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B CorpがB Corpじゃない会社を巻き込む

今年の後半戦はかなり忙しくなってしまい、発信活動があまりできなかったのは心残りだ。
年末はさぼっていた経理の追い込み。恥ずかしながら寄付も駆け込みとなってしまった。将来的には、B Corp認証で必要なアセスメント・B Impact Assessment(BIA)にあるように、売上の何%確約で寄付をしたいところだが、今年はB Corp認証を広めるための広報活動にも自分の労力とコストを投じさせていただいている。

寄付先というのはものすごく悩む。世に数多ある団体の中から、限りあるお金を投じる先を選ばなくてはならない。自分が学生の頃NPOでインターンやアルバイトさせていただき、その分の対価をいただいていたからこそ、寄付されたお金って人件費にも行くなぁと、感じてしまった。それは払うべきコストであり、自分の代わりに社会的活動をしてくれることに喜んで託したいとも思うが、本当に社会を変えられそうな活動を厳選して寄付したいというエゴもあって、自分のケチさにも失望するのだが、とにかく迷う。

いろいろと団体を見ているうちに、寄付の形として「チャリボン」を受け付けている団体には妙な安心感を持ってしまった。
チャリボンとは、B Corp認証取得を目指し、B Corpの公式ハンドブックの翻訳版を出版したバリューブックスの取り組みで、古本の買い取り価格がそのまま指定したNPO団体に寄付される仕組みである。

以前、さすてなぶるファッション®さんのセミナーでmayunowaさんからお話を伺った時に、自分たちの会社がB Corpを取得することで、自分たち=B Corp と取引をしているサプライチェーンの企業も「いい会社」だということが認識されることで、B Corp取得の意義がまたいっそう高まるという話があった。サプライチェーンの企業は、このケースではいわゆる零細企業となるが、例えばオーガニック認証を取ろうとするとコストも時間も負担になってしまうところ、あらゆるステークホルダーを巻き込んでいい会社経営を行うB Corpが選んだサプライヤーということになれば、それも一種のお墨付きとなる。

というわけで、B Corpを目指す企業が実施している「チャリボン」の提携先であるNPO団体なら信頼できそうと、安心して寄付先を決定した(ちょっと軽率な表現であることをお許し乞いたい)。

B Corp認証の与える影響はデカい。ありがたいことに、「厳しい基準」、「生半可では取れない認証」、というブランディングができているので、取った企業はどんな「いい会社」なのか、B Corp企業の一挙手一投足に注目が今後もどんどん高まっていくだろう。
そうした「B Corpの旅」を導くコンサルタントの責任もすごく重く感じる。

ただ、未来を想像してみるとわくわくする。B Corp企業が選んで取引をしているサプライヤーは、例えB Corp認証を得ていなくてもB Corpのようなアセスメントを受け、必要に応じてリソースが提供され共に改善を目指す会社だ。B Corp企業が手を組む団体や組織も、その想いに共感し、B Corpと志を共にする人たちの集まりだ。
そうしてB Corp企業も、そうでない企業も、まわりをとりまく企業や団体も、B Corpのような世界を目指す、それがB Corpのエコシステムだ。

みんなB Corpになればいい、数あたりゃいい、というわけではなく、まさにムーブメントを引き起こしていく、この勢いを来年もさらに加速させたい。

2023年も、楽しい年となりますように。