架空の音楽用語辞典見出し

しょっぱい[Salty , Shabby]

しょっぱ・い【形・隠語】

⑴(本来のポテンシャルに比べて)下手な演奏のこと。内容の乏しい音楽。
⑵ギャラが少ないこと。
⑶対応が冷たいこと。

[使用例]
「しょっぱい演奏ですみません」
「しょっぱい仕事ですがお願いできますか?」
「担当の人がしょっぱくて辛い」

[語源]相撲で撒かれる塩が土俵に這っている事から転じて『弱い』ことを表す隠喩となった。

※『架空の音楽用語辞典』より

隠語ですので(批判目的で)面と向かって使ってはいけません。プロレスになってしまいます。いい塩梅で使いましょう。

演奏についてこの用語を使う場合、「本来はもうちょっと上手くやれるのに今回はダメだった」という意味合いがあるように思います。家では出来たのに本番では出来なかったとか、頭の中ではバリバリだったのに体がうまく動かなかった、などがそれに当たります。
目指している演奏に満たなかったときの卑下のニュアンスがあります。批評として使う場合にも「(え、その演奏でステージ立ってるの?マジかぁ・・・)」といった、本来あるべき立場よりも劣っているときに使いやすいです。
批判のために使うべきではない隠喩ではありますが、毒も薬ということで、この表現でしか伝わらない期待感や優しさもあります。苦労してるね、頑張ろうね、という含みを持たせて「しょっぱかったね」という表現を使うことも、相手との関係が良好な場合は有効でしょう。

ギャラについては話が違ってきます。
こと地方の音楽稼業では『しょっぱい仕事』の枚挙にいとまがありません。バンドでワンステージ5,000円に満たなかったり、完全歩合制のわりにイベンターは全然やる気がなかったりします(これは二重にしょっぱい)。
そういうときは率先して「しょっぱい仕事だった」とミュージシャン同士でシェアしましょう。なんならそんなしょっぱい業者を食卓塩と呼称してもいいでしょう。遠慮はいりません、音楽の単価を上げる活動にどうかご賛同を!

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