benny

精神世界、心理学、哲学、物語、夢分析…そして、猫様、鳥さん、人間たちについて綴ります。

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最近の記事

命日でも記念日でもなく…

5月は母、兄、叔父の命日がある月でした。 今年の場合、憲法記念日でもある母の命日は何となく意識して過ごしましたが、特に何もしませんでした。 兄と叔父の命日当日は完全に忘れてました。 ただ5月のあいだにそうだったなあと思い出すときはありましたが。 叔父は15日とキリのいい数字なので一回で覚えましたが、なんと兄の命日が覚えられないんです。 いくら何の日でもないとはいえ、いやいや…だから兄が亡くなった日でしょうが、って自分でも呆れつつ、同時に心奥深くでは日付なんてどうでもいいことだ

    • 自己肯定感が高いと気が付いた話

      アレルギー体質のせいで舐め壊し問題を抱えるようになって9年目になる猫がいます。 エリザベスカラーだけだと可哀想なので療養服も着せますが、何も着けないで抱っこするのも舐め壊し予防の一つです。 抱っこされたまま毛繕いしちゃう甘えん坊さんです。 カラーは柔らかいアクリル板を付け足す必要があり、服の方もリフォームをしなければなりません。 11歳半になる彼は相変わらず心身共に子猫のように元気なんですが、高齢猫の部類にはなっているわけで、新たに痒みの症状が出る個所も増え、ついに最新版の服

      • 家族の縁が切れるとき…2

        前々回の記事の続きです。 が、ざっとあらましを。 夫にはそれぞれに遠方の他県に住む姉と妹がいます。 妹→姉  「姑が死にそう…香典は10万円出すよう兄に伝えて  (実)父の葬儀で夫が10万円出したんだから」 姉→夫  「…と、妹が言ってるよ。私は知らん。」 夫→姉  「はて??」 後日。 妹→姉  「香典立て替えといたから、よろしく~」 姉→夫  「…と妹が言ってた(不機嫌)」 夫→姉  「なんじゃそりゃ?弔電送ろうと思ってたのに、もう縁を切る!」 姉→夫  「知

        • 5回目は『デーミアン』

          情緒不安定気味になることの多かった十代。 自己嫌悪に陥ってばかりだった半面、直感の冴えることも結構あって、そのことが気持ちの支えになっていたように思う。 言葉では説明しにくい直感を無視できなくて、そのせいで対外的に辛くなることもあったけれど、それでも大切なものだというのはわかっていた。 高校1年生の夏に読んだヘッセの『デミアン』とは、ほぼ直感の世界での出会いだったと思う。 わけのわからない軽い興奮を感じながら読み進めていたことを覚えている。 読み終わったとき、「生涯、読み続

        命日でも記念日でもなく…

          家族の縁が切れるとき

          「香典10万円出せ… !? 」 遠方に住む義妹がそう言っていると、義姉から夫に電話がありました。 その理屈はこうです。 義父が亡くなったときの喪主は夫でした。 葬儀費用も出しています。 で、そのとき(義妹の)夫が10万円の香典を出してくれた。 だから、なのだそうです。 義妹の姑がいよいよ危ないということで義姉に連絡があり、兄である夫に伝えといてほしいと言われたそうです。 夫は困惑し、私は話を聞いて笑ってしまいました。 あまりにも意味不明だったからです。 ただ…じわじわと義妹

          家族の縁が切れるとき

          『銀の犬』『扉守』

          (なんでこの本が書庫なの~ !?) 書庫に収められている本を借りることは多く、ありふれたことなんですが。 でも、この本は本当にもったいないと心の底から思いました。 タイトルも装丁もこんなに魅力的ではありませんか。 いえ、タイトルと装丁とケルト民話というキーワードに強く引き付けられたことが読もうと思った動機なんですが、一番の魅力はもちろん物語そのものです。 読み始めてまもなく、上橋菜穂子さんの綴る物語の世界に通じるものも感じられて嬉しくなりました。 といっても壮大な物語ではな

          『銀の犬』『扉守』

          ミニシュパリズム(地域自治主義)!

          まさかのユナイテッドシネマ! 是非観たいと思っていた映画、『〇月〇日、区長になる女』。 地元のミニシアターで上映されるだろうか?畠山さんの選挙ドキュメンタリー映画もダメだったし…観れないかもと半ばあきらめ気分だったのですが。 監督が地元出身の方だったおかげで、4日間だけとはいえ大きな映画館での上映が実現したようです。 2年前の杉並区長選挙のとき、岸本聡子さんを知って(ついにこういう人が出てきたんだ…)と、思いました。 強いインパクトを覚えたのです。 映画の中で、彼女が出馬の

          ミニシュパリズム(地域自治主義)!

          影に名まえがあったかな?

          波のように繰り返し寄せてくる鬱な気分。 というよりも、潜在的にそれはずっとあるもので、様々な「気晴らし」によって覆い隠されているだけ。 人間社会をありのままに見てしまうと、 どいつもこいつも、あれもこれも…矛盾だらけの茶番劇が繰り広げられているわけで。 多くの人は、適当に茶番劇から目を逸らしつつ、自分にとっての「気晴らし」を支えに生き延びているように見えるけれど、時に茶番劇の渦中に入り夢中になることも「気晴らし」になってたりするものなのでしょう。 心地良い「気晴らし」に集中

          影に名まえがあったかな?

          おまけにきっと伝えづらい。

          面白く読み終えた後、数日経ってから今の私が抱える悩みに向き合うためのヒントがあったことに気づいた物語。 その人は何度か公言していました。 「人に優しくしたい」と。 身内で口喧嘩が起こっても私は聞き役、絶対に怒らないのだと笑顔でそんな話もよくされます。 当然、聞かされる側は安心を感じます。 とても接し易く気を遣う必要のないいい人…と思っていました。 それは今も変わりません。 が、一方で、その人は皆で同じことをやるのが大好きで、ときに外れている人を指摘することがあるのです。 非

          おまけにきっと伝えづらい。

          「取り繕えない人たち」こそ『Rejoice!(喜びを抱け!)』

          たぶん終の棲家となるであろうこの地に住んで15年が過ぎるのですが、この冬(…もう春ですが)初めて鳥の声が滅多にしか聞けない日々を送っています。 狭い庭に植えてある南天の赤い実がヒヨドリに食べてもらうこともなく次々に地面に落ちたのを見ると、あのうるさい鳴き声が恋しくなってしまいます。 不気味なのはスズメや鳩が激減したこと。 去年、すぐそばの小さな公園にある3本の大木が大胆なまでに枝を切られてしまったことと、我が家のすぐ横で半年以上も大きな工事が行われているせいもあるかもしれませ

          「取り繕えない人たち」こそ『Rejoice!(喜びを抱け!)』

          言葉(共感)が暴走する世界で

          速読とか多読というものに価値を感じません。 行間と余白を受け取ることもなしに読書するなんて考えられないからです。 本のページにある行間と余白。 その空間は意外に面積も広く、常に何かが存在を主張している気がします。 著者の綴った言葉以上の思いや世界が広がっているイメージ、でしょうか。 対話の場合は、読書で受け取る「行間と余白」からの情報、つまり言葉以外の情報が直接的に具体的に伝わります。 (その情報が自分の勘違いだったりする問題はどちらにもありますが。) 今は、対面でのコミュ

          言葉(共感)が暴走する世界で

          私、「熱狂を疑え!」るんです。

          衝撃的な物語に出会いました。 文庫本に収められた穂村弘さんの書評と町田康さんの解説文がとてもいいです。 物語に続けてお二人の文章を読んで、私はなんか救われた気がしました…。 (純文学だ、素晴らしい…)と思いながら読みましたが、一方で自分は「あみ子」みたいな人とは会話すらできない人間だということも思いました。 物語の中では彼女と交流する登場人物もいるのですが、私は徹底的に避けてしまうだろうなあとちょっと情けなかったです。 「島流し」の例えが出てくるほどに、あみ子は気の毒な

          私、「熱狂を疑え!」るんです。

          過剰(不足)な世界で〜医療編

          医療編、とタイトルを付けてはみたけれど… 病院で過剰や不足を感じたこと、自分が経験したことに限って具体的に書いていくだけでもキリがない気がします。 現代医療自体が「過剰(不足)」で成り立ってしまってるんだと思います。 もはやどうすることもできないのでは? 私自身、体のあちこちの不具合を愚痴るお年頃に入ってますが、周りの年上のお姉さま方は、ちょっとでも身体に異変があれば「早く病院へ!」「検査してもらって!」と口々に言います。 このあいだも、お腹に違和感を感じているけど掛かり付

          過剰(不足)な世界で〜医療編

          過剰(不足)な世界で~果物編

          こんなにリンゴを食べない冬は初めてです。 一個200円を超えてる・・・それでも特売なんですと。 今までも毎年のように天候不良のためとかで値段は高騰していましたが、もはや高級フルーツになってしまいました。 リンゴだけじゃなく、果物を気軽に買えない時代に突入したということでしょう。 子どもの頃からずっと果物好きの私ですが、もうあきらめるしかないと思っています。 いつのまにか、大きくなったリンゴ、大きくなった桃…あの大きさが当たり前になってしまったことが悲劇(!)に繋がっているので

          過剰(不足)な世界で~果物編

          『歌わないキビタキ』~人にも期待しないこと

          誰かを好ましく思うようになると、 ほぼ同時に「期待」が生まれているのかもしれません。 ある物事に対する反応が自分にとって好ましいものであってほしい、 あの人ならきっと…という勝手な「期待」。 「人に期待しないこと」 この言葉を何度目にしたことか。 ほとんどわかってなかった気がします。 出来なかったから。 好感と期待は切り離すのが難しい。 ならば、そもそも「その人のすべて丸ごと好き!」なわけはないのだし、「この一面とあの一面が好き」と意識してみよう。 勝手に期待を寄せて、無

          『歌わないキビタキ』~人にも期待しないこと

          『オラ!メヒコ』

          たとえどこにでも自由に移動できる立場にあったとしても、この国から出ることはないだろうと思う一番の理由は、治安の良さだと思ってきました。 逆に言うと、日本よりも治安の悪い外国が多すぎる、と。 何よりも身の安全が第一なのだから…。 酒乱の身内はいなかったけど酒席なんぞ大っ嫌い、違法だろうが合法だろうが至福体験ができるらしい薬物にも興味ゼロ。 の、私が何故か大麻くらいはいいじゃん、と思うのは、単に合法である煙草や飲酒と比較し合理的に考えてのことでした。 それにまあ…歳を重ねて、一

          『オラ!メヒコ』