ナムナム

博士の入試、一次試験が終了した。昨日はしれっと当ブログをお休みしたのだが、なんと試験前日に発熱でダウンしていたのだ!風邪?心因性?野口晴哉先生によればそもそも風邪が心因性なのだから、まあ、心因性の一言で片付けて良い。だが、たとえばこう考えることができるかもしれない——試験中に下痢等の体調不良でダウンしないために、発熱してストレスを逃がしていた、とか。まあ心身の反応がどうであれ、さすがに一瞬ビビったが、①どうせ40度の熱があっても試験は受けに行く ②いまできることは寝て祈るのみ ……と思って、大してなにも感じなかった。私が敬愛するギタリストSteve Vaiがインフルに罹患した状態で立ったステージのクオリティが最高だったと言っていたのを思い出し、妙に納得した。そういう状態では、舞台に立つだけで精一杯なのだ。無駄な心配をしなくて良い。ひょっとすると儲け物かもしれない。

全然そんなことはなかった。当日の今日は体調こそ多少落ち着いていたとはいえ、緊張しっぱなしで試験を受けた。胸ポケットに明治神宮で買った厄除けのお守りを忍ばせ(私は今年、後厄なのです)、問題用紙が配られてから試験が開始するまでの間、ひたすらに祈り続けた。神道の神社のお守りに大して「南無阿弥陀仏」を念じ続けたのは愚かだったかもしれないが、しかし神は寛大だ。ちゃんと南無阿弥陀仏でも受け入れてくれる。ドル立てで買える土産物店みたいなものだ。私が専門にしているデリダが考える「神」があまりにも残酷すぎて、修論執筆時は神を信じるのに苦労したが、しかし我が国日本の神は広い御心の持ち主だと分かった。

こんなに祈った日はこれまでに無かった。またひとつ成長できたのだろうか。成長とは、自信をつけることではなく、最後には神様が、あるいは運が味方してくれると信じられることかもしれない。

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