夏目漱石『草枕』の冒頭をデザイン思考に当てはめて会議で活かしてみる方法をブレイク取りながら考えてみた
すいません。ワンチャンの思いつきなので、長いタイトルです。
昨日、ミーティングでブレストをしていて、あ、これは話が行き詰まるな、と思ったので、一度、流れを止めたのですが、自分がどうしてそう思ったのかがよくわからなかったので、ちょっと考えてみました。
で、ちょっと思いついたのが、夏目漱石の『草枕』の冒頭の文章でした。世の中には冒頭部分がサイコーという小説はいくらもありますが、この冒頭は、日本冒頭文学大賞という賞があったらおそらく優勝に近いと思っているくらい尊敬している文章です。
この部分が、いわゆる知・情・意の話を扱っていて、とか、もっと敷衍するとカントの哲学思想になったりもするようです。
ですが、ここではそっちに深掘りしないで、これって、そもそも、どっかに偏らないでバランスをとった方がいいって話だよね、と思ったのです。
で、会議が非生産的になる話をしてそうだぞ、と思ったのです。
どういうことか?
一個一個、切り取って見ていきましょう。
智に働けば角が立つ
ここでいう「智」というのは「論理性」と考えます。つまり、理屈であり、正しさとか合理性とかを意味します。角が立つ、というのは、丸くない、ということですから、つまり、あまりロジカルにばかり話をしていると、話が丸く収まらないよ、という話になるかと。
これ、よく会社の会議とかでありがちだと思うんですが、誰もが当たり前と思うことを指摘している奴。いや、それはわかっているんだけどさ、ということが問題だったりするんですが、こういう会議は何が正しいんだ、という空理空論を繰り返した挙句に、結局、みんなやる気を失って、結論が次回に持ち越されたり、なんとしてでもなんとかするんだ、という根性論になったりするから不思議です。(当社調べ)
あまりロジカルな話が続くようなら、ちょっとブレイクした方がいいかもしれません。
情に棹させば流される
これは会社とかではあまりないかと思うんですが、もっとコミュニティに近いところではありそうかな。誰かの感情がその場に出て、それにみんなが同調したり反発したりというパターンですね。人間には共感性があるので、これをバスンと切って次の話、というのはなかなかやりにくいです。よくテレビの情報番組とかニュースで、アナウンサーが感情的な表現のコメントで締めくくったあと、次のニュースです、とかやりますが、あんな感じが理想なんですが、ほとんどサイコパスにも見えてしまいますね。悲惨な事件のあとに「次は明るいニュースです」とか言っているアナウンサーを見ると、こいつ、ロボットなのか?と思ってしまうのは、人間だもの。仕方ないですね。
で、「流される」です。会議でこれが支配してしまうと、結論も議論も流されたりしますが、最も流れるのは時間です。でも、それを止めるとサイコパス。人の世は住みにくいですね。
意地を通せば窮屈だ
これはわかりやすいんじゃないでしょうか。自分の意見にこだわる人がいるだけで、議論は狭く狭くなっていきます。とっても窮屈で、その場を離れたいなー、広いところに行きたいなーって気分になります。ややこしいのは、その自分の意見にこだわっている人は、自分は客観性を持っていると勘違いしてしまっている場合。で、だいたいにおいて、その方の知っている情報や見えている世界では正しい、という場合が多くて、その人の言っていることを否定することもできないし、さりとて、いや、もっと広く物事見ようよ、という気持ちも出てきてしまい、その方がこだわればこだわるほど、話が進まない。なにしろ、限定された条件の中で話をしているんですから、そりゃ話が広がらないわけで、そうなると、窮屈な話になってしまいますよね。
とまあ、3つのパターンを見ていて、これはいわゆるデザイン思考の話に近いのかもな―と思ったのでした。草枕の冒頭のくだり、続きを読んでみましょう。
いや、素晴らしいんじゃないでしょうか。
そういう風に議論が煮詰まったときはどうすればいいか。絵を描け、歌を歌え、詩を諳んじろ、と言っています。
これって正しくて、我々は何を話しているのかを可視化するのが絵ですし、流れを繰り返すのが歌です。議事録もそうですが、言葉化して全体を眺めるのが詩です。
空気のように消える言葉で議論していると、人の世の生きにくさに捉われてしまい、脱出できなくなる。そうときこそ、アートを活用しろ、と言っていまして、これって今風に言うと、デザイン思考というのかなぁ、と思ったので、タイトルに入れてみました。
ということで、バレンタインなのでキットカットをちりばめてみましたが、決して案件などではございません。でもまあ、会議が煮詰まってきたと感じたら、ブレイクを取るのも、実はとっても良い方法かと思います。
うまくオチがついたところで、現場からは以上です。
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