見出し画像

ドイツの子育て-保育園探し-

★保育園(Kita,Kindertagesstäte)探し―ベルリン事情

日本よりも夫婦共働きがあたりまえのドイツにとって、子どもを0歳児から保育園にいれることも当たり前である。
※日本だと、小さいうちに保育園に預けるのはかわいそう、とか、小さい子は家で親と一緒にいるほうがいい、という意見がある?

ところが、近年の出生率上昇に伴い、大都市では保育園の空きを見つけることが難しくなっている。ベルリンの中でも私たちが住んでいる地域は特に、近年家賃高騰と出生率の上昇が激しく、保育園の空きをめぐる争奪戦(?)も大変なことになっている。人によっては、まだ生まれていない段階から、保育園に問い合わせをし、待機リストに名前を入れておくんだとか。

少し郊外にいけば空きはあるようだが、毎日のことだから、預けている時間の8時間のうち、送り迎えで1時間かかってしまう、となると働いている人にとってはやはり痛手だ。

私の子は1歳半から保育園に通い始めたが、最初のうち8時から14時までの6時間預かりだった。子どもなしの時間が持てることは最高だったが、6時間なんて家事をするだけでも、あっという間に過ぎた。
よちよち歩きの子がいると、お風呂はもちろんシャワーもおちおち浴びていられないから、保育園に預けている時間に、身支度を整え、床に近い位置で遊んだり移動したりする子のために念入りに掃除をし、洗濯をし、買い物を済ませ、離乳食作りと大人用の夕食の支度までやっておく。
その間、日本のニュースを見たり、メールの返信を書いたりしながら自分のランチ、、、などとやっていると、すぐにお迎えの時間だ。

私は当時、保育園まで徒歩1分のところに住んでいたが、それでこれだったから、働いている人や、送り迎えの時間がかかるとなると、いったいどうやってやりくりしているのだろうか、と思ったものだ。

ちなみに、当時、私は育児休暇中だったから、6時間までしか預けることができなかった。が、のちにこの規定は改正され、今では無条件で誰でも8時間まで預けることができるようになった。そのため、後に無職(主婦?)になってからも、この新規定により、子どもを8時間、保育園に預けることができるようになった。たった2時間の違いなのだが、これがすごく大きい。

ただし、フリーランスになって仕事をし始めると、この8時間もあっという間。でも、子どもだって、一日の3分の1が保育園、3分の1が睡眠時間だから、残りの3分の1はフリーでいたいよね(笑)。

さて、私がどのように保育園の空きを見つけたか。
実はたいした努力をしたわけではない。単なるラッキーだった。

はじめのうちは保育園に預けるという意識もなかった。
私は3年間、育児休暇をとる予定だったし、私自身が5-6歳時に2年間幼稚園に行っただけだったから、そんなもんだと思っていた。

ただ、周りで保育園に入れているというママの話を聞くと、私のためもそうだけど、子どものためにも保育園も悪くないと思えた。何よりも、ほかの子と遊ぶということを学ぶことができるし、私と二人ではできない遊びができる社会的なかかわりもできる。それは子どもにとって大事なことだ、と思った。
また、正直に言えば、つたえ歩きが始まってからは、一日中ずっと家で子どもと一緒に過ごすことが、とてもしんどかった。うちの子は上手に寝てくれない子で、昼寝をさせるのも、夜の寝かしつけも毎日苦労していた。昼寝をしてくれたとしても気が抜けず、その間も、「自分の時間ができた、やったー」、といえる状態にはならなかった。だから、少しでも子どもを預けることができたら、という思いもあった。

まずはインターネットで検索し、オンラインで待機リストに名前を入れられるところはやっておいた。そのほか、事務所の面会時間を確認し、実際に空きの状況を聞くべく、訪問してみた。

2か所行ったところで、保育園探しがとても大変なのだ、ということを理解した。訪問先の園長先生から、育児休暇が終わって、仕事に復帰するから子どもをどこかに預けなければならないのに、見つからないの、といって、泣き出す母親もいるのだと聞いた。でも、泣かれたところで、保育園側はどうすることもできないのだった。
園長先生は、私たちじゃなくて、行政に訴えて、と言っていた。友人の中には、弁護士を雇って、保育園を探したという人もいた。100か所以上問い合わせ、待機リストに名前をいれているけど、まだ見つからない、という友人もいる。保育園も保育士さんも不足している。本当に大きな問題だ。

そんな中、訪問3か所目。
盲点だった、一番最寄りの保育園に、ダメ元で子どもを連れて一人で出かけ、ドアをたたいてみた。
すると、出てきた園長先生が一言。あら、タイミングがよかった、ちょうどひとつ空きがでたの、と。え?私はとてもうれしいけど、待機リストがあるのでは?と聞いたら、紙(リスト)で仕事しているわけじゃないわ、って。なんだそれー!!!みーんな、待機リストに名前を書いて、心待ちにしているのに、それが機能していないだとーーー?!と思ったが、これがドイツなのだ。

もちろん、どんなに交渉しても空きがなければ無理なものは無理。それでも交渉でなんとかなったという話もきく。黙って待っているだけでは本当に何も得られない。そこが日本との大きな違いだ。

いずれにしても、私たちはそこでもう即決。2か月後の慣らし保育に向けて、昼間の断乳をはじめ、1歳半から保育園に通うことができるようになった。いろいろと紆余曲折したが、5歳を過ぎた今もそこに通っている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?