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タイムマシーンカレー

 私たちが今ここで食べている料理や食材はどのようにここにやってきてどのような過程を経て今現在の料理の形になったのであろうか。インド料理は時代時代でどのような影響を受け、どのように変化したり進化したり変わっていったのであろうか。そんなことを歴史を紐解いていきながら妄想するのが好きである。

 はるか昔ハラッパーやモヘンジョ=ダロなどで都市文明が栄えインダス文明とも呼ばれるようになったときどのような食材やスパイスが使われていたのであろうか。遺跡などを調査するとキッチンであった場所や分析の結果でどのような食材が使われていたかがわかるのだそうだ。高度な用水路と排水の設備が整っていたと考えられるインダス文明の都市は現在の西インドから北はアフガニスタン、東はデリー近郊まで、西はイランの沿岸部まで広がっていたと言われている。当時使われていた文字は未だ謎が多いらしいが発掘調査や分析などにより生姜やニンニクそしてターメリックは使われていた壺や牛の歯の化石からも発見されている。そしてメソポタミアやエジプトとも交易していたと考えられクミンやフェンネル、クローブなども使われるようになっていたのではないだろうか。インド原産とも言われている長胡椒やブラックペッパー、マスタードなども割と早くには調理に使われていたであろう。南インドの文明がシナモンなども持ってきたのかもしれない。

 人々が行き交い、多くの船が港に集まり、未だ見ぬ土地からやってきた異国の人々をインダスは受け入れていたのでないだろうか。そしてそこには未知の食材やスパイスもたくさん集まり、巷はうまい香りが漂っていたのではないだろうか。

 もし私がタイムマシーンを持っていてその時に今私が知っている調理手法と知識を持っていくとしたら何を作ることができるであろうか。もしインダス文明の時代にいくとしたら文明の始まりや終わりではなく穏やかな時代に行ってみたいものである。都市は整備され豊かな生活が人々に余裕をもたらせ、異国の人々との交流を楽しみ、料理を贅沢に謳歌している。私みたいな未来人がやってきたとしてもきっとどこか違う土地からやってきたものだと思うであろう。インダスの市場を巡り、食材や調味料を手に入れ、その当時の調理器具でカレーを作ってみたいものである。

 タイムマシーンがあればイギリスやポルトガルの人々がスパイスを手に入れた時代やたくさんのスパイスが東南アジアやインドからアフリカに集まっていた時代のソマリア。チョーラ文明が栄えた南インドと東南アジアなどに行ってみたい。

 しかしタイムマシーンがないので歴史を調べるといった脳内タイムマシーンに乗って当時使われていたであろう食材とスパイスを調べ「私の妄想インダス文明カレー」や「チョーラ王朝カレー」「エリュトゥラー海運カレー」「ヒッパロスの風カレー」「マウリヤ防衛戦線カレー」「ガンジー平和カレー」「ヤジロー伝説カレー」などなど作ってみたい妄想カレーはいっぱいある。

 

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