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「老眼」「頚椎障害」……スマホの持ち方見方で人生変わる!?

写真=せっかく買ったものの、意を決して使用をやめたハズキルーペの入ったケース。すっかりホコリをかぶっていた

視力が良くなり、同時に老眼が進む

 スマートフォンの見過ぎで「老眼」になっていませんか?

 かく言うワタシもそう。おそらく、若い人たちよりは全然見ていない(ゲームやらんから)だろうけど、それでも、なのである。

 そのせいで、スマホやパソコン画面、文庫本等の文字がぼやけて読みづらくなってしまい、「これじゃ仕事にならん!」と一念発起。自分にとっては高額な「ハズキルーペ」を購入し、くっきり鮮やかに見える文字に驚嘆するとともに、快適なスマホ&読書生活を送り始めたのだったが……。

 普段はコンタクトレンズ装着者。装着時の視力が「1.0」になるレンズを長年使用してきたが、ハズキルーペを外した際の“文字ぼやけ”が悪化していることに気づき、行きつけの眼科に相談した。すると、なんとコンタクトレンズ装着時視力が「1.5」になっていたのだった。どおりで遠くがよく見えるようになっていたわけだ。それはそれでありがたいのだが、ね……。

 というわけで、レンズの度数を視力1.0になるように落としてもらったら、スマホや文庫の文字がそれまでよりも見やすくなった。せっかく買った「ハズキルーペ」だけれども、使用しては元の木阿弥。泣く泣くホコリをかぶってもらうことにした。

「下目」になって、「上目遣い」ができない

「ハズキルーペに逃げない」ことを徹底し、同時に「スマホを見る姿勢」にも気をつけた。ボクシングの元世界3階級制覇チャンピオン、八重樫東さんを取材した際の言葉が、くっきりと頭に焼きついていたからだ。

「若い選手たちが、ボクシングの基本姿勢である『アゴを引いて上目遣いする』ことができなくなってるんです。スマホとか生活の中で、どうしてもアゴを上げて“下目”になってしまうことが多いからでしょう」

 各自「スマホを見る基本姿勢」を思い出してみてほしい。私の場合、ふと気づくと右手で胸前に持ち、下を見る形になっている。これがいちばん楽な見方だから。でも、時間が経つにしたがって首が痛くなる。そのせいで頭痛や肩痛まで起きてしまう。

 首がニワトリのように突き出ていて、自然と頭が前に出る。首の血行も悪くなっているのだろう。頚椎に何らかの不具合が起きていることは想像に難くない。

 そういえば、老眼はおろか、頚椎の障害が生じて眼科や整形外科が賑わっているとニュースで見た記憶がある。医師曰く、「スマートフォンが原因」とのことだった。

ほんの少しの工夫が人生を左右する

 首を真っ直ぐにして頭を立てる。背筋を伸ばし、胸を張る。スマホはガラケーに比べて重いから大変だが、なるべく真っ直ぐな目線上に持ってくる。そして、アゴを引き、上目遣いで目を大きく見開いて画面を見る。慣れるまでは辛いが、慣れてしまえば問題ない、はずだった。

 が、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」である。あれから約1年が経ったが、気がつくと、無意識に元の持ち方になっていた。「また文字がぼやけて見づらくなってる」と感じ、ようやく気づくという愚かさである。だが幸いなことに、パソコン画面の文字は、まだはっきりと読むことができる。まだ間に合う。

 先日、久しぶりに東京に出たときは驚いた。数ヵ月前に比べ、さらに「歩きスマホ」をする人が増えていた。いちばん驚いたのは老人のそれだ。
 彼らの姿勢は、完全にニワトリである。下を向いて歩くのだから当然だ。もちろん前も見ない。視野も狭く、自身だけでなく、周りの人にとって危険な物体と化している。1つもいいことがない。
 が、せめて姿勢を正した状態で、目線の先にスマホを持てば、視野も多少広がるし、自身の体への不具合も軽減され、いいことづくしとなる。いや、本当は「歩きスマホ」自体、非常によろしくないのだけれども。

 これからの時代を担う若い人たちに、特に警鐘を鳴らしたい。今は不具合が起きなくとも、それが積み重なれば、必ずいつか目やその他、体のどこかに不調が生じてしまうものだから。

 ほんの少し工夫をするかしないかで、自分の人生を左右してしまうようなことになったとしたら、それこそ本当にもったいない。悔やんでも悔やみきれない。だから、今のうちに、“癖づけ”ておいてほしい。

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