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鱸の刺身

土曜日の午前中に、能登町で仕事があり朝6時に家を出る。8時に現地について4時間仕事。お昼前に仕事が終わり、せっかく能登まで来たので、晩御飯のおかずに刺身を買って帰ることにした。

輪島、珠洲、能登町、穴水、奥能登出身の人たちは、金沢のお刺身はあまりおいしくないと言う。勝手な想像だが、奥能登ではとれた魚はその日のうちにスーパーに並ぶのではないのだろうか。金沢では、金沢港で水揚げされる魚種も限られるし、能登の魚は多分1日遅れくらいで店頭に並ぶのかもしれない。

宇出津のスーパーの鮮魚売り場には、鯛、トビウオ、カワハギ、鯵、鯛、ゲンゲがそのままの形で並ぶ。金沢のスーパーではトビウオはあまり見かけない。私はの実家のある加賀市の海沿いの村では、かつては地引き網漁をやっていて、とれた魚は地引き網に参加した世帯に平等に分配されたもんだ。夏場はトビウオがたくさんとれたので、母がそれを刺身か塩焼きにしてくれた。刺身は小骨が多くて子供には食べ難くいので嫌いだったが、塩焼きはサッパリとしてうまかった記憶がある。

ゲンゲは富山湾で獲れる深海魚で、体の表面がゼラチン質のヌメヌメしたものでおおわれていて、煮魚で食べる。母がゲンゲが苦手だったこともあり、私は食べたことがない。

丸のままの魚を買って自分で捌くのも楽しいのだが、今日は簡単に柵になった刺身を買うことにした。残念ながら「宇出津港直送」とラベルが貼ってあるのは、スズキとフクラギだけ。フクラギというのは、ブリの子供。体長30から50センチくらいのものを、石川県ではフクラギという。石川県ではブリは小さいほうから、コゾクラ→フクラギ→ガンド→ブリと呼ぶことになっている。小さい分脂が少なくサッパリしてい流ので、夏場はガンドやブリよりもフクラギのほうが私は好きだ。妻には晩御飯用の刺身を買って帰るからと、保冷ボックス持参で出かけたこともあり、スズキとフクラギの両方とも購入。それと能登町の酒蔵、数馬酒造の能登純米というお酒の四合瓶も購入。

家に到着したのが、午後4時過ぎ。早速、刺身にする。

スズキはキュウリの千切りをツマに盛りつけてみた。白身の魚は身がコリコリと歯ごたえがあるので削ぎ切りがよかろうと思い、柳刃包丁をあててみたものの、削ぎ切りの正しいやり方がわからない。頭の方から切るべきなのか、尾の方から切るべきなのか、皮があった方を下にすべきなのか、上にすべきなのか。よくわからなかったが、ネットで調べるのも面倒だったので、たまたままな板に置いた位置がそうなっただけなのだが、皮目を下にして、頭の方から削ぎ切りにした。

スズキは美味しかった。あっさりした中にも魚の旨味がしっかりあって。確かに夏にキリッと冷やし日本酒によくあう。買ってきた能登純米を三合も飲んでしまった。

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