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「ベイトマンニュース」イギリスとスコットランドの家の違い

前回スコットランドの家の外壁のペンキ塗りについて書きました。
スコットランドでは家の外壁を塗り替える、というのは普通に行われていることなんですが、私たちが長年暮らしていたイギリスでは、(窓枠のペンキ塗りは数年に一度行っていたけれど、)外壁のペンキを塗りかえる、ということはなかったですね。っちゅうか、イギリスの家は煉瓦造りだったので、外壁にペンキを塗る必要もなかったわけです。

そう、イギリスの家は煉瓦づくりがほとんどです。
一方スコットランドの家は、レンダーという砂壁と石造りの家が多いんです。これはイギリスに比べて圧倒的に雨と風、寒さが厳しいことに関係しているそうです。レンダーの壁は呼吸するので湿気に強く、家の中の暖かさをキープするのだそうです。
一方煉瓦の家は丈夫で、家の中の暖かさを保つけど、湿気を逃すのは苦手なのだとか。
面白いですね。その国(気候)によって、家の素材も変わってくるんですね。 

日本は台風がやってくるので、丈夫という意味では煉瓦造りの家がいいかもしれない。でも、暑さや湿気、そして地震の多さという面では木材の家が最適なのでしょう。

スコットランドの家は、昔は丈夫で機密性が高いということで、石造りがほとんどでした。
でもレンダーという砂壁ができてからは、湿気に強くコスパもいいレンダー壁が主流です。
でも正直、私は煉瓦造りの家の方が好きです。なんせ見た目が可愛いから。笑。
レンダーは砂壁ですから、元々(可愛らしくない)砂色の壁が、年月の経過と共にどんどん色が濃くなり、風雨に晒され続けてどす黒くなるんです。煉瓦は時間の経過と共に味わい深く、更に美しくなるのに対し、レンダーはどうしてもみすぼらしくなってしまう。
そこで外壁にペンキを塗って丈夫にすると共に見栄えも良くするわけです。

素材の違いと共に、窓枠や家のつくりにも違いがあります。
私はずっとイギリスの家が好きでしたね。特に梁が真っ直ぐでなく、漆喰壁に藁葺きの、味わい深い古い家がめっちゃ好きでした。時と共に味わい深くなる家って、めっちゃよくないですか?
スコットランドの古い家は平屋のいわゆる「長屋」スタイルが多く、通りに沿って家が建っています。寒い気候のせいか、一部屋一部屋が小さくて個室で、窓はベイウィンドウと呼ばれる出窓が多いです。昔は薪ストーブで家を暖めていたので、煙突もあります。
今の家はもっと近代的です。間取りも広々してオープンプランが多いんですが、セントラルヒーティングの上に二重、三重窓になっているので、家の中はとても暖かいですよ。
私はイギリスの家のファンやけど、今はスコットランドの家も嫌いではないです。
レンダーの壁(私も。笑。)は時と共に劣化してしまい、物悲しい姿になっていくけど、スプレーペイントで美しく生まれ変わることができる。それもまたええやん、と思うわけです。

どちらにしろ、きちんと手を入れて、古くなっても美しくあり続ける。家も人もそうでありたいですね。

スコットランドの町はこんな感じで長屋風。
煉瓦造りの家は時間の経過とともに味わいが深くなる。


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