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Shut Up & Sit Downが語るBoardGameGeekランキング:80位から61位まで(SU&SD TAKE ON THE BOARD GAME GEEK TOP 100: 80-61)

前回の記事は、以下のとおりである。

さて、反応はあまり多くなく、芳しいものではなかったがゆるゆると続けたいと思う。この記事くらいから、この企画の趣旨が段々とわかってきたのではないかと思われる。

前回と同じように、SU&SDのおすすめゲームには独自のマークが付されているが、note上には反映できないことから、便宜的に☆を付けている。

元記事は以下のリンク先を参照されたい。ヘッダー画像は、元記事の冒頭の画像を引用している。

Paul:BoardGameGeekの上位100を競い合っているゲームを徹底的に検討するというこの企画を続けるよ! 今回は、国際的に広まった病気から、都市開発、害を及ぼす研究者までありとあらゆるゲームがある。あ、それに意見だ。いつも、生意気な意見だけどね。先に進めよう。

80位:「Star Realms」☆

レビューはここだ。

Matt:昨年末のある朝に兄とこのゲームを遊ぶために卓についたら、続け様に4時間くらいプレイしてしまったよ。箱が小さくアホっぽくて単純なわりに、この小さな宝石のように、同じカードを引くことをやり遂げていたデックビルドゲームが、こんなにも少ないということに驚かされる。

何と言ってたか。

Quinns:めっちゃ奇妙なゲームだ。全く考える必要がないのに、「ドミニオン」の満足感を全て得ることになる。攻撃する宇宙船を得たか? バンバンバン、対戦相手は体力カードを何枚か捨てる。お金はあるか? 一番笑える名前の宇宙船をさっさとつかめつかめつかめ。引くカードがないって? んーーー、シャッフルだーーー、自分の素晴らしい小さな輝く捨て札が、キラキラ煌めくデックになったぞ。

楽しんでくれたかい? おぉーー、拡張を注文せよ。だって、拡張たちは、厚みのない小さなブースターパックで売られていて、めっちゃ安い。「Star Realms」を遊ばないだと? おかしいだろ。友人を連れてきて、さっさと「Star Realms」を遊ぶんだ。

マジなんだよ。このゲームには、飛び入り参加可能な(free-for-all)多人数ルール、チーム戦ルール、キャプテンのいるチーム戦ルール、全員対1人ルール、時計回りの攻撃を仕掛ける感じの奇妙なルールがある。「Star Realms」くん、君のことを疑って悪かったよ。ジョン・F・ケネディ以来、マサチューセッツ州で生み出された最高のやつだ。

79位:「Commands & Colors: Ancients

レビューはここをタッチしてくれ。

Quinns:6年間、SU&SDは、Days of Wonderの「Memoir ‘44」を推してきた。そして、この6年間、ボードゲーム界のベテラン勢(salts)が、「Commands & Colors: Ancients」のほうが優れたゲームであると教えてくれたんだ。

私たちが1939年よりも紀元前400年を選んだり、砲撃の悪魔的な射出よりも古代の射手たちの放つ雨あられの矢を選んだりするのを非難することができるだろうか。当然できるわけがないね。私たちが「Commands & Colors: Ancients」をわざわざ試しに遊ばなかったことを責め立てることができるだろうか。うん? あぁ、多分、それはできるさ。

この実にひどい作品名のせいだ。このゲームが「Command & Colours」と呼ばれていたとしたら、ずっとその名前をこすりつづけただろうね。

78位:「シティービルダー」☆

レビューはここだ。

Paul:このゲームは、シティビルド系ゲームの大成功作品で、結束した社会を形成するために一体となる控えめで抜け目のないアイディアが詰まったゲームだ。街がごちゃついてくるとその質が落ちていき、工場や高速道路を配置する際には適切な都市計画が重要となり、適切な瞬間に優良物件を下落させれば大量ボーナスを得ることができる。「シティービルダー」は、金メッキのレゴブロックのようにビビッとくる素晴らしい要素がふんだんに盛り込まれている。

Quinns:私は、「ノイシュヴァンシュタイン城」のほうがこのリストのランクが上なのを見ると悲しくなる。「シティービルダー」には華やかさがないけれど、こっちのほうが非常に満足のいくゲームだと思うね。

何と言ってたか。

Quinns:このゲームのテーマに関していうと、ダンジョン、殺人鬼、宇宙船テーマのゲームが店頭で並んでいると、郊外というのはトースト上のくずのように乾いているように思うかもしれない。しかし、私たち自身の世界を舞台にすることで、「シティービルダー」は、物語性を発展させることとなっておかしさを生ずることが多い。学校の隣に屠殺場を配置したら、笑ってしまうはずだ。また、Paulと私が最初にプレイした時、彼が手番で湖を配置したら、彼の人口増加が急に減速し(hit a speed-bump)、誰も彼の郊外地に見向きもしなくなった。そして、Paulが、素敵な新しい湖ができたからだねと冗談を言ったら、その直後に湖から死体が出てきてしまった。

このゲームが大好きだ。心の底からね。

77位:「Nations

レビューはここだ。

Matt:「Nations」は、十分な食糧、本、有名な女性が輩出されない国を運営する重苦しさとスリルを全てもたらしてくれるゲームだ。どんよりと曇った日の放蕩者みたいな見た目だけれど、メカニズムは驚くべきほど力強くて楽しい。それに、単純だが、購入することができる歴史的な出来事に関する大量のデックがあることにワクワクしてしまう。けれど、実際にはそのほんの一部しか選ぶことができない。それは、まさに3つの本しか持ち出すことができない巨大な図書館のようだ。そして、その後、プレイヤーは、選んだ本を用いて機能的な街を建設することを期待される。ちゃんと、ハードカバーの本を持ち出したか? あぁ、この比喩はしっくりくるようには思えないね。

何と言ってたか。

Quinns:このゲームには魅惑的なアートがないけれど、この先何十年もこのゲームをプレイして欲しいというハートがあるね。数回遊んだ後に使うこととなるカードの山が必要以上にある。そして、ゲームで放射性物質か何かのように扱われる。つまり、本当に何をしているのかわかっている場合にのみ触ることとなるカードの山となる。「Nations」は、2時間かけてゲームを終えて、自分の勝利点を合計するけど、実際には、ほとんど、しかし完全にとはいかないくらいに、誰が勝つかなんて気にしないゲームの1つになっている。でも、気にする。気にしてしまうさ。ほとんど気にしないんだけどね! でも、気にしてしまうんだよ。

76位:「ギャラリスト

ここで議論されてるさ。

Paul:なぁ、「ギャラリスト」は、両方の意味で重いよな。(※戦略性が)深くて没頭させてくれるだけでなく、こいつが落ちてきたらまじで怪我しちまう。もしくは、持ち上げようとしたら腰がやられる。けれども、思っていたよりもビビらせてくるわけではないし、芸術家を発見して宣伝し、プレイヤーが利益を得ると決断し、作品を売り払って次の芸術家に移るまで彼らのアートの価値が徐々に高まっていくことに真の喜びがある。私は、「ギャラリスト」に感動したことはないが、このゲームは、スタイリッシュに表現された、素晴らしいゲームのコンセプトだと思った。

Quinns:まあ、今までプレイしたことがあるデザイナーのVital LacerdaとアーティストのIan O’Tooleの他のコラボレーション作品、「Vinhos: Deluxe Edition」と同じ感想だね。なんと素晴らしいゲームのコンセプトだろうか。機知に富んでて、見栄えもいい! そして、このゲームが私のコレクションにある唯一のゲームだったら、毎月プレイしてすっかり首ったけになるだろうさ。しかし、私のコレクションの中のゲームの1つにすぎないので、この大箱の獣は、定期的に卓上に置くには扱いにくすぎるね。

75位:「祈り、働け

Paul:なんてこった! 俺がプレイしたことがないUwe Rosenbergのゲームじゃないか。みんなめっちゃ怒り狂うぞ! そして、今は、自分自身にキレてる! こういった修道士を楽しめなかったこと、屠殺場を建築できなかったこと、あらゆる陶磁器を製作できなかったことについて自分自身が腹立たしく感じるんだ! こういったことが好きかって? 多分そうだね! 問題は、どの程度かということだ?! そして、100パーセント、私は、めっちゃ下手なんだが、とにかくプレイし続けたいと思うよ。ああ、Uweよ!

74位:「Legendary Encounters: An Alien Deck Building Game

Paul:なんていうことだ、今までこのゲームを見たことがないということを認めざるを得ないし、探そうという気持ちにすらなったことがないんだ。アートは愛想がなさすぎるし、ゲームもわかりやすすぎる気がする。このゲームに付け加えるものがあるに違いないと考え続けてしまうが、このゲームに関する別のレビューや動画を見るたびに、全く感情が内側から湧いてこないんだ。本当に申し訳ないけど。

Quinns:SU&SDチームのデックビルドゲームに対する興味は、無責任に搾取されて塩分濃度が高くて枯れた荒地というリソースと言ってもいいだろうと思う。私は、このゲーム、「Star Realms」、そして「クランク!」にはそれほど興味を持てないんだ。もし、私がデックビルドゲームをプレイしたかったならば、「トレインズ」をプレイする。なぜかはよくわからない。私がこのデックビルドゲームに落ち着いた理由はわからんのだよ。

Paul:しーっ、しーっ、大丈夫みたいだ。このノーマルのトレインカードをご覧よ。

Quinns:おぉ、非常に良いね。とてもシンプルで……、とても普通だ……。

Paul:せやな。

73位:「アルケミスト

レビューはここだ。

Quinns:「アルケミスト」ような、こんなに変わっていて難しいゲームがトップ100位内に入っているのを見るのは嬉しい驚きだけど、あのさ、これは不正確な位置でもないと思うんだ。

Paul:このゲームはだんだんと好きになるやつだが、しっかりと敬意を込めた同意を必要とするほどの素晴らしいゲームなんだ。

何と言ってたか。

Quinns:「アルケミスト」に魅了されてしまった。おかしくて、知的で、洗練されていて、ほかとは違う。Czech Games Editionがワーカープレイスメントにひねり(spin)を加えた過去作「ツォルキン:マヤ神聖歴」のように(冗談ではないさ, ※Tzolk’inとspinで韻を踏んでいる。)、このゲームは、非常に才能ある人たちによってテストプレイがされて改良されていったことが明らかな素晴らしい仕掛けがある。

しかし、「ツォルキン:マヤ神聖歴」と同様に、みんながこのゲームを買い求めるために殺到する前の注意事項は、実際にこのゲームをプレイすることになるのがどれほどかわからんということだ。単に、「アルケミスト」や「ツォルキン:マヤ神聖歴」をプレイすると、自分の脳が鋳鉄製のクリーニング屋のプレス機を通り抜けたように感じるだけではない(全く不快な気持ちということではない。)。これらのゲームは、大量のルール説明を伴う大箱のゲームであって、魅力の大部分は、今までプレイしてきたものとは異なっているところから由来するということだ。

Paul:重いゲームだ。そして、やはり、ルールが複雑すぎず、ちょっとした例外がたくさんあるというCzech Games Editionの特徴がみられる。お望みならば、脚注と言ってもいい。「Mage Knight Board Game」にある巨大で震えが出るような別表(appendix)はないけれども、こいつは"ゲーマーズゲームだ"って改めて言いたいという点においては、ある種、それを思い起こさせる。みんなには「アルケミスト」は素晴らしいと伝えたい。けれど、残酷なまでにきつくて、絶えず達成困難な体験を伴う中で、あれこれともがきたいという人たちにとってうってつけなゲームだ。だとしても、そうじゃない人たちは楽しむことができないわけじゃない。それに、私の所有するこのゲームは、ボードゲームに対する熱意が異なるレベルのプレイヤーが心地よく二人乗り(riding comfortably in tandem)していると想像できること間違いなしだ。けど……、ハイキングが好きな人は多くいるけれど、全ての人が、年がら年中、山に登っていきたいわけじゃない。そして、私こそが、地元の山に登るのが好きな人間ということだ。

72位:「Stone Age

レビューはここだ。

Quinns:あーあ、長い間、このゲームをプレイしたことがないよ。この時代遅れの、ほぼ新石器時代のワーカープレイスメントゲームがオールタイムベストの72位にランクインしてるのはどういうことだ? 2011年の頃には何かしら良いものだったとしても、Paulと私は賛同し得ないだろうね。

Paul:待ってくれ、Quinns、その原因を突き止めたと思う。全ての評価が何年も前につけられたもので、「Stone Age」が新鮮に見られて直面する競争相手が少なかった時ものだったとしたら? もし……みんながそういった評価を再検討しなかったとしたら?! なんということだ。

何と言って議論していたか。

Paul:でも、リソースを集め、それを使い、今の手番だけにとどまらず、先立って次の手番の計画を立てるといった楽しさが奪われてしまってない? ほかの全ての人たちが何を必要としているのかに注意を払っておく、可能なら、彼らの手番に先んじてそれ(※他の人たちが必要としているもの)を手に入れることに最善を尽くしながら、自分にとって2手番先におそらく有益となるかもしれないと計算する。これは、チェスみたいな計画立てとなる。その後、カードや小屋の建設という選択肢は絶えず動いていくし、自分の狩猟採集民がどれほど成功していくかなんてわかるはずがないので、自分の気を引き締めなければならないほど十分なランダム性がある。

Quinns:「チェス」みたいとは評せないね。直接的に争う環境にプレイヤーを置くゲームとは別次元のものだ。そういったゲームでは、対戦相手の動きが持続的な形で自分に影響を与えることになるので、対戦相手をよくみて、その動きに興味をもつこととなる。「Stone Age」では、対戦相手がしていることに関してどうということも思わない。このゲームは無味乾燥だし、対戦相手のアクションが自分に与える最大限の影響というのは、自分が小さいワーカー駒を置きたかった、まさにその場所に誰かが小さなワーカー駒を置いたときに限られるからね。

こいつは、完全にネガティブな体験だ。受動攻撃性の(passive-aggressive, ※ここでは、積極的に攻撃しないで遠回しに攻撃する程度の意味合い)ゲームだね。プレイヤーが自分の部族のスコアトラックを上げようとする時に、プレイヤーは、妨害行為、戦争、ずる賢さ、賄賂、それに上機嫌となる偶然にさえ直面せず、黙ったままでの不快なことの連鎖(parade)に直面する。

Paul:ちっ。そしたら、また、私はこのゲームに対する最高の擁護者ではないね。だって、わたしはこのゲームが好きだけど、大好きってほどでもないし、少し欠陥があると思うからね。このゲームの1つのポイントは、毎手番に自分の部族にご飯を与え続ける点だ。そうしないと、勝利点を失ってしまう。けど、私は、このゲームを不当にプレイするプレイヤーを見たことがある。飢えた部族をずっと働かせる。そして、プレイヤーは、食糧を集める代わりに部族を働かせることに全フリすることができる。すると、明らかに自滅的な行為によって、潜在的にもっと多くの勝利点が得られる可能性がある。それって、正しくないよ。

71位:「Kemet」☆

レビューはここだ。

Matt:あっ、自転車に乗って、ちょうどこのゲームを引き取る必要があるんだ。うん、「Cyclades」のほうがおそらく良いだろうね。うん、「イニシュ」を手に入れたけど、こいつが最高なんだろうなあ。けど、巨大なサソリを伴って砂漠を駆け巡り、遭遇したプレイヤー全員を楽しいからといって殺していくというテーマには、これ以降の他の作品では至ることがなかった私の脳のある部分をまさしく満足させる何かがある。素晴らしくて力強い小さいウォーゲームだ、この作品は。

Paul:「Kemet」だ! 「Kemet」には、プレイヤー全員が過剰に守りに入ったプレイにならないような移動のメカニクスがある。「Kemet」には、特殊能力に優れたユニットに関する膨大な選択肢がある。「Kemet」には、上質のアートと最高の設定がある。「Cyclades」のほうがいいか、この作品のほうがいいかなんてことは気にしないね。どちらの作品も、みんなとみんなの友達が最強だって感じられるほど卓上で巻き起こる歴史と神話の壮大な出会いがある。

何と言ってたか。

Quinns:あまり頻繁にゲームをプレイしないというなら、「Cyclades」がこの作品よりもほんのわずかだけ適切だ。「Cyclades」は半分のルールしかないし、非常にこなれていて、初めてプレイする時から素晴らしいゲームだ。「Kemet」? よりゲーマー向けのゲームだ。マニア寄りといっていい。けど、もし、みんなが競争好きだったら、そう、友人を殴るための何かや大量のシステムと可能性を望んでいるのであれば、このゲームは完全に素晴らしいものと化す。

70位:「A Game of Thrones: The Board Game

レビューはここだ。

Matt:時が経つにつれて、ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」への愛が、悪びれることなく燃え上がり続けている。そういうことで、このゲームが単に良くなればいいなと心の底から願うよ。それにしても、このゲームは悪いわけではない。けれど、非常に手間がかかりすぎて、いつまでも続いてしまう。これは、ダメな部分にドリルで穴を開けて、きついところを締め上げた新版をぜひとも見てみたいゲームの1つだ。個人的には、この作品と「Battlestar Galactica: The Board Game」は、ブランドという圧倒的な力によってやけに持ち上げられる2つの良いゲームだ。

Paul:そうね、完全にそのとおりだ。ほんの少しだけきつくて、早い展開だったらなと。番組を進行させる会話の中には本当に早く進むものがある一方で、めちゃくちゃ長くてぐずぐすなものがあるのを思い出せるかな? このゲームは、かなり後者のほうのように感じてしまうよね。

何と言ってたか。

Quinns:このゲームは必要以上に複雑で、単に「氷と炎の歌」が大好きなだけのゲーマーではない人にアピールするために設定されるべき複雑さの2倍複雑だ。みんなにルールを説明するために20分間も一人で喋っていたよ。少なくともそのうちの9分間はクソかよって思ってたね。だって、港の微妙な違いについて説明していたからね。そして、ゲームを始めた後に、"ルールに反している"からという理由で、プレイヤーの戦略で決まってくる動きができないということを伝える場面が少なくとも6個はあった。

このことは、社交的な交流や取引の仲介によって、このゲームはユニークで楽しませてくれるものになっているのに、その中間にオタク的な余計なものが多くあるので、私をイライラさせる。もし、Fantasy Flight Gamesがゲームを複雑にするのにこだわるのであれば、大理石で作られた小さな包囲攻撃兵器(tiny marbled siege engines)や、たまに兵隊を壁に派遣してさまざまな面白みのないペナルティと報酬を持ってくるというシステムの代わりに、政略結婚や人質交換を取り入れたらいいんじゃないかね。

Paul:思い出すべき最も大事なことは、「A Game of Thrones: The Board Game」は、汚い政治のゲームであって、陰謀を企むのを楽しむ絶好の機会であるということだ。

このゲームが友情を損なわせるというエピソードは、誇張なんかではないね。世の中のゲームグループは、お互いを操り、嘘をつきあい、裏切り合うことが見込まれるので慎重になるべきだと思うね。けど、そしたら、このタイトルが何であるかを思い起こすことが重要だ。「ゲーム・オブ・スローンズ」という名を冠していたような記憶だ。酷い敗北の後に不愉快な気分になるかもしれないが、マジでプレイする全てのゲームで勝利できるなんて期待するのかい?

おそらく、「A Game of Thrones: The Board Game」は、ゲーム中に敵意を詰め込めることができるかどうかについて、プレイヤーとしての資質に対する究極のテストと考えるのがベストだろう。もし、友人という輪の中で敵意がすぐに収まり(dies fast)、その後、裏切り、利用して見捨て、陰で中傷する能力を友情における素晴らしい財産であるとみなすのであれば、このゲームを手に取るもう一つの理由となるね。

69位:「Arcadia Quest

Paul:まだ、この作品をレビューしてなかったね! この作品に対する偏見を認めざるを得ない。偏見というのは、「Arcadia Quest」がいつも「Descent: Journeys in the Dark」のアニメ版のように感じられてしまうというものだ。歳をとるにつれて(時代に取り残されるにつれて)、私のアニメ版に対する願望というのは、今まで以上に一層急激にゼロに至っている。一方、「Descent: Journeys in the Dark」のほうは、私の冒険心を一層満足させているというのに。俺がぼやいているかって? 多分ね。うるせぇよ(Bite me)。

Quinns:いらんよ、ちょうど飯食ったところだからね。けど、「Arcadia Quest」のファンどもにグッドニュースだ! ちょうど郵便でこのゲームが届いたところなんだ。そして、この箱は、ウシガエルと同じくらいの大きくてずんぐりしていて、私のレビュー用の山の頂上付近に鎮座してるさ。「Arcadia Quest」に関する感想は、本当にもうすぐこのサイトで公開されるだろうさ。

68位:「レジスタンス:アヴァロン」☆

遊び方はこちら、実際の我々のゲームはこちら

Matt:自分が今までについた最高の嘘に対する懐かしさかどうかわからんのだけど、「レジスタンス:アヴァロン」は、いまだにお気に入りの役職が秘匿されていて裏切りが起こるゲームだ。「ワンナイト人狼」のプレイしやすさや、壮大な「クー」のスピード感ある上品さには欠けているが、良いグループで行う「レジスタンス:アヴァロン」は、非常に特別なものだ。追加ルールをどんどんと補充すると、このゲームが真に活性化するというのが、ある種、残念だと思う。誰がマーリンなんだ? マーリンになりすましてるのはどいつだ!? 湖の乙女に何が起こってるんだ? 彼女は誰かを確認しているのか? この剣に電話番号を書いたら、俺のために湖に投げ入れてくれないか? バカじゃないかって?

残念なのは、濃密な(full-fat)体験をするために全ルールをインストするのがちょっと長すぎることかな。「レジスタンス:アヴァロン」は、全人類がプレイすべきゲームだが、"パーシヴァル"に頼って支持を失うのがあまりに簡単すぎる。要は、十分なほど公平なわけだなぁ。パーシヴァル

Quinns:笑笑。そうね、"じゃあ、オベロン王に関して言うと"という文章から始めると即座に、六、七人の目がどんより曇ってくるのがわかるね。

Paul:長年に渡り「レジスタンス:アヴァロン」を多くプレイしてきたけど、おそらく、遊び尽くしてしまったんよ。どの部分が機能してどの部分が機能しないのか身についてしまった(例えば、10人のプレイヤーでは、その役目を果たすためのローテーションが十分に行えず、かなり多すぎることになる。)が、良い思い出を残すことになる。このゲームは、今でもブラフと推論の導入としては良いものだし、それ自体が洗練されたゲームだ。けど、個人的には、「スパイフォール」や「Dead Last」のようなゲームに、完全にその地位を奪われてしまったね。

Quinns:そうね、そのほかに「One Night Ultimate Werewolf」があるね。"友人に嘘をつく"というスリルに少し鈍感になってきた今では、手っ取り早く終わるゲームが欲しいなと感じるね。

67位:「War of the Ring(First Edition)

Paul:BGGのうんざりするような(lovely)奇行の一つに、いくつかのゲームが複数回登場することがある。新版がスムーズに改良されて発売されるが、かつてのゲームコレクションの中で浅はかな無価値物として旧版は生き残ったままだ。「War of the Ring」もそんな無価値物の一つで、後ほどそのことについてお話ししよう!

66位:「ディセント第2版 〜闇世界への旅立ち〜」☆

レビューはここで、初版の動画レビューはここだ。

Quinns:うーん。「Star Wars: Imperial Assault」が同じゲームの賢い改良版であるのに、「ディセント第2版 〜闇世界への旅立ち〜」がここにいるのは、ちょっと変な感じがする。けど、その後、監修された(curated)リストとは対照的となる、データ主導型(data-driven)の上位100リストの問題の1つだと考えている。前作を"亡き者とする"ような、より良いゲームが現れても、このリストから最初のゲーム(※前作)を取り除く方法は何もない。バーで酔っ払った老人みたいに、うろちょろするだけだ。

「ディセント第2版 〜闇世界への旅立ち〜」は、(まだ)バーで酔っ払った老人ではない。けれども、「ディセント 〜闇世界への旅立ち〜」(※初版)は間違いなくそうなっている。初版の「ディセント 〜闇世界への旅立ち〜」のキャンペーンは、オーバーロード(※敵側)が完膚なきまでに都市全体を壊滅し得る世界地図上のメタゲーム付きで、何千時間にも及んでいたことを思い出さないといけない。そいつはバカみたいな野心作だった。そういえば、完全な物量の観点からすると、「Kingdom Death: Monster」や「グルームヘイヴン」の精神的な先行作だったと思うね。

何と言ってたか。

Quinns:「ディセント第2版 〜闇世界への旅立ち〜」における賢いプレイによって、プレイヤーが、いまだに、このゲームの楽しいシステムやアイディアを、チートだとしか感じられないパターンだと曲解してしまうのを目にする。オーバーロードは無防備なヒーローどもを痛ぶらなければならないし、ヒーローは最大のモンスターであっても、ガラスのように打ち砕くよう能力の組合せを捻り出さなければならない。

けど、そんなの気にしないね。私は、いまだにこのゲームで大いに楽しんでる。それに、実のところ、壊れたおもちゃのようにキャンペーンを途中で投げ捨てるよりも、今回はキャンペーンを終わらせようとしてる。このゲームが大好きだ。誰にでもおすすめするね。

65位:「Crokinole

Paul:カナダ生まれの器用に指で弾くゲームの先駆者だ。これがなきゃ、「Catacombs」や「Flick 'em Up!」のようなSU&SDのお気に入りゲームだって存在しなかっただろうね。「Crokinole」では、最高点を得るために目標に向けて木製ディスクを弾く。ペグを避けて、他のプレイヤーに突っ込むんだ。ペグが多くて摩擦が少なければ、多かれ少なかれ、小さい規模のカーリングといえる。器用さと指の爪の忍耐度を試すのに優れていて、カナダ人の頑強さを物語っているね。

Quinns:一度、これをプレイしたことがある。2ゲーム負けた後で、立派なCrokinoleチャンピオンの精霊に取り憑かれてしまったようだ。少なくとも10分間は、私がしたすべてのショットを成功させて、私の友人は怒りと不信感で大声で叫んでいたよ。そいつが今まで起こった中で最高の出来事かもしれないね。

64位:「ノイシュヴァンシュタイン城

(お粗末な)レビューはここだ。

Matt:私の考えでは(for my money)、奇抜だというほかない。このゲームでは、頭の悪い城を建造するという単純な実践の中に真の喜びを見つけることができる。プレイヤーが願ったように現れてこないし、おかしさとほとんど同じくらいの悲痛さが生ずる注目すべきゲームだと思うんだよね。というのはね、単に整然としたかわいらしい庭が欲しかったのに、残念なことにレンガの壁に囲まれてしまったよ、あーあ。

Quinns:このゲームが好きだが、「シティービルダー」よりも優れているという内容である、Paulの未公開の第一印象の記事には反対だね。拡張を入れてこのゲームを試してみる必要があるかもしれない……と思うかな?

Paul:私は、城にめちゃくちゃ甘いってバイアスがあることが有名だね。けど、みんなに伝えたいのは……1階と地下だけでなくもっと多くの場所を建造できたらよかったなと思うね。

何と言ってたか。

Paul:これは「シティービルダー」だが、よりおかしくて、より優れていて、その上おかしくて、何より城だ。秘密の部屋の隣に繰形の部屋を置くことができる。

「シティービルダー」と同じように、互いに隣接しながらタイルを配置して徐々に石造りの家を建造するゲームだ。特定の部屋を囲んだり、特定のものを隣接して置いたりすることで、ボーナスや、時にはペナルティでさえももたらされる。ピアノの部屋は、寝室のすぐ隣にあるとうるさい。キッチンは廊下を抜けたところにあると最も機能する。けれども、「シティービルダー」と異なり、六角形のタイルはなく、部屋は形や大きさがさまざまとなっている。つまり、プレイヤーは、素晴らしくて、ひどい、全くのおバカな生活空間を作り出す。①意識を持つようになった、②アルコールの良さを知った、③悪天候の中で船を着艦させる練習をするために海軍に入隊した、地震計によって設計されたような城を生み出すのだ。

63位:「Troyes」☆

レビューはここだ。

Matt:僧侶にセイヨウネギ(leeks, ※農業を指すようだ。)に果てしない戦費。「Troyes」を上手にプレイする方法を理解することはなかったが、戦争に全財産を注ぎ込んで消費するというのは間違いなく良い手ではないように思われる。しかし、このゲームは非常に良いね。非常に気に入ってるよ。異常に豪華で、常に触っていて心地よい。最近レビューして、このゲームに本当に感銘を受けた。みんなが自分のダイスが買われないことを祈りながら、仲間のダイスをひったくるのは、楽しいよな。

何と言ってたか。

Matt:淑女(※拡張)を入れるか入れないかを問わず、このゲームは、歴史の教師の死体に囚われた、異常にダイナミックで攻撃的な小さなユーロゲームだ。Shut Up & Sit Downは、「Troyes」をおすすめするね。アートスタイルですら、一旦プレイすれば、違和感がなくなる。木彫りの美的感覚、不安定感のある(wonky)伝統的な人物画、最小限だが力強い色使い。それは、因習的で(iconic)、判読しやすく、清廉なスタイルだ。大部分のボードゲームが目指している、細部にわたって質感を出す手法や、厚塗りでカラフルなスタイルとは全く異なる。それに、ダイスやカードが、色合いが押さえられた(muted)ボードに粛然と出現する。

62位:「Santorini

ここで議論していた。

Quinns:まじで? Paul、このゲームをプレイして、ある種のクソゲーって言ってなかったか? BoardGameGeekのユーザは、このゲームがオールタイムベストの53位だと言っていて、「チェス」よりも340位も上だと言ってるんだ。

Matt:みんなから愛されていないポケモンの名前のように聞こえるよな。

Paul:はぁ……こんなところで何してるんだよ。さて、誤解しないでいただきたい。「Santorini」は、魅力的でかわいらしく、精巧に作られている。だけど、ボードゲーム史上の50位に飛び込んでくるとはね。このゲームは、単純明快で、わずかに難しいロジックが伴うゲームだ。それに、プレイヤーが取り入れることができるちょっとしたランダマイザーと特殊能力がある。けど、それだけだ。このゲームで楽しい時間を過ごしたし、非常に良かったよ。しかし、これは、影響力よりもかわいらしさが勝ったケースだと思うね。

61位:「パンデミック:新たなる試練」☆

レビューはここここだ。

Matt:パンデミックのパズルを解読しようとして費やした夜ほど、大切なゲームの時間はないね。一度理解してしまうと、簡単すぎて後からそのパズを忘れてしまうことなんかできないし、自分たちが賢いからパズルを解けたんだとか、もはや興味なんてないねと言って、自身の個人的な旅の価値を弱めることなんかできないよ。このゲームのシステムを理解するまでは、ルービックキューブがみんなのおばあちゃんを脅すといった得体の知れないストレスが持続し、率直に言って、それが重要である必要があったんだ。

Paul:ほ、ほ、ほー。「パンデミック:新たなる試練」じゃな。お互いにウインクをし合っているよな。だって、本当に何がやってくるかわかってるからね。「パンデミック:新たなる試練」は、協力プレイの入門として素晴らしいが、個人的には、プレイヤーの一、二人が支配して全てを解決するには脆すぎるね。そして、このゲームは、その地位が奪われてしまったんだ。そう、徹底的にね。

何と言ってたか。

Quinns:「パンデミック:新たなる試練」は、本当に良いパズルだね。特に深いパズルっていうことではないから、数回プレイしたら、非常に思慮深い戦術(解決策とは言わないまでも)がペトリ皿の表面に浮かび上がってくる。けど、「パンデミック:新たなる試練」にはわかりやすさが欠けいることが、プレイしやすさが欠けていることを補っている。間違いなく、誰でもこのゲームをプレイすることができる。だって、プレイヤーが見つめているゼリー状の(gelatinous)のキューブが表すこの世の終わりは、とても驚くほどに視覚的で、テーマはみんなの興味をそそる。それに、素晴らしいおまけとして、2人から4人まで全く同じように楽しめるってわけだ。

カップルにも最適のゲームだ。考えてみなよ! 君に。君の愛する人。安いボトルワインを置いて、再現されたこの世の終わり。最高じゃないか。

(続く)

※本記事と関連する記事としては、以下のものがある。

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