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ため息のような雨が降る

2024.5.13 (月) Rainy Days and Mondays


月曜日に雨が降るというのは…
私は嫌いじゃないが、ほとんどの人はゲンナリしているであろう。
そのゲンナリのため息が混じったようにジトジトとした雨が降っている。
朝からカメムシを2匹退治した。
私からすれば雨よりそっちの方がゲンナリのため息である。
堂島川の遊歩道を歩く人影は少なく、時々どこからかひょいと飛んできたかのように傘をさした人がひとりっきりで歩いているだけだ。

そんな街の様子を眺めていたら、急にたこ焼きが食べたくなった。
大阪でたこ焼き屋はいとも簡単に見つかるのだが、最近は観光客相手の店が増えて、高い上にあまり美味しくない…と、思って諦める。
諦めて仕事をし始めたらいつの間にかそのことは忘れていた。
お昼前に『そうだ、私はたこ焼きが食べたかったのだ』と思い出したが、もうその時は食べたいとは思わなかった。
私の脳は諦めが早い…というか飽きるのが早い。

午後から1本打ち合わせがあり、出かける。
相手の方が「近くに静かなカフェはありますか?」と待ち合わせの前に電話してきたので「静かすぎて悲しくなるほどのカフェがありますよ」と言ったら「じゃ、そこにしましょう」と快諾してくださったので、静かすぎて悲しくなるカフェに行く。
静かすぎて、ボールペンの芯を出す時に出る『カチッ』という音が店内に響き渡る。
1時間ほど打ち合わせをして、「じゃ、私はこれで」と私が帰ろうとしたら、
相手の方が「私はもう少しここにいます」と言っていた。
そこが気に入ったようだ。何か辛いことでもあって静かな時間を過ごしたいのだろうか?それとも何か嬉しいことを静かに噛みしめたいのだろうか…
不思議な人だなぁ。
いつもこのカフェに誰かを連れて行くと「なんか辛気臭い店ね」とか「何か訳ありの店なんですか?」とか言う人が多くてその表情を見るのが楽しみなのだだが、気に入るとはね。
気が合うかもしれないなと思う。

帰りに花屋の前を通ったら、カーネーションが安売りされていた。
「あっ、現実」と思う。
そういえばテレビでやっていたが「母の日に一番欲しい物は何ですか?」とお母様方にアンケートをとったら、一番多かった答えが「一人になる時間」
らしい。時間はプライスレス。どこかで売ってるわけではない。
そうだな、世の中で一番高価なものは『時間』かもしれない。
私は母親ではないが、やはり一番欲しいものは『時間』だ。
それも2時間、3時間の時間ではない。10年や20年の時間が欲しい。
どれだけ欲張りなんだと自分で思う。

午後3時過ぎ、雨がやんだ。
人々がぞろぞろと街に出てくるであろう。

月曜日の雨は好きですか?

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