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子育ては夫育ても兼ねている。

 子供が夫に注意されている。宿題やろうよ。二度注意して三度目だと仕方ないね。すでに言い訳も無効。自業自得を学ぶのだから。どうぞ、次に活かして下さいね。

 ずいぶん成長したものだと思う。

 勿論、"夫が"である。

 マイペースで少し天然の性格で、明るくユニークなタイプだから一緒に居るのは楽しい。感情起伏も穏やかだし家庭的で行動力もある。個人としては満点。しかし、結婚をして共に暮らすとなると、『雑さも味だよね』みたいな感覚は薄れ、気になることがさらに気になる。もっと"父親として"しっかりして欲しいと思ってしまう。イクメン?知らねー育児を手伝うというスタンスじゃなくて、二人の子供なんだから、"共に責任と義務を負おうぜ!"と面白く楽しくみたいな逃げ場も与えつつ、自分にも与えて、褒めて育てる叱らない教育方針って言うのも聞くけど、やっぱり、ダメなものは駄目だとボーダーラインを設定し、超えたら容赦なく人生の先輩として注意し指導する親と言う役者を演じなくてはね。しっかりしていないと子供が苦しいから。当然、教育方針なるものは同じ方向を向き合って、手探りでもいい、世間の常識は右から左に受け流す程度に聞いて、押したり引いたりしたとしても子供から逃げなければOK。

 年上の70代の友人に話してみたら、彼女はソーサーからカップを持ちコーヒーを一口飲んでから、「そりゃ大変、アナタ、育ててみたら?夫も子供と同じでね、具体的に見せて伝えて教育するのよ」

 「夫を教育?…ですか……」

 「そう、男の人はね、女のようには親に順応出来ないから、時間を掛けて丹念に育てるのが大切なの。あ、褒めて育てるのよ。ありがとうって言葉に出して。私も、いろいろあったけど40年……一緒に暮らしてるわね。今じゃ、外出先から『スーパー寄るけど何か必要なものがあるか?』って携帯にメールを送って来るくらい」

 「出来るかなあ…」

 「出来るわよ。女は無限の可能性を秘めてる。ダブルタスクも熟るし、固定観念を打ち破る感覚を持ち合わせているから、雁字搦めにもなり難い。母性本能が無いと言ってた人が母親になったんだから、踏ん張り所よ」

 「また頑張るの嫌だなあ…」

 「なに弱音吐いてるの?決めて進むだけ。それに、アナタのご主人、素直で可愛いわよ。ふふ」

 「そうですか…?」

 大きな収穫は期待せず、より良いQOLの為にチャレンジしてみるのもいいかも?そんなことを脳裏に浮かべた、あの日。

 家事全般、ゴミ捨て、買物、料理、学生時代から一人暮らしをして来たベースもあったのか、褒めて育てて順応した夫。義務感を押し付けるより、家庭の暮らしの循環を滞りなくする為に、当たり前に当たり前のことをしているという状況になれば苦にもならない。

 なんだかんだで、 気づけば15年。

 子供達は、父親が大好きに育っている。

 夫は、名の通り、父親となったと思う。

 これで充分。

 親は親。子は子。人生は続く。

 厳しい口調で正当な批判をしても、人間は否定して聞く耳を持たなくなるし、間違いや失敗をお互い様だと受け取る優しさを持っていたい。本気でぶつかり関わるけど、自分側の正義を押し付けたりしないで、個々の違いをどう擦り合わせて行くのかを考えて加減を探る。自分の親は反面教師になるものだと学ぶ。コツコツと構築して来たものをぶっ壊すんじゃなく、補修や掃除しながら磨き続けるのも良いものだと感じる。
さらに子育てにも活かします。

 継続は力なり。

 世界平和は、まず家庭から。(宗教ではありません)

 何より、子育て→夫育て→一番自分が育つという結論。傲慢や怠慢にならないように自分に目を光らせる。

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 友人にリアルに似ている。本人には言えないけど🤣

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