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#ジャック・ガウディと伝説の鼻


バランタイン公式HPより、第3代マスターブレンダーのジャック・ガウディ氏。
彼の鼻には数々の逸話がある。

ジャック・ガウディと伝説の鼻


 スコッチウイスキーの代名詞である「バランタイン」は、モルト原酒とグレーン原酒をブレンドして作られ、その長い歴史の中で、数人しかいないマスターブレンダーによって伝統を紡いできた。ジャック・ガウディもその一人である。

 ブレンダーの仕事は様々なウイスキー原酒を組み合わせて新たな製品を作るだけでなく、既存の製品の品質維持などが挙げられる。つまり、そのウイスキーが持つ個性を最大限に引き出すことが求められ、彼らは自らの鼻だけでそれらを行っていく(これをノージングという)。

 ある時、ジャック・ガウディはグラスから嗅いだことのない香りを嗅ぎ取った。複雑に重なり合った香りのなかで、微かだがあり得ない香りが混ざっていたのだ。当時の社長であるトム・スコットに伝えると「それはあり得ない」と一笑に付された。しかし、調査チームが仕込水の水源を調べていくと、珍しいサクラソウが生えていたという。彼の神がかった嗅覚にはいくつもの逸話がある。まさに、伝説の鼻と言えよう。

◆プロフィール
 黒瀬稜太(くろせ りょうた)
 中津市在住。1991年生まれ。「今日もお酒日和」を執筆して1年が経
つ。メディアプラットフォーム「note」にて過去作やその他記事を掲載。

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