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【24話】元カノ、リベンジの足跡

結婚2年目、彼が突然、「ハンガリーに行こう」と言い出した。彼は私に出会う前は一年の半年をハンガリーで過ごしていたのだから、僕にとって第2の故郷のようなもの。「君もフリーなんだから長期滞在しよう」と満遍の笑顔で誘った。

ハンガリーと言えば、夫の元カノの国。結婚した安心からか、この2年元カノは話題にもならなかったし、私もすっかり彼女の存在は忘れていた。でもどうして今ハンガリー?そして長期間どこに滞在するの? 

私が質問する間もなく、全て計画がなされていた。ーーハウススワップ。しかも元カノの両親の家と! 「そんな事できるわけないよね!」だって彼女はまだ未練たっぷりで好きなのに別れたって言ってたじゃない!」「それが、彼女も他の人と結婚したらしいんだ」その結婚相手を聞いて、髪の毛が逆立った。同じ街に住むアメリカ人らしい。だから、両親を連れてアメリカに遊びに行きたいという計画を、私の知らないところで立てていたのだ。「という事はあれから彼女と話をしてたんだ」と私は内心驚いた。

でもどうして元カノはアメリカ人と結婚したのか。しかも私たちが住むすぐ家の近所の男性なんて、そんな偶然があるのか。私は理解できなかった。この事実はバカな私が後から知ったのだが、全て仕組まれていた元カノのリベンジの予兆だった。

そんな事とは知らず、夫の熱心な説得に、「私たちの写真も全てそのままで、私たちを部屋を一切触らずに生活するのなら」と条件を出してOKを出してしまった。

夫は1日4~5時間くらいしか仕事をしない。それも毎日ではなく、仕事がきた時だけ。彼の仕事はシリコンバレーのIT企業のプレスリリースを書くライターだ。それで生活が出来るのは羨ましい職業だが、それが彼のライフスタイルでもある。1日十何時間もバカみたいに仕事をしていた私と違って、クライアントは企業なので、それでも十分生活ができる。だから、コンピューターさへ繋げば、世界どこにいても仕事ができる人なのだ。

それで長期旅行が可能になるし、自由な生き方ができる。実に羨ましい仕事だ。でもこれも彼の実力で選んだポジションなので、誰に憚る事もない。そもそも私が彼と結婚したのも、プロポーズの言葉にときめいたのがきっかけだった。「僕は一ヶ所に一生同じことをして生き続けるというライフスタイルは好きじゃない。将来、2人で世界を旅しながら、コンピューター一つでどこでも仕事をできる環境にしたいんだ。一緒にそんな人生を歩かない」?という言葉がハートに突き刺さった。こんな事を言われて結婚しない女性がいるだろうか? 私は彼との未来をずっと夢見ていた。

気がつくと今、私も今同じ立場になっている。コンピューターひとつでどこでも仕事ができる。「そうだ。オンラインでこれからビジネスをするのだから、世界中を旅して、今まで記事を書いてきたように続ければ良んだ」! ポジティブに自身が湧いてきた。

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