家柄の記述がとにかく多いのが印象的だった。これが”環境”か〜。

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          悲しみのスリッパ

          ふと、知っている匂いが鼻をかすめた。まったく同じではないけれど、あと一歩で思い出せそうなほど似ていた。 ボロアパートのワンルーム。畳の上をスリッパで歩くところが嫌いだった。でも彼の母親もそうしていたから何も言わなかった。違う世界で生きていたことを、交わることができないことを思い知る。 知らない誰かからしたその匂いで、一瞬で蘇った記憶。スリッパの裏に張り付いた糸くずみたいな記憶。余計な記憶はもういらない。その洗剤か柔軟剤か何かが、早めに廃番になりますように。

          悲しみのスリッパ

          【エッセイ】非正規雇用は見下されて当然か?”立派な社会人”とは

          テーマ:ぶつかったキャリアの壁 年齢制限なし、国際女性デー特別テーマ。 「Quiet Quitting」というのが、アメリカの若者を中心に、SNSで話題になっているらしい。 日本語訳は「静かな退職」。必要最低限の仕事はこなすが、それ以上は頑張らないこと。でも実際に会社を辞めるわけではないので(と言いつつ日本人は割とすぐ辞めるらしい)、さらに適切な表現として「平穏への解放」「静かなる撤退」「Escape hustle culture(がむしゃらに働くハッスル文化からの逃避)

          【エッセイ】非正規雇用は見下されて当然か?”立派な社会人”とは

          昨今の推し文化についてオタク15年選手の私が物申す

          「オタク」や「推し」「推し活」が一般化及び商業化してから随分経ったように思う。 元々オタクだった身からすると、今までは、オタクであることは恥ずかしいこと、気持ち悪いこと、周りから嫌な顔をされないように隠さねばならないこと、という認識の下、意識的にも無意識的にも忍んで生きてきたことが多かったが、最近では「誰しも推しがいるのが当たり前」のような世間の空気感の下、堂々とオタクであることを公言しやすくなったように感じる。 その点では生きやすい時代になったと感じることもある一方、かつ

          昨今の推し文化についてオタク15年選手の私が物申す

          春を感じる時

          景色の彩度が少し上がった時 窓を開けた時入ってくる空気がぼんやりしてきた時 どこからか沈丁花と草と土の匂いが漂ってきた時 水道水の冷たさを心地良く感じるようになった時 日差しに照らされた時間がこのままいつまでも続くんじゃないかと感じる時 夜風が柔らかくてなぜか胸がきゅっとなる時 夜道をどこまでも歩いて行けそうな気がする時

          春を感じる時

          風の先のあなた

          中庭から吹き抜ける風、風、風。 冷たいコンクリートでざらついた膝。汚れたスニーカー。自動販売機が唸る。 抜けていった風の先、グラウンドにあなたの背中を見つけたら、なんでもない顔をする。頬を叩く髪の毛が五月蝿い。 私の目線と遠くで聞こえた誰かの叫び声は、ほんのり赤く染まった高い空に消えた。上弦の月。 “キラキラしていたあんたの目 真っ黒に焼けた大きな手 ハンドルをギュッと握りしめて アクセルを踏みました” 雲走る

          風の先のあなた

          君の笑い話は女にとってまったく笑い話じゃない

          「今となっては笑い話なんだけどさ」 当時付き合っていた人から、その前置きで始まったある女友達の話。 彼女には付き合っている男性がいた。彼はある程度社会的地位のある人で、夢追い人でもある彼女は、彼から生活面で一部金銭的支援を受けている状態だった。 彼女がさっぱりした性格だったということもあって、男友達が多く、特に仲良くしている同じく夢追い人の友人がいた。男女の仲になったことはなかったという。それでも彼は、自分以外の男と遊んでいる彼女が許せず、そのことで彼女とよく口論になった

          君の笑い話は女にとってまったく笑い話じゃない

          春に消えないで

          かろうじて残っているマスカラでは遮れない、軽く目が眩む春の日差し。 温かな気候の中どこか冷静な思考、午前11時の駐車場で呟く「また会える?」 膨らみ始めた桜の木の下をくぐりぬけても、どうか君だけは消えないで。 “言えなかった 君を失いたくない 彩雲の影が このまま消えないで”

          春に消えないで

          【エッセイ】人生で初めて抗議活動に参加した。私達には世界を変える力がある

          テーマ:ニュースとわたし 年齢制限なしのテーマで久しぶりの投稿。ブチ切れながら書きました。 この事件は被害者女性の小さな声から始まり、最終的には国を動かし、声を上げた彼女が「勇気ある女性」として世界に称賛されるまでに発展した。 と同時に、このくだらなくておぞましい事件により、日本のジェンダーに対する意識の低さが世界中に知れ渡ることとなったわけだが。 今回の事件で加害者は懲役2年、執行猶予4年の判決を下された。個人的には執行猶予なんていらんやろと思うところではあるが、それ

          【エッセイ】人生で初めて抗議活動に参加した。私達には世界を変える力がある

          夜は花冷え黄色は注意

          まだ冷え込む春先の夜。ほろ酔いの帰り道。雨は上がっていた。 冗談みたいに冷たい私の手を、君は少し笑ってから掴んだ。 気付いた頃には絡まっていた指。交差点。信号機の点滅、黄色。 “愛なんて知らない”

          夜は花冷え黄色は注意

          執着を手放してまた会えたらその時は

          これはどこにでもあるよくある話。 子供の頃から一番仲良くしていた友達との接し方がわかならくなってしまった。 彼女は一言で言うと私とは真逆の性格。その違いこそが面白く、凹と凸がぴったりはまる感じだった。 同じクラスになったのは1度だけ。進学先も別々で、その程よい距離感が長続きの一因だったのだと思う。就職して大人になってからも、どうでもいいことで連絡を取ったり、定期的に遊んだり、話題が年相応に変わっていくだけで、学生時代と大して変わらない関係が続いていた。 ここ1年くらいだ

          執着を手放してまた会えたらその時は

          無言で抱き合ったあの日の私達は青春そのものだった

          高校に入学して、同じクラスの女の子と仲良くなった。彼女は明るく人懐っこい性格で、アニメキャラクターみたいな可愛らしい声をしていた。その上男子ともよく話すので、ぶりっ子だとかなんとか言って、彼女をよく思わない女子もちらほらいたかもしれないが、その可愛い顔と声で時々ぼそっと毒を吐くところが、私は好きだった。 一緒に弁当を食べたり、休み時間にくだらない話をするようになったある日、彼女は私に「好きな人ができた」と告げた。その好きな人というのが、私と同じ中学出身だったので、彼は中学時

          無言で抱き合ったあの日の私達は青春そのものだった

          男性に"良い"チョコレートをあげるべからず

          バレンタインデーのチョコレートに関して思うところがある。 以前付き合っていた人に、地元で結構有名なショコラトリーのチョコレートをあげたことがある。確か4000円くらいだったと思う。とても美しくて美味しそうだったし、ラッピングもシンプルながらお洒落で、自分が欲しいくらいだった。 結構良いやつだったから一応、ここのお店のもので、味がいろいろあって、という説明をしておいた。 彼は普通に喜んでくれたし、普通に食べたと思う。 普通に。 自分があげたいものをあげたのだし、見返りを求め

          男性に"良い"チョコレートをあげるべからず