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小説『ひと夏の挑戦』振り返る

これはですね、フォローしているみょーさんの企画で、2週間ぐらいで書いたものです。書き出しを決めて小説企画をやるって話を聞いて、すぐに参加表明したんですが、その後『右手にけん玉〜リフティングを100回する』という指定文を読んで、まじ、どーしようかと思いました。

私が悩んだのは、同時にリフティング100回やることより『先生に殴られた』この部分です。怒るのでなく、殴っちゃったよ、先生、こんなことで。まず、先生の書き方を3つ考えました。

1 悪として。(敵対、途中追放あり)
2 殴ったのはたまたまで、本当は良い先生として書く(和解)
3 冒頭のみで、話には登場させない、無視する。

それで、1を考えた時に、殴る先生って何なんだと思ったんですよ、舞台を昭和にするか?とも思ったのですが、その設定、誰が説明すんの?僕がいきなり語りだすのか?とか考えている内に、田舎はどうだろうと思いついたんです。田舎の封建的な社会ならあり得るのか、あり得なくもないように書けるかも?などと。

元々私は限界集落に暮らす小学生に興味があったんですよね。そういった子どもたちの日常や成長過程を撮ったドキュメンタリーも好きでした。それで、今回はそういう子どもを書こうと、進んだわけです。学年は5年生にしました。こういう時は5年生が書きやすいんです、藤子不二雄に出てくる主要キャラも5年生が多いんじゃないかと思います。ちびまる子ちゃんは3年生ですけど(笑)

それで、限界集落からあのような話が思いつき、何の因果関係もないのですが、無謀な望みを聞いてもらうために、難しいことに挑戦する、そのように書こうと思いました。この時点では、少年一人で同時にリフティング100回に成功させようと考えていましたが、まずは調べてみることにしました。現実的に5年生だとリフティング何回ぐらい出来るのかと。

それで、動画とか見ているうちに、やり方を間違えなければ、100回は難しくないことに気づいたんです。そして、両手が空いているからといってけん玉、ヨーヨーができるわけではないことも、知りました。私、できると思ってたんですよ(笑)リフティングを舐めてました。

創作なので、もちろん出来ることにしてもいいのですが、練習過程を書きたかったので、練習したけどできない、その方向に持っていき、別の方法で達成させようと、その時に思ったんですね。だから最初から最後は3人で〜というのは考えてなくて、ほんと私自身が、それぞれの動きについて知る課程で、思いつきました。キャラ設定はズッコケ3人組を真似ました。

いろいろ後悔はありますね、まずもっと田舎の夏の雰囲気を出したかったのに、全然出せなかった。一生懸命、蝉だの蚊が飛ぶだの入れましたが、ダメでした。他の描写に力入れ過ぎた弊害もある気もします。

あと松本先生が、結局何だったのか、です。他の下書きみたら、最後「俺が左足になるから、お前が右足になれ、来年までの宿題だ」とか何とかいって抱きしめる、という展開がありました。やめちゃいましたけど。

先日、総評を頂きました。

すべての応募作と感想がのっています。私もみおいちさん作が、一番好きですね。それで、自作について、タブーってなんだろうと聞けずにいたら、先程アップされた記事内にアンサーがありました。


ギャー、そこかー!!設定の後出しは、あえてだったんですよ〜、でも、この場合は明確にした方が良かったということですね。

今回の構成を思いついたのは、数カ月前に読んだ『ありがとう西武大津店』宮島未奈・著がベースにあります。これを読みながら、私は主人公達の目標が達成してほしいと願いました。何でそう思えたか考えると、確かに目的が明確だったからかも。でも、その部分ではなく、過程を丁寧に描写することで応援してもらえると考え、だからその辺りに力を入れ書いたんです。

何で設定あと出しにしたかというと、一言でいうとミステリー小説の読みすぎです。伏線はりまくって匂わせて、終盤でババっと回収、そういうことか!と読者を唸らせる、それをやりたかったんですが、それは時と場合による、そして高い技術が必要なことがわかりました。

それでもう疲れたし、今日みたカムカムの、「志を失わなければ侍になれる。どんなものにも」というセリフにはグッときたけど、私が本当に求めているのは『普通』に毎日生きることで、小説書くことではなく、書ける人はたくさんいるから、書かなくていいんだけど、性懲りもなくまた書いてました。

私は小説家になりたいんだろうか?答えは出ないのです。ただ発表するからには、よりよいものを書きたいし、書くからには、また公募にチャレンジしたいと思います。

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文庫化はまだです。冊子で読みました。

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