アダルトチルドレン

今回の記事は『アダルトチルドレン』について。
皆さん『アダルトチルドレン』という言葉を知っていますか?
勝手ながら私の人生においてこの言葉はキーワードです。『アダルトチルドレン』とはどんなものなのか今回は深掘りしていきます。良かったら最後まで見てください。(Google先生の記事を参考にしています)

『アダルトチルドレン』とは?

まず初めに『アダルトチルドレン』について。もともとは「親がアルコール依存症の家庭で育った人」という意味で使われだしたアダルトチルドレン。
その後、そのほかの依存症問題にも同じ様な問題があることが見出され、もっと広い意味合いで使われるようなりました。

現在アダルトチルドレン(AC)とは、親や養育者との関係で虐待やネグレクト、家族間に不仲があり、育つ中で自分の感情との折り合いがつけにくい、対人関係での距離感が適切に取るのが苦手などの、「生きづらさを抱えて生きる人」を意味します。アダルトチルドレンは医学的な診断名ではなく、生きづらさに焦点を当てている言葉です。

『アダルトチルドレン』となる原因とは?

原因や要因はいくつかありますが、ほとんどが親との関係、養育環境であると言われています。いくつか例を挙げてみると以下の通りです。

1.虐待を受けていた

身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、育児放棄であるネグレクトが代表的な例として挙げられます。
ネグレクトには、必要な医療を受けさせない医療ネグレクト、必要な教育を受けさせない教育ネグレクト、子どもの金銭を搾取する経済ネグレクトなどがあります。

また、DV(家庭内暴力)や性行為を見せつけるのも虐待に当たると言われるようになりました。
こうした虐待が常習的に行われると、子どもの心や身体の成長に影響を受け、他人との人間関係を築くことが困難になっていきます。

子どもはこのような虐待的な環境にいる場合、生き抜くために無意識に様々な策を講じます。
しかしそれは虐待から逃れ、生き抜くためには必要であっても、通常の人間関係や社会の中では不適切と思われることがほとんどです。

例えば、親や養育者を怒らせないように、いつも笑顔を絶やさず過度に「いい子」を演じているといった場合があります。
こうした振る舞いは家庭以外の社会で行うと信頼関係をうまく結べないなどの問題が生じやすく、時にはいじめの対象になってしまうことがあるのです。

2.毒親

近年よく耳にする言葉です。
毒親とは、「毒になる親」の略称で、毒と揶揄されるような悪影響を及ぼす親、子どもが厄介と感じるような親を指す言葉です。

厳密な定義があるわけではありませんが、毒親が取る行動の例として、構いすぎて子どもを窒息させる、子どもの幸せを取り上げる、完璧主義すぎる、「私は全てを分かっていて、常に正しい」という態度で接し、子どもの精神的な発達を阻害する、などが例として挙げられます。

3.機能不全家族

機能不全家族とは、ストレスが日常的に存在している家族状態のことを言います。
家族とはお互いを尊重し、励まし合い、協力しあっていくものですが、そういうことができずに一人一人の人格が尊重されていない場合は、機能不全家族といえるでしょう。

これはあくまで子どもの目から見て家族として機能していない家族を指すので、大人としての解釈ではなく、子どもの目で見て感じた家族像で振り返かえる必要があります。
身体的・性的・精神的虐待の起こっている家族、夫婦間や嫁姑間などの悪い家族、親の期待が大き過ぎる家族、依存症のある家族、情緒不安定な親のいる家族などが例として挙げられます。

4.アルコール依存症の親

アルコール依存症になると、周囲への配慮や関心が薄れます。
アルコールを飲むことに注意が集中してしまうからです。
そして、アルコールを手に入れるためであれば、なんでも利用しようとします。

例えば、子どもにアルコールを買ってくるように仕向けたり、アルコールがなくなると暴力をふるうなどといったことが起こります。
家庭の中で日々こうした親を目の当たりにしていると、子どもの心身は疲れ切り、健全に育つことは難しいと言えます。

5.体質

泣きやすい赤ちゃん、なかなかグズらない赤ちゃんがいるように、子どもは生まれた時から様々な特性を持っています。
実際に、子どもが自閉的だったり、注意や集中力に欠けていたり、理解力が低かったり、衝動的や過敏的だったりすると、親は非常にストレスを抱えやすくなます。

そしてなんとかしようとして、支配的になったり、叱ることが増えたり、時には手を出してしまうこともあります。
そうなると家族は疲れ切ってしまい、殺伐とした雰囲気の家庭環境は子どもに更なる悪影響を及ぼしてしまいます。

子どもの体質であるということを理解できないと、親は虐待などの不適切な養育を続け、アダルトチルドレンを生み出してしまうことになります。
これらの原因は「落ち着きのない子どもにある」などと単純に考えてしまってはいけません。

実はアダルトチルドレンの原因はほとんどの場合、「親にある」といっても過言ではないからです。虐待などが子どもの心身の成長に影を落とし、成人した時に社会に適応できなかったり、人間関係をうまく築けなかったりしてしまうのです。

アダルトチルドレンのタイプや症状・特徴は?

アダルトチルドレンと言っても様々なタイプがあります。
ここでは代表的なものを紹介します。

1.ヒーロー(英雄)

親の期待に応えるため、勉強、スポーツで良い成績や評価をもらうことに精力を注ぎます。
周囲からはしっかり者や頑張り屋さんであると評価されることが多いですが、その行動は自分のためではなく、後ろ向きな意味合いがあるのです。
それはひとえに、家庭内の雰囲気を悪くしないようにという、子どもなりの防衛的な行動なのです。

しかしこのタイプは、勉強やスポーツでの成果がある内は良いですが、それが失敗したり挫折したりすると、途端に心が折れて破綻してしまいます。

2.スケープゴート(生贄:いけにえ)

ヒーローとは全く反対の行動をとります。
問題行動を起こしたり、過剰に低い成績を取ったりすることで、家族の中で悪者や問題児となり、憎しみや怒りや不満、鬱憤を一人で引き受けようとします。
そうすることで家族のバランスを取ろうとしています。

3.ロスト・ワン(いない子)

いない子ども、生まれてこなかった子どもとして家族との関係を断つような行動をとります。
家族の中での存在を消し気配を感じさせずに生きていこうとするので、迷子になっても家族のだれからも気付かれることがありません。
家族旅行にいくことになっても連れて行ってもらえず、家の中にいてもいないものとして扱われ、いつも一人で孤独に過ごしてしまいます。

4.ケアテイカー(世話役)

小さいうちから家事をしたり、弟妹の面倒をみたりと、献身的に家族の世話をし家庭を支えます。
親がしないので代わりに行うことが多く、自己犠牲と思われることもありますが、子どもの場合は自虐的な行為でもあります。
家族が崩壊しないように、全てを一身に背負ってバランスが取れるように努力をします。

5.ピエロ(道化師)

家族の暗い雰囲気を回避するため、おどけたり、冗談を言ったり、ふざけたりして笑わせ、家庭を明るくしようとします。
面白くて明るい性格に見えますが、実はとても敏感に周囲の雰囲気を読み取り、人の表情を伺い、険悪なムードにならないように最新の注意を図っています。
そのため常にビクビクしています。

こうしたアダルトチルドレンには共通して自尊感情の低さが見られます。
非現実的な優越感を持っていたり、人を見下したりする人もいますが、これらは往々にして自己評価が低く、他人に本当の自分を知られてしまうことを恐れているのです。他人からの評価を過剰に気にするために、尊大な態度を取り、自分に従う者だけを周囲に集めようとするのです。

アダルトチルドレンの症状が見られたらどうする?回復させる方法は?

アダルトチルドレンは先にも述べた通り自己認識の概念なので、医療的な治療の対象ではありませんが、生きづらさを抱えて悩んでいる人達の精神的負担を軽減する方法があります。ここからはアダルトチルドレンの悩みから回復するのための4つのステップを紹介します。

1.グリーフワーク【過去を探る】

グリーフ(grief)とは、大切な人を失ったときに起こる深い悲しみや悲嘆を指す言葉です。グリーフワークでは、家族に言えなかったことを口に出す、親に宛てて手紙を書く(出さないつもりが重要)などで、失われたもの、持てなかったものに対しての嘆きを表現し、喪失を受け入れます。

2.ナラティブセラピー【過去と現在をつなげる】

自らの成育を物語として語り、治療者(医者、セラピストなど)からの助言を得て自分史の再構成を行う精神療法です。
自分史の再構築を行うことで、過去や自分自身を見つめ直すことできるようになり、別の角度から自分を見ることで自分本来の個性や力を取り戻していくことができます。

3.認知行動療法【自分の中にとりこんだ信念に挑む】

物事の受け止め方や考え方を再検討することで、感情や行動を変えていく精神療法です。アダルトチルドレンは物事の受け止め方や考え方に癖がついている場合が多く、自分の中に受け止めた物事を改めて検討することで考えの癖を修正します。浮かんでくる考えと現実との違いを意識することで、気持ちに変化を起こしていくことができます。

4.アサーティブなコミュニケーション【新しいスキル(生きるうえでの技能)を学ぶ】

相手の権利や要求も尊重することにより、自分の意見や要求を受け取ってもらえるようにするコミュニケーションの方法です。
アダルトチルドレンは、言いたいことが言えず相手の要求を飲み続けたり、相手の発言を否定しすぎたりすることが多いですが、この方法を学ぶと、程よく自己主張できお互いを尊重し合い、一方通行だったコミュニケーションが上手にとれるようになります。

まとめ

アダルト・チルドレンとは、子ども時代に、親との関係で何らかのトラウマ(心的外傷)を追ったと考えている成人のことで、けっして“大人になりきれない大人”ではありません。家庭環境の特徴としては、身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、育児放棄といったネグレクトや、親がアルコール、ギャンブルなどの依存症であることなどが挙げられます。

アダルトチルドレンには、ヒーローやスケープゴートなどさまざまなタイプがありますが、ほとんどの子どもが家族のバランスを取ろうとする事から起こります。
回復させるには色々な精神療法があります。しかし複雑な心理状態ですので、すべてを独学で理解し行うことはとても難しいです。

私の家庭環境について

私自身『アダルトチルドレン』です。私の育った家庭環境は少し複雑で兄弟4人の母子家庭です。父親がなかなかの遊び人だったみたいで私の家族の他にも家庭を作ってしまう男性でした。母は離婚を決め、そこから女1人で子供を4人育ててくれた強い母です。貧乏な生活も経験しましたし母が自分で飲食店や飲み屋さんコンパニオンを経営し大きな家に住める裕福な時代もありました。小さい頃から母が仕事で忙しくほとんど家にいなかった記憶があります。兄と姉に面倒を見てもらったのを覚えています。昼夜、家族の為に休みなく働いてくれる母親の姿を見て兄弟全員が母親に迷惑をかけないようにと団結し兄弟の絆が深まったのを覚えています。母親が帰ってきたら少しでも楽ができるようにと姉と2人で学校が終わると家族全員分の掃除洗濯料理、家事全般を毎日していた記憶があります。この時点で完全にケアテイカー(世話役)です。兄2人はアルバイトをし家にお金を入れてくれました。その後、東日本大震災を経験し大切な人を目の前で沢山失いました。もう私の兄弟『アダルトチルドレン』になれる要素いっぱいです。

最後に

私自身、仕事や恋愛プライベートでの人間関係で何度も『生きづらさ』を感じ自分が原因で失敗してしまった経験をたくさんしています。(特に恋愛)「アダルトチルドレン」の共通は『生きづらさ』ではないかと思います。

自身の育った環境を一度客観的に俯瞰(ふかん)して捉えて見ることが大切です。そこで新たな気付きがあり、「自分はアダルトチルドレンかも」と認識することで、心が少し落ち着いたり解決方法が見えてきたりする場合もあると思います。私のように家庭の特徴を言語化してみるのもいいのではないでしょうか。

勘違いしないように、アダルトチルドレンは誰かのせいでもなく良い悪いでもなく不幸か不幸じゃないかも全く関係ありません。アダルトチルドレンの自分とどう向き合っていくかが問題点でありポイントです。

今回は、「アダルトチルドレン」について記事にしてみました。いずれも自然に知るのは難しいワードで、何らかのタイミングで気付いて調べなければ分かりません。生きづらさの理由を知ることで、少しでも心が楽になる道筋を見つけていけ
たらなと思います。他の方はアダルトチルドレンのメリットについて記事にしていました。良かったら参考にしてみてください。最後まで読んで頂きありがとうございました。


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