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<マーケター’sコラム>異業種の化粧品ビジネス参入のススメ

化粧品ビジネスのトレンド


長い間、化粧品業界は店舗での小売りのモデルを中心として、大手企業・ハイブランド企業などのいくつかの企業によって寡占的に支配されておりました。
しかし、ECが急速に伸び、SNSの情報発信で商品を購入するスタイルが定着する中で、大企業以外にもほぼ個人レベルから、全くの異業種の企業まで多くのプレイヤーが化粧品ブランド作りに参入するようになりました。

実際に、化粧品の製造業を行っている企業の数はこの10年で伸び続け、
特にこの2-3年は急激にその数を増やしております。

出典:日本化粧品工業会 https://www.jcia.org/user/statistics/industry

異業種から化粧品ビジネス参入のメリット


なぜ、多くの企業が今化粧品ビジネスに新たに参入しているのか、それは間違いなくそれだけの魅力が化粧品ビジネスには存在するからです。
以下のような新規参入のメリットがあります。

1.リスクを抑えてスモールに始めることが可能

異業種の化粧品ビジネス参入は基本的にはOEM(Original Equipment Manufacturing(Manufacturer))と言われる委託製造で行われます。
数十年以上続き、数十億円以上の売上を誇るような化粧品企業でも、OEMにて化粧品製造を続けている会社が多くあります。

OEM製造で化粧品ブランドを立ち上げることで、初期費用を大幅に下げることが可能です。
以下に、カンタンに初期にかかる費用の例をご紹介します。

美容液の例)
製造個数:1,000個
液剤製造費:400円×1,000個=40万円
容器等製造費:150円×1,000個=15万円
----------------------------------------------
商品製造合計費用 55万円

上記費用以外にかかってくる費用としては、
・容器等のデザイン費用
・HPのデザイン/制作費用
・在庫管理/流通のための費用

などがかかってきますが、以下の様々なサービスを利用することで、
自身で対応するか、低費用で進めることが可能です

デザイン制作:
副業デザイナーへの依頼で数万円~で対応可能に
ココナラ:https://coconala.com/

HP構築:
ECサイトを立ち上げるのに完全無料で対応できるサービスも複数あります。
BASE:https://thebase.com/

在庫管理/流通:
Amazonが展開する「フルフィルメント by Amazon(FBA)」を活用することで、初期費用はほぼゼロで月々の運営費用にて費用負担することが可能です。
https://sell.amazon.co.jp/fulfill/fulfillment-by-amazon

このように、化粧品ビジネスの立ち上げの初期費用は非常に低く始めることが可能です。

2.成功した際のリターンが莫大

OEMで製品製造した際の商品の製造原価は20%前後が平均とされております。なので、1,000個600円程度で製造された商品は3,000-4,000円前後で売られることが多いです。

仮に、販売価格の30%を広告等の販売促進や流通の費用に活用するとした場合、1,000個の商品を完売させることで以下のような収益が得られます。

売上(3,000円×1,000個)-原価(600円×1,000個)-販売促進等(900円×1,000個)=150万円

こちらは初期ロットで得られる収益ですが、通常生産個数が増えれば増えるほど1個あたりの生産コストは下げることができます。また、1万個規模で売れる用になった際には販売にかかる費用も抑えることができるようになります。
仮に、1万個規模の生産ができるような商品になった場合、以下のような形で各種コストは下がり、収益が上がることが想定されます。

売上(3,000円×1万個)-原価(400円×1万個)-販売促進等(600円×1万個)=2,000万円

これが月3,000個規模の販売のブランドになれば、月500-600万円規模の利益が継続的に入ってくることになります。単発ではなく継続的に、非常に大きな利益をもたらしてくれます。

なお、月3000個の販売というのがどの程度なのかイメージしづらい方には、Amazonにて「美容液」を検索いただければ、Amazonのみにはなりますが各種美容液の月販売個数がわかりますのでぜひお試しください。

3.現業とのシナジーで双方にプラスの効果が期待できる

化粧品ブランドを作ることで、新規の売上を上げることはもちろん魅力ですが、それだけでなく現業にも多くのプラス効果が得られます。

具体的に期待できるプラスの効果を見ていくと、
エステサロン/ヘアサロンなどの場合)
自社オリジナルブランド立ち上げにより、物販の売上向上だけでなく、
商品を通じたファン化や商品の追加購入の際の来店などで顧客のロイヤル化にも寄与。

広告代理店/コンサルティング企業の場合)
実際に自社製品ブランドを立ち上げ、販売を進めていくことでより深いブランド作りや販促のノウハウ獲得や、自社実績をもとにした集客が可能に。

その他の業種でも、toCのビジネスで自社の名前が知れることが、思わぬ形で自社の事業のプラスになることは十分に考えられます。

このように、化粧品ビジネスへの参入は多くのメリットが存在しております。
実際に多くの企業が参入し、中には莫大な成功を収めております。

成功事例

では、実際に異業種から化粧品ブランド作りに挑戦し、成功した事例を見ていきましょう。

富士フィルム アスタリフト
異業種から参入した化粧品ブランドの中でも、先駆け的な存在で非常に大きなブランドになっているのが、富士フィルムのアスタリフト

もともとは写真フィルム製造の会社として1934年に創業しました。。
デジタルカメラの普及による写真フィルム事業の縮小に伴い、写真フィルム製造で培ってきたコア技術を美容分野へ応用し2007年にアスタリフトにて新たに化粧品事業へと参入しました。

「コラーゲン」「ナノ化技術」などの写真フィルム製造を通じた自社の強みであるコア技術をもとに、美容成分「アスタキサンチン」を高配合したスキンケアシリーズとしてアスタリフトを誕生させた。

2007年当初は通信販売から始め、翌年には店頭販売を開始すると同時にTVCMを開始。
4年目には100億円の売り上げを誇るブランドに成長した。

本業のコア技術をもとに、既存の化粧品会社とは異なるポジションとして「独自技術がスキンケアの概念を変える」という技術ドリブンなブランドとして訴求し、信頼を勝ち得ていったことで大成功へつながっていきました。

シロク N organic
N organicを運営する株式会社シロクは、有名な「サイバーエージェント」の子会社です。
シロクという会社自体はもともとアプリなりメディアなりをやっている会社でしたが、大きくピボットし、N organicというコスメD2Cで化粧品ビジネスへ参入しました。

N organic自体は「女性向けのオーガニックコスメ」として、主にF1-2(女性20~49歳)の肌や美容などに悩み始めた大人女性を対象としたブランドです。
売り方としては、基本的にはD2Cから始まり、「トライアルキッド」などのお得商品から定期購入に引き上げるという自社の得意とするWebマーケティングを丁寧に実施していました。徐々にブランド力が確立する中で、自社店舗やLOFT/PLAZAなどのバラエティーショップ、そのほかドラッグストアや美容院などで販売を拡大していきました。ブランド立ち上げから3年目には3億以上の黒字を出し、現在の売上は100億円以上の規模まで成長しております。

実際にブランド立ち上げの背景や苦労話は、下記にてインタビュー記事がございますので良ければご参照ください。
https://woman.nikkei.com/atcl/doors/column/19/062400094/061800024/
自社の持つWebマーケティングの強みを生かす形で、丁寧にターゲット分析をし、商品開発をしていったことが大きなブランドとなるための成功の秘訣だったようです。

ターゲットと提供価値を決め、コンセプトを明確化していったお手本のようなマーケティングをしていった事例になります。

OEMで化粧品ビジネスに参入する際のポイント

一番大切なのは、どこのOEMメーカーに製造を依頼するかです。OEMメーカーによって得意分野、実績、受託ロット数が異なるので、しっかり確認しましょう。

化粧品ビジネスにおける目標を明確にする
新たに参入する際には、化粧品ビジネスでどの程度の売上を実現し、どのような状態を達成したいのかを最初に明確にしましょう。目標の規模に応じて、作るべき商品、コンセプト、プロモーション、予算などが変わってきます。自分の目標に応じてOEMメーカーも合う会社が変わってきます。幅広く対応が可能なOEMメーカーを選ぶことをおすすめします。

製造したい商品のイメージや条件を明確にする
化粧品ビジネスを始める上で、自社の強みや使いたい成分などいくつかの条件が出てきます。何を作るのか、誰に向けた商品なのか、コンセプト、デザインなど可能な範囲で明確にしましょう。ベンチマークとなるような他社の具体的な商品などがあれば、よりスムーズに進められます。作りたい商品のイメージや条件をもとに、どうすれば利益につながるか相談に乗ってくれるOEMメーカーを選ぶことをおすすめします。

容器やデザイン、販売の相談まで頼れる
化粧品ビジネスに参入する際には、様々なことが要因でつまずくと思います。特に、商品処方の開発、生産はお願いできても、そのほかの容器手配、デザインなどは別会社にお願いしなければならず、複数の会社と取引をする中で、対応しきれなくなるケースが非常に多くあります。商品の処方開発、生産だけでなく、容器手配、デザイン、販促など一気通貫で依頼できるOEMメーカーがおススメです。

新規参入の際にも安心な一気通貫サポートのOEM


BAY COSMETICSでは、数百の化粧品ブランドを立ち上げてきた経験を持つ担当者や、マーケティングコンサルティングを行ってきた担当者がお客様の作りたいものの実現から、実際に“売れる”という部分まで一気通貫でサポートします。
小ロットから始められ、ユーザーの使用テストや顧客調査もすぐに行えるので、自信を持って発売までいけます。ぜひ、オリジナルコスメブランドの立ち上げの際にはBAY COSMETICSまでご相談ください。



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