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音楽まみれ

3才の頃、ピアノを習う兄を見て自分もやると言い出した。それから気づけば18年間、飽くことなく弾き続けている。兄は昔に辞めてしまった。

ピアノは完全な個人競技。スポーツのチームプレーのような呼吸合わせは必要なく、自分の世界観とペースで演奏すればよい。また奏法の特徴として、メロディラインとベースラインを同時に奏でられる。一人で同時に、音楽を成立させられる。そういうわがままな時間を刻めるピアノが好き。

中学生で吹奏楽を始めた。初めての集団で創る音楽だった。比較的目立つパートが多いアルトサックスは個人競技を楽しんできた自分にぴったりだった。

ピアノと比べて演奏中やる作業が増えたことはちょっと苦痛だった。他の楽器と縦を揃える、他の楽器がメロディをやっている時は音量を小さくする、他人の動きを見る、わがままになってはいけない。

でも、わがままな演奏が禁止された代償に、合奏の賑やかさと豊かさを知れた。物語の登場人物が増えた感覚は自分の音楽観をより立体にしてくれた気がする。

高校で吹奏楽に加え軽音楽に出会ったが、アコースティックな音色好きの自分にはあまりハマらなかった。ハッキリ言ってしまうと電子音が苦手。それでも音楽のラフさが新鮮で面白く、何だかんだ今も続けている。

大学ではボイストレーニングに通い始めた。何になりたいの?(笑)と親に嘲笑された記憶があるけど、歌うことが好きなのに下手なのがもどかしかった。歌は、自分を素直に反映する行為だと思った。楽器を介さずに生身の肉体から音楽が創られるのだから、当たり前である。

音楽体験を軸に自分を振り返ってみた。
音楽まみれの人生を誇りに思っている。



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