推薦図書

なんか、娘が私の推薦した本をちゃんと読んでくれている。不思議だ。不思議すぎる。漫画やアニメの目利きだけじゃなくて小説のほうも信頼されているのか。読み方が難しいけれどライトノベルでもなくSFでもなく冒険譚でもなくメイド物語でもなくミステリとして読むといいよ、と初めて長めの本を渡しました。これが面白くないともう何を読んでも面白くない。デビュー作で出し切ったようにみえてそれをあっさり超えるあたりてんさいすぎる。
ミステリとして読むべし、ということは、ここで何が起きたのかをパズルとして読み解くべし、という意味で、私は10年くらい前に3回読んでそのあとにも数回読んでいまだにわけわからない。誰がそれをしたのか、なぜそれをしたのか、どのようにそれをしたのか、そもそも何が起きたのか。わかったと思うけどわからない。天才すぎる。比喩として正しいのかわからないけれど、あらゆる展開が面白いパターンの道化師の蝶。93点。

75点以上が面白い基準だとして、74点以下を公然というのはよくないことなのでこのnoteでときおり発生する点数システムはまったく信頼できないものです。ひととしてやっぱり否定的な意見をいうのはよくない。

一方、とんでもなくデッサン力が高い作家がムズムズ系恋愛マンガを大手サイトでオンライン連載し始めて、ヒロインと主人公の男の子の二人しか登場人物がいないし彼らの進路も順調そのもので、アートとして必須の毒がなさすぎてこりゃだめだと思い、娘にはこの先生はたぶん美大を出ている人で人物のデッサンにものすごく自信がある人ですたとえばこのコマの指の描き方とか膝から足首までの描写とか、普通は描かないところまで正確と書いていて簡単に言うとものすごく絵がうまい。しかし残念ながらものすごく話がつまらない。たぶん人気がなくて打ち切りです、と伝えたところ、その後一年近くたって人気投票で上位にくいこみ続けてなんなら単行本が平積みにされていて、娘からはお父さんの言うことは信用ならん、と言われてしまったものです。ぜひとも名誉挽回したいものです。でも、つまらないものはつまらないんだ。たぶん、私の完成が少年少女いじゃないということがひとつ、そして打ち切り予想が外れたとしても面白くないものは面白くない。

面白いものは間違いなく面白い。

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