工房Zuku始動🎶

２年ぶりのギャラリー。

時間があっても、気力を出すのが難しかった。やる事はわかっていても、手が動かなかった。

でも、やっぱり、仕事をするのは楽しい。あれこれ段取りするのはワクワクする。

これまでは、イベントが近くなると、あと2週間あったら…せめて1週間…と必ず思っていたのが、今回は、まだ1週間ある、と思えたことに驚いた。

巣篭もり中に、色々仕切り直しができた。こんなこともそのうちの一つかも知れない。これからは仕事に前のめりにならないようにしよう。日々の暮らしとのバランスが大事。意識せずとも、自動変換されていることに気づく。

搬入の日。さあ準備を始めようと思っていると、ドアにノック。開けると大工をしている若い友人が立っていた。午後の仕事がキャンセルになり、今頃は準備で在廊しているかと寄ってみたと言う。

ギャラリーには毎回、一家で家から一時間の道を歩いて来てくれている。荷物を拡げながら近況を聞かせてもらう。奥さんや娘さん達の様子。仕事のこと。同級生の消息。奥さんのお母さんが最近亡くなったこと。家族だけの葬儀で、自分でも思いがけず、号泣してしまったと。

出会った時の彼は10代。腕の良い職人になり、もうすぐ50代になる。

「ずっと連絡がなかったから、具合でも悪いのかと思ってましたよ。」良いところに来てくれた、とテーブルの移動やラックの組み立てに手を貸してもらった。

苦労の多かった子供時代を経て、いい家族を築いてきたんだな、いい話しを聞かせてもらったな、と本当に嬉しかった。「大泣きして見送るなんて、お義母さんにいい供養ができたね。」

初日。いつも初日に来てくださるお洒落な姉妹が1番に来廊。お久しぶりー！離れたままでハグをする。「ずっと案内がないからどうしちゃったんだろうと思っていたの。」いやあ、あんな状況でお出掛けくださいなんてお誘いできないですよ。自粛生活に服なんていらないし。

今日もステキな着こなしですね。「これ、ずくさんですよ。」えっ！こんなんいつ作ったっけ。…あの布がこんな風に育つんだ。作り手が忘れても着ていてくれてありがとう！

来てくれた友人達と久々のお喋りが楽しかった。陽気に誘われて散策やお参りの人達も立ち寄ってくださった。

楽譜を入れるのに丁度いいと、斜め掛けバッグをお買い上げくださったチェリストの方は、夭折のジャクリーヌ・デュ・プレの話などしていかれた。うちにもその名のバラがありますよ。「そうなんですか！」対面ならでは出来るやり取り。

最終日、大家さん心尽しの焼きおにぎり弁当🎶いいお味♪程よい量♬ご馳走さまでした。

かの国の凄惨なニュースが、日を追っても収束に向けて進展しない状況に憤りながらも、手元に集中することがあるのは救いだった。

ホロドモールの悲劇等、数多の理不尽に耐えてきた国の歴史を知れば、今、祖国を守るために死を賭して結束する人々の心情が理解できる。「奴隷になるくらいなら死んだ方がまし。」何という歴史を重ねてこられたのか。

世界中が目の当たりにしながら、止められない狼藉。見えない所で起きているだろう更なる惨劇。憤りが更に増す。

「私たちが何か悪いことしましたか？」キーウ近郊の瓦礫になった町に佇む高齢の女性。世界中があなた達の味方です。

まずは自分の足元を固めること。かの国で起きていることをしっかり見ておくこと。そうして、できることを考えていこうと思う。