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数字だけでなくストーリーも伝えるIR部門のコンテンツ活用戦略

広報・マーケティングに関わるチームが主に商品・サービスの購入者に向けて情報発信を行ってきたのと同様、IR(投資家向けの広報活動)も、企業にとってとても重要な情報発信活動になります。これまでIRの主な活動は投資家向けのリアルイベント開催や個別の機関投資家に向けた説明会が中心でしたが、WEBを活用した情報発信にはまだ積極的とは言えません。このデジタル戦略を高めることで、IRが次のステージにシフトすると言われています。


IRとファンマーケティング

従来IRのWEB活用と言えば、オフィシャルサイトや金融庁のEDINETなどにおける有価証券報告書など、財務状況など事実関係の公開にとどまっていました。しかし現在では、自社のパーパス(存在意義)や社会課題に関する貢献などをIR情報として積極的に発信し、個人も含めた投資家に「自社のファンになってもらう」アプローチが注目されています。

広報・マーケティングとの連携

しかし、これまでの活動から、IRが自社のパーパスや社会貢献について積極的にWEB発信を行い、個人も含めた投資家に「自社のファンになってもらう」意識を持つ企業は、まだ多くありません。

しかし、個人を中心に株式の購入とは、投資や資産形成の観点だけでなく、「企業応援」の視点を含んでおり、単なる利益や株主優待といった物理的なメリットにとどまらない「メンタリティ」が存在します。そのため、新しいIRとしての情報発信を模索するとき、ファンマーケティングを行ってきた広報・マーケティングチームとの連携は欠かせません。

IRコンテンツの種類

では、IRコンテンツとしてどのようなネタが妥当なのでしょうか。ずばり、これは広報・マーケティング向けコンテンツの転用が大きな意味を持ちます。新しく展開している商品群が生活者に受け入れられ好調を示しているのなら、その最新版が販売されたり、海外に進出したというニュースや、今後の展開に関するトップメッセージは、株主にとっても「買い」の情報になります。こうした情報を経営企画や広報・マーケティングと連携してIR情報として発信していくのです。ただ、定性的な情報だけでは説得力に欠けますので、数値を用いてビジュアルに訴えかけるインフォグラフィック的なアプローチが有効でしょう。

まとめ

IR部門は、適切なコンテンツ戦略を活用することで、株主との信頼を築り、企業の成長に寄与できる存在です。経営企画や広報・マーケティングとの連絡会議的な持続性のある仕組みを社内につくり、戦略的なコンテンツを継続的に発信することが、投資家とのリレーションシップをさらに高めていくことにつながり、企業価値を高めていきます。

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