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2021.4.24東京六大学野球春季リーグ  慶應義塾大学vs明治大学





はじめに

緊急事態宣言発令に伴い、東京六大学野球は4月25日(日)~5月9日(日)の期間、無観客試合となりました。昨年は春季リーグ戦が8月に延期され、また、秋季リーグ戦は各校10試合のポイント制になったものの、連盟及び各大学関係者の努力により観客を入れての開催を成功させました。
しかし、今回の緊急事態宣言では急遽、無観客試合となり、これは長い東京六大学野球の歴史上初めてのことになります。
日頃、Twitterで慶應野球部の試合の様子を発信していましたが、無観客となった今、少し別の形で発信しようと思い、noteを始めました。
拙い上に、かなり主観の入った内容になると思いますが、一人でも多くの方に読んで頂ければ嬉しく思います。
最初の投稿は先週の慶明1回戦の内容を書いていきたいと思います。
よろしくお願いします。

1.両校の前カードの戦い

東京都に緊急事態宣言が発令される前日の4月24日、慶應義塾vs明治1回戦が神宮球場で行われました。慶應にとっては第2週の明治vs東大の結果から、かなり苦労する試合になると覚悟していました。特に今季の明治打線は素晴らしく、明治vs東大2回戦で明治大学は30年ぶりとなるリーグ史上3度目の毎回得点を達成しました。

また、
・明治のエース竹田くんの内容良過ぎ
・篠原くん、打球飛ばし過ぎ
・植田理久都くん、お兄ちゃんより打ち過ぎ
・9打数7安打の山田陸人くんは何者?

など明治のポジ要素は尽きない戦いぶりでした。

一方第1週に法政と対戦した慶應は1回戦で、こちらもリーグ史上3度目となるノーヒットワンランで敗れるも、2回戦は7対1と打線が繋がり今年の慶應野球部のスローガン「繫勝」を実現しました。

明治の竹田くんには2019年春に満塁ホームランを打たれているせいか、ピッチングでも抑え込まれているものだと思い込んでいました。しかし、2020年の対戦成績では慶應打線が圧倒していました。
【2020年の竹田くんの対慶應の成績】
登板数   :2
防御率   :9.00
投球回数:7回
自責点    :7
被安打     :11
被本塁打  :1
春秋1試合ずつの登板でいずれも慶應が勝利。最上級生となり凄みを増した竹田くんですが、慶應にとっては心強いデータです。

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2.試合の前半

慶應スタメン
1番セカンド    廣瀬(2年 慶應義塾)
2番センター    渡部遼(4年 桐光学園)
3番レフト           萩尾(3年 文徳)
4番ファースト 正木(4年 慶應義塾)
5番サード          下山(3年 慶應義塾)
6番ショート       朝日(3年 彦根東)
7番ライト        橋本典(4年 出雲)
8番キャッチャー福井(4年 大阪桐蔭)
9番ピッチャー  森田(4年 慶應義塾)

内野の布陣が法政2回戦から、セカンド廣瀬、サード下山、ショート朝日に変わりました。廣瀬は塾高時代にセカンドは経験していますが、神宮で正木・廣瀬という何ともパワフルな一二塁間が実現しました。

【1回裏 慶應義塾1-0明治】2死ランナーなしから萩尾ヒット、正木四球、下山ライト前タイムリーで慶應が先制。
昨年のリーグ戦で初打席初ホームランの鮮烈なデビューをした萩尾。そのホームランは竹田くんから打ったもので、萩尾は実は竹田くんキラーだったようです。

そして、今季四球が多い4番正木の後を打つ下山が好調。しっかりランナーを返し、良い形での先制となりました。

正木が今季こだわるBB/K(四球/三振)
データスタジアム社のインタビューによると、正木はBB/K(四球/三振)の値を高くすることを意識しているとのことです。ちなみに昨年までは0.933、今季は3試合を終えて5.00と、三振数に対して四球の数が増えています。
※連盟公式HPの数字をもとに計算しているため、数字は四死球の合計としています。

確かに今年は0-2から四球を選んだりと、意識しているテーマをしっかりとクリアしています。なおデータ分析で課題を洗い出すのは大助助監督の指示でもあるそうです。(それにしても何で正木はこんな怖い顔してインタビューを受けてるんだろうか?)

【4回表 明治2-1慶應義塾】植田理久都くんのホームランで明治逆転。
2回に内野ゴロで同点に追いついた明治は4回、植田理久都くんの滞空時間の長いレフトへのホームランで逆転しました。とにかく高く遠くに飛ばす選手で、本当に素晴らしいバッターです。

【5回裏 明治3-2慶應義塾】慶應、渡部遼人のホームランで1点差に。
2点差を追いかける慶應の5回裏、2死ランナー無しから、何と渡部遼人選手のライトスタンドに入るホームランで1点を返しました。まさかのハルトのホームラン、緊急事態宣言発令前に死ぬまで見ることができないと思っていたハルトのホームランを見ることができて生きてて良かったです。
追加点をあげられたそのすぐ裏の得点、明治に流れを渡さない大変価値ある一発でした。

3.試合の後半

【6回裏 慶應義塾6-3明治】福井主将のタイムリーツーベースで慶應逆転!
5回途中から森田の後を受け2番手で登板した渡部淳一くんの好投で1点差のまま迎えた6回裏、1死満塁で打席に立つのは福井主将。持ち前の勝負強さをいかんなく発揮し、レストオーバーのタイムリーツーベースで慶應一気に逆転します。かつてこんなに頼りになる主将がいたでしょうか?

この日の福井くん、最初の打席ではピッチャー寄りにバットを構えたりと、色々工夫しながらのバッティングでした。

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さらに野選、ボークでこの回2点追加し、慶應6-3明治としました。

【8回裏 慶應義塾6-5明治】明治、篠原くんの特大ツーランで1点差に迫る
7回から3番手で登板した生井が先頭の上田くんに四球を与え、慶應は4番手に橋本達弥を投入。植田理久都くんを打ち取った後、篠原くんに特大ツーランを浴びて明治が1点差まで迫りました。篠原くんはこれで今季早くも3本目のホームラン。しかも大きなホームランばかりで今季はまだまだ打ちそうですね。

【試合終了 慶應義塾6-5明治】
9回裏、セカンドに綿引というドッキリかと思う起用もありながら、橋本達弥が何とか踏ん張り、慶應が逃げ切り先勝しました。ちなみに有力筋の情報によると、綿引の公式戦のセカンドは塾高1年秋以来6年ぶりのようです。

試合の詳細は公式HPでどうぞ。

4.あくまでも個人の感想です

この試合の一番のポイントは5回裏、渡部遼人のホームランで慶應が流れを渡さなかったことだったと思います。慶應先発の森田が本調子でない中、追加点を取られ2点差とされたその裏に、ハルトの一発ですかさず1点差としました。そしてホームランを打ったのがハルトというのが、6回裏の逆転に繋がったとも思わせる大きな一打でした。

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そして、この試合も打線が繋った「繋勝」でした。法政2回戦から7番橋本典之、8番福井くんの「第二の中軸」が完成し、打線に厚みが出てきているのは頼もしい点です。その前を打つ6番の朝日(古川)が小技で効果的な役割を果たせば更に強力な打線になることでしょう。
(朝日、頑張れよ!)

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5.この日活躍した素晴らしい選手たち

渡部遼人
ここまでちょっと褒め過ぎかもしれませんが、チームに勢いをつけたホームランは本当に素晴らしかったです。ハルトと言えば悪ガキ?で有名ですが、本当はとても熱い男で、試合中に思い切り悔しがる姿もよく見られます。守備・走塁は大学球界でもトップクラスの実力、守備に打撃にこれからも楽しませて欲しいです。

渡部淳一
森田の後の2番手として、1回2/3を無失点に抑えリーグ戦2勝目をあげました。ピンチでの登板でしたが、それなり打たれながらも、それなりに抑える、まさに淳一くんの真骨頂とも言えるピッチングで明治打線を抑えました。淳一くん、リーグ戦2勝目おめでとう!

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6.次のカード 東大戦に向けて

慶應は明治2回戦にも勝利し、勝点(ポイント)3としました。慶應の次の相手は東大。今季の東大は積極的な走塁が目立ち、盗塁数はここまでリーグ2位の9個と機動力を発揮しています。しかし慶應も明治に連勝した勢いそのままに、東大にも連勝し、強敵立教戦へ弾みをつけたいところです。

緊急事態宣言が予定通り5月11日に明け、立教戦を神宮で見ることができることを祈って、今週も画面越しに慶應義塾野球部を応援したいと思います。

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