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【イベントレポート】11/19 守屋文雄さん、住本尚子さん登壇

さて、18日に続いて19日もトークイベント開催です。
今日のゲストは、守屋次郎役の守屋文雄さんと、トリ子役の住本尚子さんです。
俳優であり脚本家であり映画監督でもある守屋さんは、本作でも脚本協力と監督補として、福間健二監督をささえました。また住本尚子さんは映画監督でもありますが、トリ子を演じるとともに美術を担当してくれました。

住本「守屋さんは脚本協力されてますが、このあまりにも自由な脚本の協力って、いったい何をするんだろうと思ってたんです」
守屋「最初は出てくださいという話で、短めのプロットが送られてきたのが10月ぐらい。11月に撮るって言ってるけど、こりゃ無理だと。でも、タイトルは決まってるし福間さん初めての監督・主演だから、絶対おもしろくなると思った。そうしたら1週間ぐらいで台本が上がってきたんで、すげえなあと思ったんですよ。でも不思議な話だから、ここはもう少しわかりやすくとか、このシーンはなくてもいいんじゃないかとか、横っちょから何か言うって感じでしたね」

そして今回の福間組はみんなが初めての人ばかりだけど、なんか現場での話し合いを持とうとする福間さんの元々の姿勢なのかが、うまく出てましたね、と守屋さんは言います。
住本「なんかずっと緊張してて、でも福間さんも自分も出るってことで緊張してて、ときどき落ち込んでる顔を見かけて(笑)、それにちょっと勇気をもらって。あるところで、ゴダールの『はなればなれに』の横動きみたいにやってって言われたんだけど、それじゃない即興をやったら、それでいこうってな感じで、不思議な現場ではありました」

守屋「撮影、ちょうど一年前ぐらい、楽しかったですよね。雨や曇りが多かったけど、映画はカラフルに仕上がっているのが不思議ですね」
これは、撮影の山本さんのカラコレによるものが大きいのです。
住本「今日見て色を意識したんですよ。守屋さんがパンフに福間さんのリュックのことを書いてますけど、あれは何だったんだろうって(笑)」
守屋「あれは、福間家で僕の衣装合わせをやって、寺田の衣装合わせもやって、福間さんなんかウキウキしだしたんですよ。そしたらいきなり『そうだ、海にはあのリュックを持って行こう!』って出してきたのが、紫の古い普通のだったんですよ。あの閃きはなんだったんだろうって、もうおかしくてね」
住本「それ、紫苑丸の紫なんじゃないですか? 七海の衣装にも紫あるし。あと黄色もある、七海のリュックと寺田のコートの裏の色や、銀杏の黄色もね」
黄色は、七海のリュックと寺田のコートの裏の色ということもあって、この映画のメインカラーになっています。色について見ているポイントが、さすがスタッフでもある二人ですね!

最後に守屋さんが言いました。
「福間さんの映画はとても自由じゃないですか。反省してもしょうがないんだけど、短い撮影期間なんで、段取りよく効率よく現場を進めなきゃと思ってて、そこで福間さんと衝突はしなかったけど、きっとフラストレーションがあったと思う。それをもうちょっと汲んで、やりようがあったのにと、終わってからずっと考えてました」
住本「でも、現場での閃き、それが福間さんなんだなあって思いますよ」
守屋「そうそう、楽しそうで、子どもみたいだよね(笑)」

福間監督不在だからこそ聞くことのできる(?)貴重な話は終わりそうにありません。でも時間です。
守屋さん、住本さん、準備から撮影の終わりまでの、リアルで、興味深いトークをありがとうございました!
そして、ご来場くださったお客さまに感謝です。

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