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第1四半期の株式市場は好調なスタートMarkets Had a Great Start. What’s Next.歴史を振り返ると、年内も上昇が続く可能性が大きい

S&P500指数は第1四半期に大幅高

2024年の市場は素晴らしいスタートを切った。歴史は、2024年が総じて竜頭蛇尾ではなく、盛大に幕を閉じるであろうことを示唆している。

週末が聖金曜日で短かった先週のS&P500指数の動きを見ると、わずか0.4%高の5254.35で引けたが、第1四半期としてのパフォーマンスは記録的なものとなった。S&P500指数が引け値で史上最高値を記録した回数は年初来で22回で、これは第1四半期としては1998年以降で最多だった。

先週の他の主要株価指数は、ダウ工業株30種平均が0.8%高の3万9807ドル37セントとなったが、ナスダック総合指数は0.3%下落して1万6379.46で引けた。小型株のラッセル2000指数は2.5%上昇して2124.55で週末を迎えた。

S&P500指数は2024年の年初3カ月で10.2%上昇した。年初の3カ月で8%以上の上昇を記録したのは2012年の12%、2013年の10%、2019年の13.1%に次いで、21世紀に入ってから4回目だ。

ダウ・ジョーンズ・マーケット・データによると、2012年以前にS&P500指数が第1四半期に8%以上の上昇となったのはドットコム・バブル崩壊前の1998年にさかのぼる。1950年以降でも今回を入れて17回だけだ。

弱気派と強気派の根拠


S&P500指数の今年第1四半期の上昇は昨年の24%の急上昇に続くものであるため、市場は行き過ぎていると考える懐疑論者もいる。人工知能(AI)への熱狂がいまだに市場をけん引しているという事実は、ハイテクバブルの再来ではないかというここ数四半期の懸念をほとんど和らげるには至っていない。他の慎重派は、「(上昇相場を)取り逃がすことへの恐れ(FOMO=Fear of Missing Out)」が市場に資金を呼び込む現実的な要因であると指摘する。

しかし、継続的な上昇を支持する強力な論拠がある。半導体大手のエヌビディア<NVDA>の直近の業績は、AI楽観論が単なる誇大広告でないことを示している。また、2023年とは異なり、今年はハイテク以外の銘柄も市場をけん引している。S&P500指数のヘルスケア・セクター指数と生活必需品セクター指数は、1四半期としては2022年第4四半期以降で最高のパフォーマンスとなった。また、3月末時点で金融セクターと生活必需品セクターは5カ月連続で上昇しており、2018年以降で最高だった。

強気派に対する支援材料はまだある。1950年から2023年まで、S&P500指数が第1四半期に8%以上の上昇となったのは16回あるが、その後3四半期でマイナスとなったのは1回だけであり、それはブラックマンデーの暴落があった1987年だけだ。それ以外の15回は、その後の3四半期の上昇率が平均で9.7%となった。言い換えると、過去約75年でS&P500指数が第1四半期に8%以上上昇した場合、ほぼ94%の確率でさらに上昇していることになる。

第2四半期以降も上昇の勢いが続く見方

全体としては、2024年はこの勢いが続くことを示唆している。ただし、残りの年内の上昇が第1四半期に及ばない可能性も十分にある。

前述した15回(1987年を除いたもの)のうち10回で、第1四半期の上昇率がその年の残りの期間の上昇率を上回った。これには2012年のように、第1四半期の上昇率が12%だったが、それ以降の上昇率が1.3%にとどまった場合も含まれる。

そうした事実の一方で、2013年と2019年の場合は、S&P500指数は第1四半期よりも残りの3四半期の上昇率の方が大きかった。

肝心なのは、2024年のように好調に始まる年は、「ブラックスワン(予期せぬ極端な事象)」的なイベントが起きなければ投資家を失望させることはほとんどないという点だ。

その点からも、今回の第1四半期のパフォーマンスが市場参加者をいらだたせるとは考えていない。

この記事は「バロンズ・ダイジェスト」で公開されている無料記事を転載したものです。