HEMBP / ヘン

エッセーです。気軽に読んでいただけたら、うれしいです。

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マガジン

  • 子育てエッセー

    子育てのエッセー作品をまとめました。高校生から保育園児まで5人の子どもたちとのエピソードです。

  • 障害のある方を支援する仕事

    障害者福祉という仕事をする中での、エピソード、楽しいこと、やってて良かったと感じたことなどをまとめています。

最近の記事

「『ダメ』はダメ!」

3歳児のわかりやすいせりふ 「『ダメ』はダメ!」 お兄ちゃんに「そっち行っちゃダメだよ」と言われて反論した言葉。 僕の行動をダメって言っちゃダメだよということ。シンプルかつストレート。たった5文字で言いたいことを表現した。 そう告げると、ダダダーッと走り去っていった。 お兄ちゃんにヒョイッと抱えられ、連れ戻されたが…。

    • 「お兄ちゃん、全部の怪我してるから、めっちゃ痛いよ」

      5歳児のわかりやすいせりふ 「お兄ちゃん、全部の怪我してるから、めっちゃ痛いよ」 自転車で転んでしまったお兄ちゃんの傷をあらわした言葉。 ぶつけてしまった部分が、 「だってほら、あざになってるし、擦り傷もあるし、血もすこし出てるでしょ」 で全部の怪我してると表現した。 傷を観ると、 あざになっている。 擦り傷もある。 血もすこし出ている。

      • 正しく、その通りではあるんだけど、言葉ちょっとキツめ長女

        コロナ明け直後。クラスでただ1人マスクを外している長女(中3)。5人きょうだいの長子。 私 「クラスで浮いてない?」 心配してきいた。 長女 「知らない。そもそも浮いてる人って、自分が浮いてるって気づいてんの?」 私 「気づいてないと思う」 長女 「じゃあ、その質問、意味ある?」 私 「ないと思う」 長子の強さに頼もしさすらも感じています。 実際、頼りになります。 高校生活も楽しそうです。 余計な心配をしてしまいました。

        • 男の腹筋は死ぬまで割れていなければならない〜自宅トレ編〜

          『男の腹筋は死ぬまで割れていなければならない』と思って、30年来、自宅トレに勤しんでいます。 毎日のように自宅トレをしていますが、飽きっぽい性格もあり、内容はコロコロと変化させています。だいたい3ヶ月〜半年くらいの周期で、トレーニング内容は変わります。 トレーニング内容と効果についてまとめてみたいと思います。 効果については、周りからの評価を基準にしてまとめます。 どんなトレーニングをしている時に、他者からどんな言葉をかけられたかを書きたいと思います。 ●種目 ①

        「『ダメ』はダメ!」

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        • 子育てエッセー
          8本
        • 障害のある方を支援する仕事
          4本

        記事

          障害者を支援する仕事③〜「私はあなたの味方です」でトラブル回避〜

          障害のある方が仕事をする、福祉施設です。 職員一人につき、3〜5人くらいの利用者さんの生活担当を受け持ちます。 障害のある方の支援では、利用者さんのご家族の理解や協力が不可欠なのですが 職員によっては、トラブルになってしまう人もいます。 ひとつ例をあげます。利用者さん同士のアクシデントがあったときのことです。 『□□で、〇〇さんと、☓☓だったんです』と伝えると ご家庭からは『□□で〇〇さんと、△△だったんじゃないですか』と返事が返ってきました。家では、そう言ってまし

          障害者を支援する仕事③〜「私はあなたの味方です」でトラブル回避〜

          放置ウンコ。

          毎朝、走る。 健康のために。 でもちょっとだけストレスもたまる。 犬の、放置ウンコに。 ほんの数kmの間に 5個から10個くらいの 放置ウンコがある。 毎朝。 ほとんどの方は 持ち帰っている とは思うのだが、 少なくない飼い主が 放置されているのは 事実ということだ。 犬を飼った (犬は家族だ という方もおられるが 題材が放置ウンコなので 飼うと表現する) ことはないが その心理を考えてみた。 早朝、 はたまた、深夜。 誰にも気付かれないから ウンコを放置するのか?

          放置ウンコ。

          障害者を支援する仕事②〜運転中のやりとり〜

          下請けの仕事でできあがったものを納品するため、車を運転していました。後部座席に自閉症の方が乗っていました。 信号をみて 「青だ」 と利用者さん アクセルを踏み込む。いや赤だ。すぐ急ブレーキ。 「あぶな〜い!」 と利用者さん 『貴様が青だと言ったんたんだろうが』と私の心の声。 帰りの時間に間に合わなそうと思ったのか?ただただ、早く戻りたかったのか? 利用者さん「青ぉ」 私「いや赤ですから」 利用者さん「しゅっぱつ〜」 私「いや、まだ、赤ですから」 私「

          障害者を支援する仕事②〜運転中のやりとり〜

          トミカ合戦

          息子(当時3歳)が川崎病で入院した。 柵で完全に覆われた子ども用のベッド。 外からカギをかけられ、出ることはできない。 点滴の自己抜去を予防するために、両手は指の先まで完全にギプスのようなもので覆われた状態になっている。 当時、コロナ禍ということもあり、面会できるのは1日に2時間だけ。同室には、同じ川崎病の子どもたちが6人いた。 ベッド内で遊ぶための好きなおもちゃは持ち込んでOK。 車に興味がある息子。トミカのおもちゃを集めていた。 お出かけのお供には、必ずお気

          トミカ合戦

          中村のババァ

          我が家で学会の座談会(と言ってもただのおしゃべり会)が度々開催されたのは、私が小学生の頃だ。 その席で、私が『中村のババァ』と呼んでいたババァが、私の身体を弄ってきやがるのだ。毎回。 「若い人はいいねぇ」と、ふともものあたりから裏を回って、付け根のあたりに向かって撫で回してくる。 母親から朝、「今日、座談会だから」と言われると、げぇっと思ったのを覚えている。 また触られんのかぁ。授業が進むに連れて、下校するのが憂鬱になるのを感じた。 帰宅すると、「みなさんにあいさつ

          中村のババァ

          自治会。

          自治会の担当が回ってきた。任期は2年間。 11班まであり、2名ずつ参加するため計22名。会長、副会長、書記2名、会計2名の役員を決める。 人付き合いが、『好きではないし苦手』という妻。 一方、人付き合いが、『好きではないが苦手ということではない』という私。 適性判定、 妻、マイナス2ポイント 私、マイナス1ポイント 私が参加することが当たり前であるかのように、いつの間にか妻の中で決まっていた。 やってしまった。言葉選びのミス。『好きではないし、苦手で、お腹が痛

          蚊がブンブン飛んでるな

          父がおもむろに、パチン、パチンと自分の腕を叩いた。 「かゆいな、蚊がぶんぶん飛んでるな」パチン、パチン。「あ〜かゆい」 テーブルに置きっぱなしになっていた私の通知表を見たらしい。 学校の成績が『優・良・可・不可』で評価されていたのだが、私の成績は『可』が多かったのだ。不可ではないが単位が取れるギリギリのライン。 それで、『蚊(可)がいっぱい飛んでるな』と言い出したのだ。なんと嫌味ったらしい。 私の性格がねじ曲がっているとしたら父のせいだ。

          蚊がブンブン飛んでるな

          第10回「珈琲のある風景」エッセイコンテスト 金賞〜好きなことで評価をもらう〜

          珈琲倶楽部船倉様が主催する『珈琲のある風景エッセイコンテスト2018』に応募した。応募総数1,086作品の中から金賞に選ばれた。たまらなく美味しい珈琲と賞金もいただいた。 タイトルは 『たまらなく可愛い笑顔』 子どもとのエピソードを書きました。 学生の頃にいただいた、わたしの作文にたいする評価。 「とてもていねいで、きれいに、まとめられています。文章の力はあると思います。だけどこれといったものは感じられません。何か一つでも読者の心に響くものがあるといいと思います」

          第10回「珈琲のある風景」エッセイコンテスト 金賞〜好きなことで評価をもらう〜

          障害者を支援する仕事 プロローグ〜チャンスは一回、笑顔で乗りきる実習面接〜

          わたしは仕事を探していました。 障害者を支援する仕事をしたいと思いました。 ありませんでした。応募条件を満たせる求人は。 経験のある方、福祉の勉強をしてきた方、障害者ボランティアをしていた方。 学歴なし、経験なし、ボランティアもしたことない私。 間口の狭い業界だったのです。経験ないとダメって言われたら、経験できないじゃないか。と思いました。 妻のお腹には子どもがいる。ボランティア(無収入)からやってる場合じゃないし。 と思っていたら、1件だけ、未経験者OKの求人

          障害者を支援する仕事 プロローグ〜チャンスは一回、笑顔で乗りきる実習面接〜

          障害者を支援する仕事①〜はじめに〜

          二つの世界大戦の谷間の大恐慌。多くの人が仕事を失い、自分をも見失っていた。 そんな時代を経て、『組織において仲間と同じ目的に向かって仕事をし自己実現をはたすための方法論』として、ドラッカーのマネジメントが生み出されたと私は解釈している。 社会・会社・家族など、何かしらの組織なくして貢献などない。 仕事なくして自己実現などありえないと。 そして、 特別支援学校(養護学校)を卒業後。就職も進学も困難な重い障害のある方が、自分を表現する場を失っていた。 重い障害を抱えて

          障害者を支援する仕事①〜はじめに〜

          とにかくやってみる 〜快適な一人暮らしの経験より〜

          学生の頃、一人暮らしをしていました。当時、一人暮らしをするにあたって、特別なこだわりがあったわけではありません。 今の生活と比べながら当時を振り返って考えてみると、けっこう快適な生活をしていたんじゃないかなぁと思います(当時は「もっと良い生活がしたいんだオレは」と言っていましたが…)。 今よりも若い頃、生活のスキルや知識、経験もなく、『生活には◯◯が必要』ということにとらわれなかったことが逆に良かったのではないかと思います。 洗濯機はありませんでした。代わりに百均で買っ

          とにかくやってみる 〜快適な一人暮らしの経験より〜

          ぜったいに、笑ってはいけない

          妻の父方のおじいちゃんが亡くなった。 妻の父は、すでに亡くなっている。妻の母は、再婚している。 私にとっては微妙な距離感にある方、が亡くなったのだ。 子どもたちを含め、家族みんな葬儀に呼んでいただいた。 ご遺体は自宅にいらっしゃり、親戚一同が手を合わせている。 そんな折、 息子(小1)が下を向き、苦しそうにヒューヒュー言っている。 「大丈夫?」と私。 息子は下を向いたまま、うなずく。 なおも悶え苦しんでいる。 このまま倒れ込んでしまいそうだ。 心配になる

          ぜったいに、笑ってはいけない