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#02 将来の不安

さて、新しい生活が始まり1年ほどが経過。アルバイトにも少しずつ慣れ、借金を返しながら自営業も頑張っていた。
44歳になった私にとって立ち仕事は、楽しいけれど体がきつい。足腰にいくつも湿布を貼る毎日。背中にも貼りたいのに、一人暮らしだと、どうやったってきれいに貼れない。剥がすにも剥がしづらい。あれは、何か開発したら、きっとバカ売れすると思う。

まぁ、そんなわけで、毎日忙しく楽しく働いていた2020年、コロナの流行がはじまった。

事業の方は、引き続き仕事をもらえていたけれど、緊急事態宣言が発令されて、バイトは1ヶ月半ほど休業になった。しかしありがたいことに、通常勤務の6割の給料が支払われることになって本当に助かった。

最初の1週間は家から一歩も出ない生活をしていたが、さすがに息苦しくなり、近所を散歩するようになった。近くに住む同い年のお友達Mちゃんと久しぶりに再会し、一緒にウォーキングをすることに。
普段誰もいない公園は、びっくりするくらいの人だかりで、祭りでもあるのか?というほどだ。「みんな、行くとこないんだねー」そう言って人間ウォッチングをしながら、私たちはいろんな話をした。

いろいろ話しているうちに、将来の話になった。自分の老後のことなんて考えてもいなかった。44歳ということは、あと16年もしたら60歳だ。老後なんてずっと先だと思っていたのに、もうすぐそこだったことに驚いた。

Mちゃんは、会社員の旦那さんと結婚して長く、この先もずっと一緒にいるのだから、将来的な不安は私に比べてずっと低い。厚生年金もあるし、旦那さんの退職金も出るだろうし、なんなら不動産も持っていて、家賃収入も得ているという。それでも、将来何があるかわからないと、多少の不安を抱いていた。

その点私はどうだ。貯金どころか借金返済中だし、結婚していた間は金銭的余裕がなさ過ぎて、自分の国民年金を払えなかった。全額免除されている期間もあるけれど、一部免除期間の一部すら払えていないのだ。そんな訳で、ねんきん定期便によると将来支給される予定年金額は月額にして3万円ほどだった。

月3万円で、どうやって生活しろと?いや、自業自得なんだけど。急に不安になった。もうすぐそこにある自分の老後がとても恐ろしくなった。

それから私は、本やYouTubeなどでいろいろな勉強を始めた。まずはお金のこと。このペースで返済すると、いつ返済が終わるのか。将来自分の生活にいくら必要なのか。調べれば調べるほど、自分の将来が真っ暗だということがわかる。これはヤバイ・・・はじめて、自分の金銭感覚がズブズブだということに気がついた。そりゃ、経営もうまくいくわけがない。

今まで、そういう深いことを考えずに生きて来れたのは、いつも誰かに助けてもらってきたからだ。特に両親にはとてもよくしてもらった。普通の会社員だった父は40代で独立し会社を経営していて、おそらく事業にも波があっただろうに、私たち家族が困らないように、毎日遅くまでよく働いていた。そんな苦労も知らず、学生時代はあれこれとお小遣いをもらい、困った時はいつも助けてもらった。決して裕福な家庭ではなかったけれど、親というものは無限にお金を持っている物だと錯覚していたのかもしれない。結婚してからは、両親に心配をかけたくなくて、できるだけ頼らないようにしていたけれど、心のどこかでは、最終的には親に頼れば良いという気持ちが少なからずあったと思う。
だけど、自分の老後となるともう親には頼れないし、子供も居ない私は、本当に自分で生きていかなければいけない。至極当然の話。

日本にはセーフティネットがあって、衣食住が守られてるっていうけど、私は老後、本当に笑って幸せに生きているだろうか。

底知れぬ不安に押しつぶされそうになった私は、とりあえず、借金は早く返そう。と、コロナ休業が開けると、バイトにたくさん入り、事業も頑張って、とにかく働いて働いて、働いた。そうして45歳を迎える。


ーお金の勉強で参考にしたYouTube&書籍ー


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ビリオバ


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