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腎移植1ヵ月前のカウントダウン



ママのドナーとして生体腎移植を決意してから、ドナーやレシピエントとしての検査入院も終了。

ようやく移植手術が決定しました。

予定通りいけば腎移植まで残された期間は丸1ヵ月。手術まで1ヵ月に迫ったちょうど2年前の21年10月31日の日記を書き起こしています。


その前のドナー決定前の紆余曲折です↓



生体腎移植の検査結果


この残り1ヵ月をどう過ごすのか?初めての手術と、個人的にも全身麻酔への不安など、ちょっと複雑な心境まで記録として残しておこうと思います。


長年の糖尿病の悪化から、ついには透析となったママの壮絶な苦しみから解放させる為の唯一の方法と手段として選んだ腎移植。

移植を目指して様々な通院や入院で必要な検査を経て、ようやく今月上旬に正式に生体腎移植が可能との結果が出ました。


検査結果前は、これでダメならもう終わり(ママの透析3年の合併症が年々酷い事)から命の期限が迫っている事は明らかでした。

だから絶対にドナーとして移植が可能な、体調であるよう出来うる限りの注意を払い生活を送りました。



私自身、丸5日間の検査入院の結果で、注意され薬が処方されたのは貧血が酷いとのこと。

恐ろしく不味く飲むと気持ちが悪くなる貧血の錠剤を1ヵ月分処方されます。


食生活も意識して貧血解消に良いとされるレバーやヒジキ、チョコ等を食べて貧血の数値は完璧に正常値に改善。



問題はママの体調、と心配していましたがそれも何とかクリア。


この数カ月の移植に向けた家族での目標が、ついに到達できた形となりました。

もちろんこの結果には満足しています。

心から良かったという気持ちに嘘はなく、冗談でも移植が叶わなかった時のママの絶望を考えたら、どうしようと思うくらいで結果には心底満足しています。



達成感と想定外な心境


ただ目標達成と言う満足感はあるものの、今までぼんやりだった移植が妙にリアルな事実として今更ながら恐ろしいなと言う感情も、沸々と湧いたりして意外にも複雑な心境に。


手術前の説明でもらった手術切開予定図

ドナーとして私の腎臓を取り出す手術には、腹腔鏡で③で約1㎝の切開を3ヵ所に入れて、そのうちの2つを繋いで①~②開腹(約7㎝)して腎臓を取り出します。

昔にように大きな開腹手術ではないものの、やっぱり身体を切開するという事実に恐怖心が無いというと嘘になります。


当然麻酔も初体験の全身麻酔で、手術時間の予定平均は、何と想定外に5~6時間。


そんなに長時間かかるのかと言う事実と、全身麻酔への恐怖が今更ながら頭をチラホラよぎります。



ただそうした不安を家族に吐露するのも憚る雰囲気で、こうした私自身の心境とは裏腹にママは超前向きそうなのが更に複雑な気分(;'∀')


当たり前ですが今の苦しい透析生活から解放されたい。



どうも移植できると検査結果を聞いた時の気持ちのまま嬉しい。



とは思いつつ自らの疾患の為に身体を切るのでは無くママの為の犠牲になる感じが今になって悶々とした感情が浮上。



正直ドナーの私が得られるメリットはママを透析から解放させて延命させるのみ。

当然それを望んでドナーに立候補したもののやはりセコイ思考が浮上。



そうした状況の中、母の姉弟がチラホラ連絡をよこし今回の移植の結果を聞く為の興味本位の電話がある度に、ムカついてムカついて仕方なかったりしています。(心が狭いです)

「お前らもドナー候補やったのに」


私より年寄りで散々ママに金せびりまくって、土壇場で嘘でも立候補しなかった叔父叔母に笑って対応できるほど私も優しくありません。(むしろ軽蔑してます)



心変わりの色々


ドナーとして今回の母のような年齢で移植を、しようとなった時、やはり夫や姉弟からのドナー候補が多いらしいのですが、途中で気が変わりドナーである姉弟らと揉めて移植がお流れになるケースも少なくないそうです。


みな良い根性してますね。気持ちは分からなくも無いけどいい歳して土壇場でキャンセルってすげーなオイって感じです。


中にはドナーになるから生活を助けて欲しい、などお金で揉めるケースもあり移植の為に検査までしても途中で手術まで到達しないケースは少なくないそうです、血を分けた姉弟でもです。


これを聞いていた私は当初は、へぇ~と他人事に聞いていたものの今(手術1ヵ月前)になって思う事。



何か分かるぞ!


悲しいかなリアルに分かるよ!と言う気持ちなのです。


それにママの残り少ないだろう人生を透析から解放させてあげたい気持ちに嘘はないので、ここは自分自身でスルーして予定通り行うつもりです。(当たり前)


ただ複雑な心境なのも確か。思ったよりハイリスクな
気しかしないこの移植1ヵ月前をどう過ごそうか…





私史上最大のリスク


AUの宣伝を想いうかべながら「リスクのないのが最大のリスクだ!」
あのCMを頭の中でグルグルリピートしながら(冗談抜きでマジです)移植への決意は一切揺らいでおりません。



だけど万が一があるかもしれないという気持ちにも変わりもない。



私が思う万が一とは

1:全身麻酔で死ぬ

2:排尿障害が残る

3:リンパ浮腫になる

4:将来透析患者になる

1:全身麻酔で死ぬ=これは美容整形での豊胸や脂肪吸引など全身麻酔が必要な施術で亡くなる人がニュースで昔から一定数いる。


2:排尿障害=腎臓移植と言うと腎臓だけ摘出するのではなく腎臓は2つある内の1つを摘出し、当然末期腎不全で2つの腎臓が機能しない状態の母には排尿を施す為、排尿官も取り出し同時に移植するようです。

このため取り出された私の手術の予後によっては排尿障害が起きる可能性があるのでは?と可能性として考えてしまう。


3:リンパ浮腫=鼠径部からの開腹手術の為、鼠径部上になる下腹部切除する部位的にリンパが多くある部位だからリンパと接触して子宮や卵巣全摘手術の女性に発症率の高い、リンパ浮腫にならないかと不安。


4:将来透析患者になる=両親共に糖尿病患者であり、最も深刻な母親に関しては母の親である祖母も腎不全で透析を受け死亡、親子2代の糖尿病疾患の遺伝子家系。

体質的に父親似ではあるが、万が一糖尿病から腎不全に至った時には腎臓が2つある人より移植後1つの腎臓になる自分はより透析へのカウントダウンが早くなる。



そして最後に、全身麻酔による開腹手術を行う事により、最悪の場合は失敗などで死と言う可能性も。


とにかく身体を切る事事体(メンボ?ものもらいと逆まつ毛)以外経験ない為痛がりの私はビビりまくりでした。




生体腎移植ドナーの死亡例


従来かなりの怖がりで、持病の麦粒腫(メンボ)でさえなかなか手術に踏み切れない私が考えた結論は、この1ヵ月を余命1ヵ月の命として生きる。


どんどん大袈裟な思考に。


全てに絶対は無い以上、生体腎移植の

死亡事故もゼロじゃない。


2013年に沖縄の同仁病院でドナーが、手術中に
出血多量で死亡。



もう1つも同年の2013年埼玉医科大学国際医療
センターでドナーとして家族に1月に腎移植を
提供した60代男性が術後34日後に死亡。



この男性は腎移植の手術中では無く術後に、肺炎に掛った事が死亡の直接の原因とされていますが、ドナーとして腎臓提供者の術後の死亡が明らかになったのはこの2例のみ。



とは言え2例あったことは明らか。




余命1ヵ月の命


こうした事実を加味し、そして当然、生体腎移植を予定通り行う私が行きついた答えは余命1ヵ月の命と考えて、この1ヵ月を生きてみよう。



に行きついたのです。(めちゃ大袈裟)

だって死ぬかもしれないし。



なるべくしたい事、食べたい物、行きたいところ、会いたい人、やりたい事、欲しい物もなるべく無理の無い範囲ないでやる。


いつも明日やろう、いつか行こう、ダイエットし痩せたら食べに行こう。もっと働いて稼いだら行ってみよう会いたい人もいつか会えるだろう、やりたい事はまた来月か来年はやってみよう。



欲しい物も次の誕生日までには手に入れてみよう。

手術までのカウントダウンは丸1ヵ月ある。

余命1ヵ月のカウントダウンとして来月11月は自由にやりたい事をしてみよう!


これが私の出した結論だし怠慢した生活に活を入れる為に必要なステップにしたいと前向きに生きようと思います。

全ては自分が選んだ想定外のドナーなのだから。ちなみに手術は令和3年の12月1日でした。マジ1ヵ月前日記の焦り


2021年10月31日 21:28(2年前の私より)


とは言え無事終了した手術の体験と変化も↓


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