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勉強する意味

勉強というものは、いいものだ。代数や幾何の勉強が、学校を卒業してしまえば、もう何の役にも立たないものだとともっている人もあるようだが、大間違いだ。植物でも、動物でも、物理でも、化学でも、時間のゆるす限り勉強して置かなければならん。日常の生活に直接役に立たないような勉強こそ、将来、君たちの人格を完成させるのだ。何も自分の知識を誇る必要はない。勉強して、それから、けろりと忘れてもいいもんだ。覚えるということが大事なのではなくて、大事なのは、カルチベートされるということなんだ。カルチュアというのは、公式や単語をたくさん暗記していることではなくて、心を広く持つという事なんだ。つまり、愛するということを知る事だ。学生時代に不勉強だった人は、社会に出てからも、かならずむごいエゴイストだ。学問なんて、覚えると同時に忘れてしまってもいいものなんだ。けれども、全部忘れてしまっても、その勉強の訓練の底に一つかみの砂金が残っているものだ。これだ。これが尊いのだ。勉強しなければいかん。そうして、その学問を、生活に無理に直接に役立てようとあせってはいかん。ゆったりと、真にカルチベートされた人間になれ!

『正義と微笑』 太宰治

勉強する意味は何なのか?

上の文章を読んだ際に、その究極の答えがこれだと、僕は思った。

勉強は直接役に立たなくてもいい。
忘れてしまってもいい。
一つかみの砂金が残る。

では砂金とは何なのか?

神経科学の観点からいえば、これはまさに神経活動依存的な神経回路の形成である。ある神経の発火が他の神経の発火を誘導するとそれらの神経のつながりが強まる、というヘブ則が神経間のシナプス可塑性のルールとして知られている。脳の情報処理の大半は無意識下で行われていると考えられているので、忘れてしまったことでも脳の回路形成には影響を与え、自身の一部を形成して情報処理過程を変えている。

特に、脳の可塑性が高いとされている若いうちには将来の思考の基盤ができていると考えられる。日々勉強に時間を使っているか、Youtubeを見ているかで、もはや脳内の神経回路から変わってしまい、現在の考え方や発想など脳に起因する活動に影響を及ぼすはずである。

未来の世界の見え方は今何をするかに依存する。

参考文献

ヘブ則 - 脳科学辞典 (neuroinf.jp)

勉強の意義は何か?神経科学的に言えば、勉強は脳の回路形成に影響を与え、将来の思考基盤を形成する。日々の活動は脳に影響を与え、未来の世界の見方を決定する。

ChatGPTを用いて要約
サムネイル画像はDALL-Eにより生成