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黒川の手帳

(どっかで書いたやつシリーズ)

黒川は38歳の営業マン。
いつも常に2冊の手帳を持ち歩いている。1つは商談に使うための仕事用。もう1つはプライベートのスケジュール用。
この手帳には、誰にも見せることのできない愛人J子との日々の愛の秘め事が赤裸々に綴られていた。

ある日、黒川はいつものようにJ子に電話をした後、そのまま電話ボックスにこの手帳を置き忘れてしまった。
すぐに気づき、電話ボックスに戻る黒川。
良かった。無事置いてある。
安堵の表情を見せたのも束の間、黒川の顔からは大量の汗が噴出した。襟を立てたトレンチコートの色がみるみる変わっていく。もともと汗かきではあったが、真冬にこれだけの汗をかいているのは誰がみても異様な光景だった。

そこに在ったのは手帳のカバーのみで、中身がすっぽり消えている。何処にも見当たらないのだ。黒川は焦った。
こんなに狼狽したのはいつぶりだろう。いや、堂々と生きてきた私の人生にはこんなことは一度も無かった筈だ。
もしもあれを見られたら、あれが会社内での敵対派閥の手に渡ったら・・私はもう終わりだ。懸命に根回ししてきて、やっと手に入れた若妻(社長の娘)との生活も全て終わってしまう・・。
 
しかし、手帳を拾ったのは彼が若い頃、無茶な訪問販売で高額な羽毛布団を売りつけ、そのおかげで最終的に一家離散を余儀なくされた、彼に強く憎悪の念を抱く家政婦(市原悦子)だったのだ・・。

(黒川の手帳第ニ話へ続く)

というような小説が当時日本であったかどうかは定かではないが、、キャラクターとして「カフェインの女王」もそのうち登場してもいいですね。
ふざけすぎた。

「カフェインの女王」アナログリリースまで
残り92日。


CHICK-D feat.椎名純平「カフェインの女王」
ご試聴はこちら(ジャケットは仮です)

<次号予告>
とびっっきりの夏にしようね!
J子は俺に向かってそう叫んだ。
う、うん・・。うつむく黒川。
遂に明かされるJ子の出生の秘密とは?
次第に繋がっていく点と線!
そして黒川の心の闇を少しずつJ子が溶かしてゆく・・。
次回!いよいよクライマックス!
「獄中出産」 お楽しみに!!


ありがとうございます涙